表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
1001/1940

レイナ・ヒュミリム

 あー、眠い。早く帰って寝よう。


「お兄さん」


 僕が家に向かって歩いていると宇宙人(白髪ロングの幼女)が話しかけてきた。


「ん? なんだ?」


「今日は〇〇で寝ていいよ」


「あー、うん、頼む」


「じゃあ、今からお兄さんの体を小さくするね」


「ああ」


 あー、眠い……。んー? なんか体がどんどん小さくなってるような気がするなー。気のせいかなー?


「お兄さん、私の手の平の上に乗って」


「おう」


「お兄さん、もう横になっていいよ」


「ああ。あっ、そうだ。君、名前は?」


「私の名前は……レイナ。レイナ・ヒュミリムだよ」


「そうか。レイナか。おやすみ、レイナ」


「うん、おやすみ。お兄さん」


 *


 次の日……。僕は懐かしいぬくもりを感じながら目を覚ました。


「……あれ? ここ、どこだ?」


「おはよう。お兄さん。さて、問題です。ここはいったいどこでしょう」


 おっ、なんかレイナ(見た目は白髪ロングの幼女だが宇宙人である)の声が聞こえるぞ。


「うーん、暗くて何も見えないからよく分からないなー」


「そっか。まあ、そうだよね。じゃあ、今からお兄さんを外に出すから答えはそのあと聞かせて」


「え? あー、分かった」


 うーん、昔こことよく似た場所にいたような気がするんだよなー。どこだっけ?

 僕がそんなことを考えていると僕はいつのまにか外に出ていた。


「おっ、ここは僕の部屋だな」


「正解。じゃあ、さっきまでお兄さんがいた場所がどこなのか教えて」


「……うーん、温泉の中……かな?」


「……惜しい。正解は……」


 彼女は問題の答えを僕の耳元でささやく。それを聞いた僕は自分の耳を疑った。


「……えっと、それ、本当……なのか?」


「うん」


「え、えーっと、なんでお前は〇〇に僕を寝かせたんだ?」


「うーんと、まず私の星では好きな異性のひたいにキスをするのが婚姻こんいんの儀なんだよ」


「え?」


「次に」


「待て待て待て待て!!」


「え? 何?」


「え? 何? じゃない! 僕はそんな話全然聞いてないぞ!」


「お兄さんにそのことが知られるとキスさせてくれない可能性があったから話さなかったんだよ」


「だろうなー。あー、もうー! 僕のバカ! なんであの時、レイナの行動の意味を考えなかったんだ!!」


「お兄さんは悪くないよ。お兄さんに考えるひまを与えなかった私が悪いんだから。あー、それと昨日の私の泣き声、お兄さんにしか聞こえてないよ」


「は?」


「まあ、正確には私のパートナーになる人にしか聞こえない声を出してたんだけどね。だって、おかしいでしょ? あんな夜中に女の子が泣いてるのに誰も近づいてこないなんて」


「じゃ、じゃあ、僕はお前に呼ばれたってことなのか?」


「うん、そうだよ。あー、それとお兄さんを〇〇に寝かせた理由はお兄さんのことが異性として好きなのとお兄さんの子どもが欲しいからだよ」


「はぁ……なんでお前はそこまでしたんだ?」


「私のパートナーとやっと会えたんだよ? 好きにならないわけないよ」


「そ、そうか。でも、もう二度としないでくれ」


「どうして?」


「本来、僕はそこにいちゃいけないからだ」


「……! そ、そっか。たしかにそうだね。ごめんなさい」


「分かればいいんだよ、分かれば。えっと、みんなに自己紹介したか?」


「まだだよ」


「そうか。じゃあ、みんなに自己紹介しに行こうか」


「うん!」

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ