始まり
純 「よし、じゃあ行ってくるねお母さん!」
母 「いってらっしゃい。寂しくなったら帰ってきなさいよ。」
桜(妹) 「お姉ちゃぁぁぁんっ」
純 「大丈夫だって。桜、元気でね?」
母 「お金のことで困ったら電話しなさい。」
純 「はーい、じゃあ行って来まーす。」
私は高校一年生、15歳。
今日から山吹"男子高校"に通う"女"。
男子高校に通う理由は生き別れた義理の兄がそこの地域に
住んでるからだ。
小さい頃顔を一回合わせたことがあるだけで顔と名前はほとんど覚えてない。
純 「よいっしょ…ここが山吹男子高校か。」
? 「おー!一年発見!」
純 「?」
陸 「あーいきなりごめん。俺も一年でさ、ちょっと一緒にいやすい奴
探してて。」
純 「丁度よかった、わた…俺も一人だったらどうしようとか思ってたんだよ」
陸 「そっかー、よったら一緒に行かない?えっと…」
純 「あ "神谷 純"純って呼んで。」
陸 「純か、俺 "中川 陸"」
純 「中川…。」
陸 「あーいいよいいよ。陸って呼べよ。そっちの方がいいだろ
これから仲良くするんだし。
それより、荷物重そうだな、少しもってやるよ、ほら、貸して。」
純 「あっいいよ、重いし」
陸 「だから持ってやるって。」
純 「あ、ありがとう。」
うっわ…この人超優しい。
今時こういう人いるんだー、ちょっと関心…。
ってそういうのはおいといて
純 「寮ってどこにあるんだ?」
陸 「えっとね、あの木が茂ってる場所のちょっと奥」
純 「ふーん…デカっ!!!」
陸 「55人いるらしいぜ。」
純 「意外と少ない?」
55人の内一人女…っていうかこの学園の生徒600人の内一人が女なんだよ。
そしてそれが私だ!!!なんか…なんだこの感覚
ドキドキ?ワクワク?だんだん鼓動が早くなってく…。
陸 「どっこいしょ。じゃあ行くか入学式会場。」
純 「ちょっちょっと待って…」
すっごい緊張してきた…なんだこれすごい…
ま、まあ女ってと意識しなきゃこれくらい…
陸 「純?」
純 「よし・・・行こう!」
陸 「おう!」
こうして私たちは入学式会場に向かった
大丈夫なのか?本当にバレないよね…?
あー…バレたらどうしよう。
陸 「並ばなきゃな」
純 「出席番号順…」
あたしが11番
陸は34番…
結構 離れたな…
陸 「おうふっ…」
純 「じゃあまた入学式終わったらね。ばいばい」
陸 「うん、じゃあな」
陸が去っていくと同時に孤独感がだんだんと…
うぅー…すっごく不安になってきた。
それから…
校長先生の話などを聞いて普通の入学式と変わらない
2時間弱の入学式は終わりを告げた。
純 「陸ー。」
陸 「おー、純おつかれー。」
純 「疲れた、本当に疲れた」
陸 「うん、行こう教室。」
こんな感じの会話をしながら教室に向かった。
教室に向かうにつれてすっごくドキドキしてくる。
私は女だけど今は男を演じきらなきゃ。
陸 「純、どうした?」
純 「ちょっと緊張しちゃって…。」
陸 「大丈夫だよ、俺がいるじゃん。」
わーお…恥ずかしくないのかな?(仮)男子同士なのに…
純 「そうだな…」
そうだなとこ言ったけど、不安すぎて死にそうだ…。
ガラッ
陸が教室のドアを開けたと同時に
教室にこもっていた声が一斉に飛び出した。