忘却
気付けば巡った四季を馳せて、
季の移ろいは滑らかだと、
過ぎた一年、失せた一年、
惜別の念を嘆じつつ、
乗じて己も振り返り、
あれ、おかしいな。
思い出せない己のかつてを、
また滑らかゆえと悟った只今、
馳せられもしない己に慨して、
苦渋に春を仰ぎ見て、
また、
会いたいものだと――。
四季は巡るが、
己は巡らぬ。
いづれに抱いた感慨は、
また鮮明には至れぬ。
当然ゆえに、悲憤は否めず、
無常ゆえに、自失を極め、
せめて何かを記した後に、
さっさと眠れば良いのかと、
今日を閉じる口実を紡ぐ。
(*´_`)。o (読んでいただき、ありがとうございました)