素敵なプレゼント
クリスマス当日
ムーサは、サンタさんがプレゼントを持ってきてくれるかとワクワクしながら目が覚めた。目が覚めると同時にムーサは、リビングに走り出した。
「プレゼント!」
だが念願のプレゼントの影も形もない。せっかく気分良く起きたのに台無しです。
「ムーサおはよう。クリスマスなのにしょんぼりしてどうした?」
「サンタさんプレゼントくれなかった」
その言葉に父親がなるほどと見た。よほど楽しみにしていたらしい。
「サンタさんでもあげられないプレゼントだったんだよ」
「うん」
でも内心では、雪が駄目でもツリーは欲しかったなと思っていた。
そのとき玄関の扉が力強く叩かれる音がした。慌てて父親が扉を開けると近所のグワイが目をキラキラ輝かせて立っている。
「ムーサ!ムーサ!お前のプレゼント凄いな!!」
「プレゼント?」
なんのことかわからないまま家の外に連れ出された。そして玄関脇を見て驚く。
「うわぁあ!真っ白なツリーだ!!」
朝日を浴びてキラキラと白く光を弾くツリーがあった。キラキラ光るのが本で読んだ雪にそっくりだ。何も飾り付けしていないのにとても立派で綺麗に見える。
「まさか‥‥本当に雪を?」
父親は、ツリーに唖然とする。南の島に雪を持ってくるのは不可能のはず。だから雪ではない。
だが息子がとても喜んでいるので雪でも雪でなくともかまうまい。
「いいプレゼントをもらったな」
「うん!」