意気投合
遊園地に着くと、大きな入場ゲートがあり、なんだか急に物語の主人公にでもなった気分に、一瞬だけなるのは気のせいだろうか…?
気のせい…か。
そんなのみんなに言って、笑われたら嫌だから、そこは黙っておこう。
そして、そっと主人公風のオレは入場した。
パーク内は、とっても賑やかだ。
パークに入ると、心にお花が咲いたようになるのは、やっぱり…気のせいだろうか?
…これもまた黙って、そっと心にお花畑を咲かせた。
「遊園地、ついに来ちゃったね!」
笑顔で実里にそう言ったのは、光湖ちゃんだ。
実里も笑顔で
「来たね〜‼︎ついに来ちゃったね〜!」
と返していた。
その会話を隣で聞いていたオレたちは、微笑んだ。
微笑んだあと、夜くんが皆に向かって、
「一番最初に何乗りたい⁉︎セーノで言おう」
と提案してきたので、皆頷いた。
夜くんの
「セーノ」
の掛け声で、オレたちは乗り物を大きな声で言った。
「「ジェットコースター‼︎」」
「「メリーゴーランドー‼︎」」
…
思いっきり、ふたてにわかれた。
ジェットコースターを選んだのは、オレと実里だ。
そして、メリーゴーランドを選んだのは、光湖ちゃんと夜くん。
…
「やっぱり遊園地きたら、メリーゴーランドからだよなぁ!」
「そうだよねぇ!」
珍しく意気投合してる光湖ちゃんと夜くん。
「じゃあ、一回別行動にしよっか」
実里の提案により、一度オレたちは別行動になった。
…
せっかくのダブルデートなのに…
実里の恋の応援しなきゃなのに…
なぜ、オレは今…実里とジェットコースターに並んでいるのだろう…。
「ごめんね」
⁉︎
いきなり実里からのごめんね…
「え、なんでごめん?」
「だって、これじゃダブルデートじゃないじゃない?」
「あー、それ言ったら…実里こそ…」
「わたしは……あ、そろそろ順番くるよ‼︎一番前だったら、どうしようね‼︎」
「それは、さすがにすごすぎる」
「ねー」
実里は、楽しそうにしつつも…たまにかなしそうな表情をしてくる。
…
そうだよな、夜くんと一緒にまわりたいよな。
次こそは、一緒にまわれるようにしなければだ。
まぁ、とりあえずはジェットコースターを存分に楽しむこととしよう。
先頭ではなかったが、ドキドキとワクワク感が半端ない。
「ここのジェットコースターはじめて」
「オレも」
「でもさ、さっきみてた感じだと回転するよね」
「うん、回転とかはじめてすぎる」
「ほんとだよ〜。回転するとき手繋いでも…いいわけないか‼︎うそ、うそだよ。うそだからね‼︎」
「え…」
「ほら、動きだしたよ」
…
実里…もしかして少し怖かったり?
回転だもんな…
楽しみもありつつ、こわいよな。
ガタゴトと、ゆっくり上に上がっていく…
ここからくだって、グルーンだ。
手…どうしよう。
…
オレは…繋いでいいなら、それは嬉しい。
てか、実里はただこわいから繋ごうぜ的なノリだもん、繋いであげても全然いいんじゃね?
だって、実里は夜くんが好きなんだもんな。
そうだよ‼︎
恐怖を紛らわすくらいのこと、オレがしても全く問題なーいのである。
むしろ、どうする?繋いじゃう?って、ウジウジしている方が、キモいんだよね‼︎
てことで、急降下のあとオレは実里の手を握った。
実里は、一瞬…え⁉︎みたいな表情になったが、そんな動揺している時間もなく、グルーンだった。
ギューんからのグルーンは、なんとも刺激的で楽しかった。
「いやー、すごかったなー」
「あ、えと…うん」
一度乗り物に乗ったら、夜くんたちと待ち合わせをしている。
「あのさ…純?」
「ん?どうした?乗り物酔いした?」
「そうじゃなくて…手…」
⁉︎
いけね‼︎
うっかりずっと繋いだままだった。
「あ、ごめん‼︎ついうっかり…」
「ううん。手握ってくれて、ありがとう。」
「はは…」
オレは、ただの変態やん…
夜くんたちは、すでに待っていた。
「「おかえりー」」
「「ただいまー」」
やっとこれから実里の応援に挑めます。
さっきは…つい自分の応援を無意識にしてしまっていたな。
反省反省。
続く。




