観覧車
両思いで浮かれていたオレは、少し切ない気持ちで、お昼を食べた。
光湖ちゃんも辛いんだろうな…。
好きな人に好きじゃないって、面と向かって言われたんだもんな…。
「純?やっぱりまたお腹痛いんだ?」
「えっ、あー…ううん。うますぎてフリーズしてた」
「あはは、そういうことね。たしかに美味しいね!」
「「ねっ!」」
実里も光湖ちゃんも夜くんも笑顔だ。
でも、心の中は…そうじゃない可能性もあるのか。
…
恋愛って、当人同士の問題だけだと思ってた。
でも…それだけじゃないって知ってしまったオレは、とあること諦めた。
なんですか?って?
それは…観覧車告白です。
両思いが確定したので、調子に乗って告白でもしちゃおっかなぁーなんて、たくらんだりもいたしましたが…
夜くんと光湖ちゃんの話を聞いて、その後自分だけ告白して、両思いになりましたー‼︎実里と付き合いまーす‼︎ってのは、あまりにもどうかしているってなわけなんですよ。
だから…
やめておきますわ。
でもね…食事中に光湖ちゃんが急に、ジャンケンして、観覧車ペアで乗ろうよ?って提案してきたんです。
もし、もしも…実里と一緒に乗れたらって少しワクワクしたりもしたよね。
もう、観覧車自体…諦めてたところだったし。
なんなら、この際…夜くんとか光湖ちゃんと乗るのでもいっかなぁ。
ただ遊園地を満喫して、友達と思い出つくるのもありな感じもしてきた。
どうにでもなれ精神で、ジャンケンに挑んだ。
結果…
オレは、実里とのセットプランになりました。
こんなことって…あるんですねー。
まぁ…告白はしないし…
思い出作りってことで、いいと思われます。
言い出しっぺの光湖ちゃんは、夜くんと一緒に乗れるのが嬉しいみたいで、ニッコニコでした。
でも、
「えー、夜と一緒ー…」
と、ツンデレ発動いたしております。
そんなツンデレな光湖ちゃんは、観覧車をとても楽しみに、ご飯をバクバク頬張り準備万端です!
「あーあ、夜と観覧車かぁー」
って言いながらも、リュックを背負い、みんな早くぅ〜攻撃です。
大好きなんだね…
でも、一回フラれてるんだもんね…
複雑だよね…
そんなツンデレ光湖ちゃんは、夜くんと…なんだかんだで楽しそうに観覧車に乗り込みました。
「なんか光湖ちゃん、楽しそう」
実里にも光湖ちゃんの内面が伝わっているみたいだ。
「な、光湖ちゃん楽しそう」
そんな光湖ちゃんたちを微笑ましく見送り、オレたちも観覧車に乗り込んだ。
実は実里は、高いところがあまり得意じゃない。
だから…
「あんまり揺らさないでよね?」
とか、
「バッグの重さどれくらい?」
と、荷物チェックをはじめだして、重さ調整していた。
そんなんでバランス崩れないよって教えてあげたけど…実里は必死だった。
そんな実里は、めっちゃかわいい。
こんな実里と、観覧車に乗れて…なんなら両思いってことに、今は感謝だ。
それだけで、充分なくらい幸せだ。
きっと夜くんも光湖ちゃんも、一緒にいられるだけで、幸せって思っているのかもしれないなぁ。
そうだよね!
なんだかんだでも、ずっと一緒に笑い合えるってことが幸せなんだ。
ビビリな実里と観覧車に乗って、幸せをかみしめる、素敵な遊園地デートになった。
で…
観覧車からおりると…
光湖ちゃんと夜くんの様子が…ヘンだね⁇
ヘンっていうか…
どうしてそうなった⁇って状態がおきていた‼︎
手ー‼︎
手繋いでるよ⁉︎
え?
どうしたの⁉︎
すぐさま、実里も気づいた。
「えっ⁉︎もしかして…二人って…?」
「うん‼︎そう!付き合いだしましたぁ‼︎」
⁉︎
「よ、夜くん…?」
オレはびっくりして、夜くんに詰め寄った。
「大丈夫なの?あのこと…」
こっそり聞くと、どうやら光湖ちゃんは、自分をかばって自分のこと好きじゃないって言ったことを知っていたらしい。
で、
そんなのには、負けない‼︎わたし大丈夫だから‼︎だから、ハッキリ言うね‼︎夜が好き‼︎と、宣言したそうだ。
で、夜くんもその気持ちにこたえて、オレが全力で守るってなったのだとか。
そんな展開が訪れるなんて、予想もしてなかったな。
実里が観覧車で、バランスをとっている数分間に二人は、幼馴染から恋人へと進化したようだ。
ハッピーエンドでよかった。
安心して、遊園地を締めくくれた。
さて、オレはどうしよっかな…
続く。




