第四話
いつものように目覚ましがなったので、眠いのを無理やり覚醒させて起き上がろうとするが、何かが体をホールドしていて起き上がれない。まだ半分も起きてない頭をフル回転させて考える。
・・・・・確か昨日は紅波をマッサージしてから一緒に・・・
「んぅ・・・あれ・・・・なんで兄貴が私のベッドにいんの」
「ここは俺のベッドだ紅波、それとなんでお前がここにいるのかは覚えてるか?」
「え~っと・・・、兄貴にマッサージしてもらったら眠くなって」
「そう、そのまま寝たのお前」
急いで部屋から出そうと思って立ち上がった瞬間に悲劇は起こった
「にーちゃん腹減った、あさご・・・」
「「・・・・・」」
眠そうな顔をして入ってきたのに、一瞬で表情が氷のように冷たいものになった
「緊急兄妹会議いいいいいいいい」
今日は朝から面倒くさいことになりそうです。
とりあえず朝食を全員ダッシュで済ませて、兄妹会議が開かれた。
「あの・・・みんな、遅刻しないように準備しないとじゃない?」
「にーちゃんは黙ってて、今回の議題は『なぜ姉さんがにーちゃんと一緒に寝ていたのか』です。」
いつもは朝に弱いから寝ぼけている瑞樹がやけに元気そうに議長をやっていた。
「議長!判決は最も重い一週間近寄れないがいいと思います。」
「え!?、鈴・・・それじゃあ・・私・・・」
一体なんの罪でどういう刑罰なのかが俺にはさっぱりわからねぇ
「いやいや鈴さん、それじゃあ大会前の姉さんがかわいそうだよ」
とりあえず時計を見ると、8時前だったので俺だけでも準備をしようと席から立つと
「にーちゃん!まだ、にーちゃんの判決は出てないからね。そこでおとなしく座って待ってなさい。」
なぜか怒られた。
「でも、そろそろ出ないと間に合わないんだけど・・・」
瑞樹はしばらく時計とにらめっこして
「仕方ない、一旦解散続きは全員が帰宅してから再開します。」
とりあえず、朝の騒動を乗り越えて学校に着く頃にはチャイムが鳴る寸前だった。
昼休みに入りやっと食事の時間にはなったが、どうしても昼飯を食うぶんにはならなかった。
「・・・気持ち悪い・・・まさか4時間目の中盤で時間を歪めた時の逆寄せが来るって、狙ってんだろコンチクショー」
「どーした神保、いきなり叫んで何かいいことでもあったのか?」
「ねーよ、嫌なことばっかりだから叫んでんだよ」
いつものように昼飯を男二人で食うむさくさみしいところに昨日木村の心を折り、俺をつけてチンピラに襲撃させた人物がやってきた。
「神保くん、昨日のことで少しいいかしら?」
「できれば、放課後の方が嬉しいんですが今じゃなきゃダメですか?」
「今がいいわ私はあなたが思ってる以上に忙しい人間なのよ、その辺を考慮して頂戴」
流石の毒舌ですぜ園木さん、一緒に飯を食おうとしていた木村が恐怖でさっきから小刻みに震えてるのがかわいそうでなんだが・・・
「分かりました行きますよ、どうせ昼飯食うつもりなかったし。」
「ここじゃ話せないからついてきて」
木村に一言謝ってから園木についていき、屋上に出る
「それで、話ってなんなんですか?今めちゃくちゃ頭痛くて吐き気があるんだけど」
「そんなことはどうでもいいわ、私ね昨日あのあとよく考えてみたのよ」
俺の意見は肯定的なもの以外全て無視って・・・
「私ね今日からあなたの家に居候することにしたわ」
「・・・・・・・・・はっ?なんですと」
今重要で聞き逃しちゃいけないことだろうけど聞きたくないことを聞いた気がした。
「だから、わたし今日からあなたの家に居候するからよろしく」
「ちょおおおっとまてえええ、何もうすでに決定事項なの?こっちの了承はなしで決まってんの。」
「金銭的な面だったら気にしないで、お父さんからたくさんもらえることになってるから」
「そっちじゃねえええええ、家は親がいないんだよ、死んでるとかじゃないんだけど、とりあえず俺があれで稼いでるのは生活資金が必要だからで遊びじゃないから。」
頭痛と吐き気で普段だったら、適当に流してたけどこればっかりは危険すぎる。主に俺が
「そんなこと下調べ済みよ、だから少し多めのお金を用意したのよ。そんなこともわからないなんてあなたは本物の馬鹿なのかしら?」
なんでこいつはここまで人を怒らせられるのだろうか、こっちが辛いってことを少しは考慮してもいいと思うんだけど。
「だから今日の放課後神保くんのお家へ伺うわよろしくね」
「・・・・・・・・」
もうヤダこの人、人のはなし聞くとか聞かないとかそういうレベルじゃないんだけど・・・・
学校が終わりいつものように商店街で夕食の材料を買って帰ると、玄関で予想していた通り園木がいた。
「マジで来たのかよ。」
「昼休みに言ったでしょ今日の放課後に行くって、嘘はつかないもの」
これは・・・・どうしよう、みんなが帰ってきてから兄妹会議が更に伸びそうな予感しかしない・・・・