レイナ・ヒュミリム
あー、眠い。早く帰って寝よう。
「お兄さん」
僕が家に向かって歩いていると宇宙人(白髪ロングの幼女)が話しかけてきた。
「ん? なんだ?」
「今日は〇〇で寝ていいよ」
「あー、うん、頼む」
「じゃあ、今からお兄さんの体を小さくするね」
「ああ」
あー、眠い……。んー? なんか体がどんどん小さくなってるような気がするなー。気のせいかなー?
「お兄さん、私の手の平の上に乗って」
「おう」
「お兄さん、もう横になっていいよ」
「ああ。あっ、そうだ。君、名前は?」
「私の名前は……レイナ。レイナ・ヒュミリムだよ」
「そうか。レイナか。おやすみ、レイナ」
「うん、おやすみ。お兄さん」
*
次の日……。僕は懐かしい温もりを感じながら目を覚ました。
「……あれ? ここ、どこだ?」
「おはよう。お兄さん。さて、問題です。ここはいったいどこでしょう」
おっ、なんかレイナ(見た目は白髪ロングの幼女だが宇宙人である)の声が聞こえるぞ。
「うーん、暗くて何も見えないからよく分からないなー」
「そっか。まあ、そうだよね。じゃあ、今からお兄さんを外に出すから答えはそのあと聞かせて」
「え? あー、分かった」
うーん、昔こことよく似た場所にいたような気がするんだよなー。どこだっけ?
僕がそんなことを考えていると僕はいつのまにか外に出ていた。
「おっ、ここは僕の部屋だな」
「正解。じゃあ、さっきまでお兄さんがいた場所がどこなのか教えて」
「……うーん、温泉の中……かな?」
「……惜しい。正解は……」
彼女は問題の答えを僕の耳元で囁く。それを聞いた僕は自分の耳を疑った。
「……えっと、それ、本当……なのか?」
「うん」
「え、えーっと、なんでお前は〇〇に僕を寝かせたんだ?」
「うーんと、まず私の星では好きな異性の額にキスをするのが婚姻の儀なんだよ」
「え?」
「次に」
「待て待て待て待て!!」
「え? 何?」
「え? 何? じゃない! 僕はそんな話全然聞いてないぞ!」
「お兄さんにそのことが知られるとキスさせてくれない可能性があったから話さなかったんだよ」
「だろうなー。あー、もうー! 僕のバカ! なんであの時、レイナの行動の意味を考えなかったんだ!!」
「お兄さんは悪くないよ。お兄さんに考える暇を与えなかった私が悪いんだから。あー、それと昨日の私の泣き声、お兄さんにしか聞こえてないよ」
「は?」
「まあ、正確には私のパートナーになる人にしか聞こえない声を出してたんだけどね。だって、おかしいでしょ? あんな夜中に女の子が泣いてるのに誰も近づいてこないなんて」
「じゃ、じゃあ、僕はお前に呼ばれたってことなのか?」
「うん、そうだよ。あー、それとお兄さんを〇〇に寝かせた理由はお兄さんのことが異性として好きなのとお兄さんの子どもが欲しいからだよ」
「はぁ……なんでお前はそこまでしたんだ?」
「私のパートナーとやっと会えたんだよ? 好きにならないわけないよ」
「そ、そうか。でも、もう二度としないでくれ」
「どうして?」
「本来、僕はそこにいちゃいけないからだ」
「……! そ、そっか。たしかにそうだね。ごめんなさい」
「分かればいいんだよ、分かれば。えっと、みんなに自己紹介したか?」
「まだだよ」
「そうか。じゃあ、みんなに自己紹介しに行こうか」
「うん!」




