第六話
夕食を食べ終え片付けもし終わり、綺麗になった机で朝の続きの会議が始まった。
議長・副議長は今朝同様瑞樹と鈴で、被告は俺と紅波今朝と違うところは園木のせいで俺への罪が更に重くなっているということ。
「では兄妹会議第二部を開始します。」
瑞樹の瞳には相変わらず光は宿っていなく、ただ薄暗い笑みを浮かべていた。
「初めに紅波ちゃんに対する刑ですが・・・、生殺し&洗濯一週間です。」
「いやあああああああああああああ、洗濯はいいけど生殺しだけはご勘弁をどうかご慈悲を」
「抜けがけの罰にかける慈悲なんてものはありません」
生殺しってなんですか?
「神保くん生殺しって一体どんな罰なの?」
「さあねー、俺にもよくわからんし理解するつもりもない。」
瑞樹は普段見せないような凛とした態度で、罰?を紅波に言い渡した。
「さて、次はにーちゃんですが・・・今朝の一軒だけだったら、まあまあ軽い罰で済すませる予定だったんだけど、なんかさらに重くして欲しいみたいだけど言い訳はある?」
瑞樹は瞳をさらに鋭くして俺と園木を見た
「俺は悪くない、俺だって来て欲しくなかったさ、でもなこいつ俺がNOと言っても来る気満々だったんだよ。ハイかYESしか認めないって言うんだよ」
「ひどいわね神保くん、私が行きたいって言ったらすごく喜んでたじゃない。」
「お前は話が面倒なことになるから喋るな、言ってないから、そんなこと一言も言ってないから。」
あぁ、瑞樹の目がもう鋭いとかそういうレベルじゃなくて、ゴミを見るような目になってる
「では兄さん園木さんに明確に拒否をしたのですか?」
「ああ、それは・・・・あれ?してないような気が・・・」
「そうね神保くん確かに私が貴方の家に居候するって言った時に、明確に拒否はしていないわね。」
あれ?さっきまで見方だったはずの鈴の目まで険しくなってる・・・
「にーちゃんはそこで待っててください、鈴ちゃんとちょっと判決を考えてくるから」
瑞樹は不吉な笑みを、鈴は困ったような顔をしてリビングから出て行った。
やばいやばいやばい、鈴は多少バツを軽くしてくれる可能性があるが、瑞樹はほぼ確実にやばいものをぶち込んで来る。
なぜかさっきまでしょんぼりしていた紅波だったが、園木に対して敵意丸出しの視線を送っていた
5分くらいして鈴と瑞樹が帰ってきた。
出て行く前とは違い、瑞樹はものすごく悪い笑顔を浮かべていた。
緊張と恐怖で背中に汗が伝うのがわかる
「にーちゃんの判決ですが・・・」
「待てよ、瑞樹あんまり俺が言える立場じゃないけど、倫理的なものも考慮してくれよ」
空気が張り詰める、少しでも衝撃があればはじけてしまいそうなくらいに。
「これから一週間・・・、私とすずちゃんが家にいるときは例外を除いて監視させていただきます。」
「監視?どういうこと?」
予想してたものより随分と軽い言い方だったので、なにかあるのではないかという考えが頭をよぎる
「にーちゃんが風呂入るときも、寝たり起きたり普段通りゴロゴロするときも私かすずちゃんがひっついてるってこと」
前言撤回極刑は免れただけで十分すぎるほど刑はめんどくさいものだった。
「そして姉ちゃんには生殺しだったけど変更して、一週間監視の名目でにーちゃんに私とすずちゃんがベタベタするから、それを見てるだけの簡単な刑に変更です。」
「本音が漏れてるし、ただお前らが二人が独占したいの?俺のこと」
ニコニコとしながら言う瑞樹とは対照的に紅波は顔を真っ青にしていた。
「み・・瑞樹・・・、もしかしなくても私一週間兄貴に触れない?」
「もちろんだよ紅波ちゃん、無断でにーちゃんと一夜を過ごしたんだからそのくらいのバツは覚悟しないと。」
「そうですよ姉さん、抜け駆けしたのが悪いんですからしっかりと反省して下さいね」
「無視かよ、都合の悪いことは聞かないことにしてるよ・・・」
「面白い妹さんたちじゃない、主に外野として見てる身としては」
・・・酷いこの女ひどいよ、自分が被害を被ることがないとわかっているから、あくまで観客として見てるよ、この自体を引き起こした起爆剤でもあるのに。
「じゃあにーちゃん判決も出たし、紅波ちゃんも一週間は私たちのことを邪魔できないし色々といいことをしようよ、フフフフ」
「そうですよ、兄さん今夜は三人で楽しみましょうね」
鈴と瑞樹は俺の両脇をしっかりとホールドしてあり、そしていつものどこから出してるかわからない母親譲りの怪力で抜け出せそうにない。
「楽しむってあれだよね、俺の部屋にあるゲームで遊ぶとかそんなのだな。あんまし俺を困らせないでね・・・・ちょっとお願いだから二人共光の無い目でおんなじトーンで笑うのやめて怖いから」
「大丈夫ですよ、初めてだからって気にしないでください我慢しますから」
「ごめん何の話?お願いだからいつものいい子の鈴に戻ってきて」
「兄ちゃんだったら受け止めてくれるって信じてるから、大丈夫私信じてるから」
ああ、ダメだこりゃ。完全にトリップしてやがる。
「貴方の妹さん達って随分と面白いのね、見てて飽きないわ。お世話になってる間楽しませてもらうわね。」
誰か助けてください、種蒔いたの俺なんだけど流石に収穫できないよ、収穫しようと思ってたら全く別の植物の化物が育ってて唖然としてるよ。
「兄貴・・・、ごめんな私のせいでこんなになっちゃって。」
発端が最終的には一番の被害者じゃねえか、かわいそすぎるだろ。
「大丈夫、紅波いつものことだろ、大丈夫だからあんまり気にすんな。ただ俺がいつもより忙しくなるだけだから。」
「さて、私は疲れたから寝るわね。そこの部屋だったかわよねおやすみなさい。」
このあとさらに大暴走した鈴と瑞樹をなだめて寝る頃には次の日になっていた。
投稿遅れてすみません。
いやー・・・液晶映らなくなるってかなり怖いですねー
修理に出してたら投稿かなり遅れてしまいました。すみません