第1話 ちょっと神殴りに行きます
第1話 ちょっと神殴りに行きます
目を覚ますと何もない真っ白な空間に寝そべっていた。俺の部屋じゃない???ベットから半径1メートル以内にリモコン、冷蔵庫、携帯、パソコンが全て長年の暮らしのなかで最適位置置かれた俺の部屋じゃない!?
「クソ、何処だここは??」
ようやくこの眩しい光から目が慣れてきて目の前に大男がこちらを覗いて見てるのに気づいた。
「うわぁあああああ!!誰だお前は!?!?」
「我か?我は神だ!!お前こそ勝手になんだ。」
目の前の真っ白な衣装に身を包んだ筋肉隆々で白髪白ヒゲを生やした男はそんな舐めた事を言った。
「神だ!?あいにく俺は無宗教者でね。あんたが神かどうかはどうでもいいけど俺を部屋に返してくれ。」俺は立ち上がりながらいった。
「すまんな、それはできん。
我は今この神殿にを封じられててな、地上に行って我の力を集めて来てくれたら返してやることもできるんだが...」
そしてその自称神によると俺は今異世界の神殿に転移されてて日本に戻りたければ地上に散った神の力が封じられた神聖具なるものを集めろという事らしい。
「お前主が我の力を取り戻してくれてお主は元の世界に帰れる。コレはいい取引だと思わないか?ハッハハハハッハ」
ボコッ
なんとなくムカついたから殴ってやった。
「な、何をする無礼者!?!?!?我は神だぞ!?」
神が自分で神というものかいや言わない。
「言ったろ?俺は無宗教者だって。それより勝手にお前に此方に転移させられて神聖具とやらを集めろなんて、なんで俺がそんな面倒な事をしなきゃならない。」
「ちょっと待て、お主何か勘違いしてるぞ!お主を此方に呼んだのは我ではない。」
「どういう事だ?じゃあ何で俺は此処にいる?」
「知らん。だが異世界人を此方に呼べるのは神だけだ。よって我以外の十三柱神の誰かであろう。」
「なるほど。じゃあ俺を呼んだそいつを一発殴ってから元の世界に返すように言えばいいんだな?」
「はぁ...全くお主は神を何だと思っているんだ。。。神とはこの世界を創ったものだぞお前が会いたいと思って会えるような者達ではない。」
今は会いたいと思ってなくてもあってるがな...
「まぁいい、とりあえず此処にいてもどうしようもないって事だな。」
「お主飲み込みが早いな。地上に降りて我の力を集めて来てくれ。後ろのゲートから地上に降りれる!」
「嫌だ。」
「な!?」
「なんか面倒くさそうだし..それじゃあ俺は自分で他の神を探しに行くから。じゃあな!」そう言って俺はゲートに向かって歩き出した。
「ちょっちょっと待ったー!!待て待てお主に我の力をやる!だから頼む!」
力??異世界だから魔法とかスキルとかか??どちらにしてもゲーム好きの俺は本物の魔法というのに興味がある!こいつは案外チョロそうだしうまく乗ったふりをしてトンズラこくとしよう。
「よし!お前が俺に力を与える代わりに俺は神聖具を集めて来てやろう!」
「本当か?よし!お主に力をやろう!!ところでお主の名前は何だ!?我はフォンシス・レイディアッド!!!」
ほらチョロい。
「俺の名前は....
俺の名前???」
自分の名前が思い出せない。俺は24歳国立大学を出て一流の商社に就職して....顔もいい方だ学生時代はモデルにスカウトされた事もある。。。で!?俺の名前は...
「転移のショックで記憶を損失したのか。よし、我が名付けてやろう!」
そうだな。名前が無いのはこれから不自由になるだろう。本来なら自分でつけてもいんだけど、何せ小っ恥ずかしい。
「おう!気に入ったらその名前にしよう!」
「よし、それではお主の名前はフォート・レイディアッドだ!苗字は我の名前からとった!我らは兄弟だ!!」
「フォート・レイディアッドか..」
まるで昔からの自分の名前のようにしっくりくる。
「フッ神と兄弟か気に入った!ありがとなフォン!」
「おうよそれじゃあ次は約束通りお主に我の力をやろう!!」
そう言ってフォンは俺の前に両手を差し出した。
すると当たりが真っ白な光に包まれて俺の頭に男とも女とも言えないそんな中性的な声が響いた。
「スキル:支配者、炯眼を入手しました。」
「どうやらうまくいった様だな!フハハハハハ!!」
得意げそうにフォンは言った。
「ところでフォン、"スキル:支配者"っていうのはどういうスキル何だ?」
炯眼は何となくわかるが支配者というのは想像しにくい。
「"スキル支配者"か我のスキルを引き継いだ様だな!
‼︎‼︎そのスキルはこの世の全てを支配する能力だ‼︎‼︎」
「フェッ!?」
ビックリしすぎて変な声が出てしまった。俺は今ものすごい能力を得てしまったんじゃ無いか?まぁいいか。それより今は他に気になることがある。
「フォンのスキルを引き継いだっていうのはどういう事だ?」
「何を言っている!当たり前だろう!!我は支配の神だぞ?」
「それじゃあ何で最初っから俺にスキルを使って操らなかったんだ??」
「あっ!!えーとだなそうだ!俺はお前を気に入ってたからだ!」
うわこいつ馬鹿だ、完璧に忘れてたな。こんなのが本当に神なのか??まぁスキルも貰えたしいいか。
「それじゃあ俺はそろそろ行くよフォン!色々ありがとな!!」
「おうよ兄弟!おっとその前にその格好じゃ目立ちすぎる。我が服を与えよう。」
そういえばジャージのまま飛ばされたんだった。定番でいけばこんな化学素材なんてまだ存在してないだろうしな。
「うんそれじゃあ頼むよ!」
フォンが指を鳴らすとマジックの様に俺のジャージが白を基準とした服に外套を羽織った格好に変わった。
「この服は魔法がかかっていて様々な耐性や身体能力の向上が付与される。ちょっとやそっとででは壊れない。最高級の品だ大切にしてくれ!」
「おうサンキュー!それじゃあ今度こそ行くよ!神殴りに行くついでにフォンの力も探しとくよ!」
「ハハハハハ!威勢がいいな流石は我が兄弟!だが悪いことは言わん。神に逆らうのはやめておけ。」
「ハイハイ。でも一発殴んないと気が済まないからな。」
後ろでフォンのため息が聞こえた気がしたが俺は意気揚々と異世界へ向けて一歩を踏み出した。
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最後まで読んでいただきありがとうございます。更新頻度は期待しないでくださいww
次回はヒロイン出します。多分...