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序章
これはまだ武士がいくばくもの戦をし、徳川の家康様が國を統一し始めたときである。
時は江戸初期ー
民は生活に苦しみ、落武者らは村を襲い、日本はとてもいい環境とは言えなかった。
人は心身ともに病み始めてきていた。
新時代を迎えても、自分達の生活が変わったわけではない。
武士が國を治め、貴族は武士の下につき、農民はただただ働かされひっそりと暮らす...。
その病んだ心に住み着こうとするのが悪妖だ。
悪妖とは悪事をはたらく妖怪の事だが、人は住み着かれてるなんて気づきはしない。
生きるので必死で、自分が病んでるのかさえ分かりはしないだろう。
そこで登場するのが巫女様や法師様、陰陽師だろうか。
見えもしないものから救われたい、そんな願いから、神頼みまでするものもいた。
さてさて、ある田舎村はそんな巫女様や神頼みをせず、人々は毎日生き生きと生活している村があるそうな。
では、その村では悪妖や病んでしまってる人はいないのだろうか?
いやいや、そんなわけがない。
では、なぜこんなにも活気が良いのだろうか、それは一人のくの一少女が原因...。