2箇所目
嫌な予感がする…落ちたのがアリエッタであってくれるな…!
そう思いつつ、俺は地底へ続くという穴まで来ていた。どこまで続いているんだ…?この下、深くて底が見えない所まで落ちたという…確認せねばならない。恐怖心を捨て、俺は穴に飛び込んだ。
彼が向かい始める少し前・・・
いったたた…ここどこ〜?
辺り一面岩だらけ。そして暑い。この格好だから尚更暑い。長袖なんだから仕方ないけどさぁ〜。それにしてもここはどこだろう。でも迷ってても仕方ないから適当に歩こうかな。
…迷った。ここどこなの。完全にどこから来たのか分からなくなった。まぁ…いっか、どうにかなるよ…ね。
あづ〜…なんでこんなに暑いの…汗がとまんないよ〜…やばい、暑さで死にそう…誰かぁ〜!
………。
………………あっ、私終わったねこれ。なんも反応がないよ。あぁ〜まだ死にたくないよ〜………限界。
バタッ
「…どうしたの?こんな所で倒れて。」
…ん?だれ?
「私?」
うん。
「霊烏路空。近くにある地霊殿にみんなで住んでるよ。」
…神か!
「へっ?」
助けて…あづい…
「あー…地上から来ちゃった感じかぁ…しょうがないねー。よいしょっ…と。」
あー、これで助かるんだ。
「そういやまだ聞いてなかったけど、貴女はだれなの?」
私?
「うん。」
アリエッタ。別の世界から飛ばされちゃったの。
「アリエッタちゃんかぁ、よろしくね!」
こっちこそよろしく…
「元気ないね?」
暑さで死にそう…
「あっ、ごめんごめん。早く連れていくよ」
バサバサバサ…
「着いたよ!ここが地霊殿さ。」
おぉ、なんか凄いお屋敷だね。
「とりあえず水をどうぞ。」
ありがとうありがとう…ゴクゴクゴク…ぷはぁっ!うまっ!生き返った!
「それから、さとり様の所に連れてくよ。」
さとり様?
「ここの主だよ。私はさとり様のペットなんだ。」
へぇ〜。
「こっちだよ。ここがさとり様の部屋。このドアの向こうにいるんだ。」
バァァン!
うわびっくりしたぁ…
「さとり様ぁ!」
「…お空、ドアは普通に開けなさいっていつも言ってるでしょ。」
「ごめんなさーい。…あ、近くで倒れてる子がいたから連れてきました!」
お空?この人のこと?
「そうだよ。私はみんなにお空って呼ばれてるんだ」
そうなんだね。じゃあ私もこれからお空って呼ぼう。
「…貴女が倒れてたって言う子?」
うん。暑さで死にそうなのをお空が助けてくれたんだよ。
「お空もたまにはいい事するじゃないの。」
「"たまに"は余計ですよ!」
「とりあえず…誰かしら?」
アリエッタ。魔道士だよ。別の世界から飛ばされちゃったの。
「そう…地底まで来てしまったみたいだけど…これから貴女はどうする?」
…外は暑いしここにいさせて欲しいな〜…なんて。みんなはどこかで誰かといるだろうし、1人は寂しいから…。
「いいわよ。」
いいの!?
「部屋はいくらでも空いてるし。なんならお空と一緒でもいいわよ。」
ちらっ…
「うにゅ?」
一緒にいい?
「いいよ!」
やったぁ!じゃあ暫くいさせてもらおっ!
「魔道士って聞いたけど、どんな事が出来るの?」
色々と出来るよ。何かしよっか?
「それじゃあ、何か一つ見せて頂戴。」
お安い御用だよ!外でやるね。
「ええ、いいわよ。」
ドォォォン!!
「おぉ〜!すごい!」
えへへ〜褒められると嬉しいね!
「な、なかなかの威力ね…」
今はしないけど、もっと凄いのも出来るよ!
「そうなんだ!私も凄いの出来るんだよ!見せてあげる!」
ドォォォン!!
おぉ〜!凄い!これ魔法じゃないね。
「うん、核融合だよ!」
核融合が何かは分からないけどとりあえず凄いことは分かった!
「ほんと!わーい!」
こんどあそぼっ!
「いいよ!」
(…こいつら2人合わさったらいけないやつじゃ…?)
地底に落ちた彼女こそ天才大魔道士アリエッタ。彼の予感は的中していた。
そしてさとりはお空と共に過ごすのを許可したことを少し後悔した。