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明日の天気はお菓子だよ

 帰宅後、僕はリビングのソファでテレビを見ているレイナ(白髪ロングの幼女だが宇宙人である)にユキ先生(漫画家の卵)の耳元で唱えた呪文についてたずねた。


「なあ、レイナ」


「私はあの時、私の星の言葉でこれからはお兄さんの言葉を鵜呑うのみにせず、締め切り虫と話し合いながら漫画を描いてねって言ったんだよ」


「そ、そうだったのか。というか、勝手に心読むなよ」


「私はそんなことしてないよ。私はお兄さんの心がそう言ってたのを聞いてただけだよ」


「そうか。でも、あんまり質問する前に答えない方がいいぞ」


「どうして?」


「お前のことを超能力者だと思うやつらがいるからだ」


「超能力者……。人の脳の松果体しょうかたいを覚醒させることで得られる不思議な力……。私の知ってる超能力者は結構苦労してたなー。たしか名前は……」


「ちょ、ちょっと待て! お前、本当にこの世界の住人なのか?」


「お兄さんの部屋にある姿見は複数のパラレルワールドとつながっている。だよね?」


「え? あー、まあ、そんな感じだな」


「だよね。それでね、私たちは色んな星や世界を渡れるくらいの力を持ってるんだよ」


「え? じゃあ、僕たちが一生かけてもたどり着けないような星や世界をたくさん見られるのか?」


「うん、そうだよ。何度移動させても次の日には必ずやってくるダンボール箱の中に入っている幼女を部屋に入れちゃったせいで異世界転移しちゃった男の子がいる世界。ある日突然、妹候補が現れて異世界転移しちゃった男の子がいる世界。何でも破壊できる力を持ってる超能力を持ってる男の子がいる世界。最初に言ったダンボール箱の中に入っている幼女のルーツが分かる世界。無気力な吸血鬼がいる世界。世界征服が好きな吸血鬼がいる世界。魔眼でなんでも解決してくれる吸血鬼がいる世界。狼男がいる世界。理想のご主人様と出会えた猫がいる世界。子どもの幽霊がいる世界。ナナシがいる世界。空を見上げることを進める何かがいる世界。魔王が襲来したせいで大切な人を失ったけれど、ハッピーエンドになった世界。浄化の炎で異世界を救った姉と弟がいる世界。カタルシスでリベレイトする世界。天使がペットショップにいる世界。なんちゃらのスバルもどきの世界。そしてお兄さんのそばにいる鬼が怒る原因を作った人間の子どもたちのせいで人間と妖怪が共存せざるを得なくなってしまった、この世界。あー、それから……」


「あー、えーっと、そろそろテレビのチャンネル変えていいか? 明日の天気知りたいから」


「うん、いいよ。あっ、ちなみに明日の天気はお菓子だよ」


「お菓子? 空からお菓子が降ってくるのか?」


「さて、どうだろうね。あっ、そうだ。ねえ、お兄さん」


「ん? なんだ?」


「明日までに人間の闇で大量の武器を作れるようにしておいた方がいいよ」


「え? あー、分かった」


「よろしい。あっ、私、晩ごはんできるまで寝るから。それじゃあ、おやすみ」


「え? あ、ああ、おやすみ」


 彼女はソファに横になると秒で寝た。ふむ、寝顔は普通にかわいいな。


「……ありがとう」


「え?」


 こいつ、また僕の心の声聞いたなー。まったく、油断も隙もないな。

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