エピローグ
「いいプレゼントだってよ!よかったな」
「えっへん、当然だ」
サンタは胸を張ってどや顔を浮かべる。
「うわぁ、偉そう。誉めなきゃよかった」
「トナカイなんか言った?」
「いや、なんにも。そういえばあのツリーどうやって作ったんだよ」
「トナカイわかんないの~。ププー」
今ものすごくこの仕事をストライキしたいとトナカイは思った。だがその前にツリーをどうやって作ったのか知りたい。
「で?どうやって作ったんですかサ・ン・タさん」
「ふふん、ミョウバンの飽和水溶液に市販のツリーを浸けたんだよ。よく理科の実験でモールをミョウバンの溶液につけるとモールにミョウバンの結晶が出来るだろう?それをツリーでやったのさ!」
なるほど、これが溶けない雪の正体か。
「でもあのツリー、150センチくらいだけどミョウバンどれくらい使ったんだ?」
「‥‥‥‥」
サンタは、その言葉に青くなって黙った。
「それじゃあ質問を変えるあれを作るのにいくらかかった?」
「********円」
「あほかぁ!サンタクロース協会から配分される一人あたりのプレゼントの金額越えてるだろ!!」
「えへ♪だからその分"僕ら"の給料からさっ引いちゃった」
その表情は、とあるケーキ屋のマスコットを彷彿させる
。
「えへ♪じゃねー―――!!」
「トナカイくん、僕らはお金以上の報酬を貰っているじゃないか!みてみなよ。あの子の笑顔」
「確かにいい笑顔だけどな!俺はあの子の笑顔が見たいんだよ~~」
トナカイがさめざめと泣き出した。
「えっ!?トナカイくん彼女でもいるの??誰々?どんな子?」
「絶対教えないつうの!」
この凸凹コンビにもクリスマスの奇跡を!
Merry X'mas!
これにて完結です。Happy X'mas!