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フィンランド

≪フィンランド≫

クリスマスに向けてサンタとトナカイがプレゼントを袋に入れていた。


「最近の子どもはゲームばっかりだな。楽でいい」


「何が楽だって!?金ばっかりかかるじゃねぇか!‥‥‥おい、これ読んだのか」


トナカイが手紙をくわえ込んでサンタに渡す。


「あー‥‥、あったっけ?なになに"サンタさんへ 雪とツリーが見たいです ムーサ"。雪とツリーなんてそこらへんにあるからそれ使えばいいんじゃないか?」


「アホか!住所みろよ。雪を持って行ったら溶けちまうだろうが」


「あー、南の島だー。帰りにサーフィンして帰ろうよ」


「バカか、お前なんかお腹ぷよぷよだからサメの餌になるっての。それよりどーするんだよ」


トナカイがひずめをサンタに向ける。サンタは少し考えた後なにか思い出したようだ。


「うーん、あれあるじゃん。降雪器。あれ使えば雪降るよ」


「ボケ、あれはある程度寒くならないと使えないんだよ。それに一晩で出来ないだろ」


「へー、そうなんだ。それじゃあ、気温を下げる?」


「そんな魔法みたいなこと出来るのか」


トナカイが目をパチパチとまばたきする。


「アメリカの原子爆弾を地球の核に打ち込めば地磁気が変わって‥痛い」


トナカイが渾身の力を絞ってサンタの頭を叩いた。


「そんなことやったら生物が死滅する!やってることがサンタじゃなくてサ・タ・ン!だっての。そもそもよくそんなこと思いつくな」


「一昨日見た映画でやってたんだ。凄かったよ」


「目をキラキラさせるな。そもそもどうやってそんな危険物をもちだすんだよ。国防総省だぞ!?」


「私とお前なら出来る」


笑った口からサンタの白い歯がきらりと光る。


「俺とあんたは家に入るが泥棒じゃねぇつの!」


トナカイは、ツッコミをしすぎて息切れしてきた。


「さっきから文句ばっかりだけどトナカイは何かアイデアないの」


「考えてるよ!たくっこれだから脱サラ後のサンタ一年生が‥」


「だってさ、サラリーマンって不毛なんだもん。頑張っても達成感ないし。その点サンタって子どもの憧れじゃないか?嬉しかったり喜ぶと目をキラキラさせていいなって思うんだよ」


トナカイは、その言葉に黙る。ふだんバカでアホでマヌケなやつだけど大事な物を持っている。


「確かにな。でもそれとこれは違うぞ!これからサンタをずっとやる気ならもっと大変なことがあるかもしれない。そのときは、自分で考えるんだからな!」


「だから考えてるよ」


「そもそも雪とツリーって2つプレゼント頼んでんじゃねーか」


手紙を見てトナカイがため息をついた。サンタはひげをしごきながら見る。


「なら雪が積もったツリーにする?雪で真っ白なツリーって綺麗だよね」


「確かに綺麗だが雪溶けるんだぞ?」


「溶けない雪?があったな~ってさ」


「はぁ?聞いたことないぞ」


「よし、今から準備するからプレゼントを袋に入れてね♪」


そういうやいなやサンタは部屋から飛び出した。残っているのはトナカイと大量のプレゼント。


「おい、このプレゼントを俺のひずめでどうやっていれろと?」


トナカイは、プレゼントと己のひずめを見比べる。プレゼントと垂直になるように腕で支えた。


「おぉ!持てた!持てた!」


プレゼントはそのまま袋の中へ。果たしてクリスマスに間に合うのだろうか?

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