不思議な現象
それぞれ乗り物に乗って、さっそくリフレッシュ顔になり、ホクホクだ。
「次は、どれ乗る?」
「「「あれは?」」」
光湖ちゃんの、どれ乗る?の言葉のあとにオレたちがハモったのは、ほぼ空中自転車みたいなやつだった。
青空の下、空中で自転車をこぐなんてなかなかできない体験だ。
「じゃあ、オレ今度は光湖ちゃんと乗りたいなー」
わざとらしく、いってみた。
そしたら、たぶん…夜くんが実里を誘ってくれるだろう。
思ったとおりに、やっぱり夜くんは、実里を誘ってくれた。
よし‼︎いい感じで実里の応援ができただろう。
これは、なかなかスマートにうながせたな。
我ながら完璧。
そして、キャーキャー言いながらも自転車を堪能していた実里。
うまく二人になれて、よかったねって思う反面…
なんか…さみしくも思うのは、オレが幼馴染離れできていない証拠だろう。
今まで、そんな実里が好きだー‼︎とか思ってもいなかったのにな…
普通に一緒にいるのが、当たり前だったのにな…。
今は、実里の隣に夜くんがいる…。
「もしかして、高いところ苦手?」
⁉︎
光湖ちゃんに声をかけられて、我に返った。
「あ、ううん。ごめん…光湖ちゃんにばっかり、こがせちゃって。」
「え、その逆じゃん。純くんがあんまり必死にこいでるから、早く降りたいのかな?ってさ」
「あー、ごめん。無意識にこいでた」
「あはは、そうだったんだ」
「うん…ごめん」
「大丈夫だよー」
無意識に、暴走運転していた。
光湖ちゃんが優しくてよかった。
暴走運転したおかげで、喉がカラカラになってしまった。
「オレ、アイス食べたい。みんなは?」
「「「食べるー‼︎」」」
息ぴったりだ。
運動後のアイスはとにかく美味しくて、あっという間に食べ終わってしまった。
それがよくなかったですね…
めっちゃお腹が痛い…
「次、どれに乗ろっか?」
実里がアイスをペロリとしながら問いかけた。
「ちょっと並ぶけど、あれにしない?」
「「いいねー」」
夜くんの提案した乗り物に、賛成する女子達。
「純くんは、嫌?」
「あー、オレさ…早食いして腹痛かも…。トイレ行ってくる間に、三人で乗ってて。終わったら、またここに集合でいい?」
「「「オッケー。お大事にー」」」
三人に見送られて、オレはトイレに直行した。
トイレが近くにあって、ほんと助かったわー。
トイレからスッキリしてでると、いきなり男の人がトイレに駆け込んできた。
「ごめん、ちょっと預かってもらえない⁉︎」
まだ返事もしていないのに、渡された大きなぬいぐるみの頭…と皮?
着ぐるみってやつじゃん。
ちょっと着てみちゃう?
これ、着るの憧れだったんだよねえ。
うわ、あったか。
てか、頭おもっ‼︎
へー、見晴らしはこんな感じなのかー。なかなか見えるやんって、堪能している場合じゃないね。
脱ぎましょうねーって、頭をカポリト脱ごうとしたら、小学生くらいの女の子がいきなりオレに抱きついてきた。
しかも、「こうすけー」って言いながら…。
きっと、着ぐるみのあの男性がこうすけなのかな?
もしかして、着ぐるみの中の人の知り合い?かな、なんて考えていたんですよ。
そしたら、その子がじゃあねって立ち去ったあとに、いきなり光湖ちゃんがいてさ…
「夜」
って言った⁉︎
えっ⁉︎
何⁉︎
意味がわからないでいたら、今度はいきなり後ろから誰かに抱きつかれた。
で…
「光湖」
って聞こえたような…
かと思えば、「純」
って聞こえた⁉︎
え…
この声って…
てか、次々と抱きしめられては、みんなどっか行くやん。
なんのゲームだよ?ってポカンってなったよね。
ポカンしていると、
「あー、ごめんごめん」
と、さっきの男性が戻ってきた。
「あ、ごめんなさい。勝手に着てしまって」
慌てて脱いだよね。
「いいよ、長いこと待たせてごめんねー」
「いえ。」
着ぐるみを渡して、みんなのところに戻る前に、着ぐるみのおにいさんに聞いてみた。
「なんか…みんな名前呼んで抱きつくのって…なんなんですかね?」
って。
着ぐるみのおにいさんは、少しびっくりした感じで
「えっ?知らないの?」
と、目を丸くした。
えっ?って、オレも目が丸くなった。
続く。




