やらかした
夜くんと光湖ちゃんは、仲良く手を繋いで帰っていった。
光湖ちゃんは、すごいな。
そして、愛の力ってやつももすごいな。
オレは…
オレはどうだ?
…
すごくも、なんともないな…
…
「ねぇ、純?どうしたの?また腹痛なんだ?お昼食べ過ぎて?まさか……やっぱりなの⁉︎なら、急いでトイレ探さなきゃだね⁉︎それとも草むらのほうがいい?」
「だれが腹痛だよ?てか、草むらって…オレは動物じゃないんだよ」
「お腹痛いんじゃないんだ?じゃあ、どうしてボーッとしてるの?まさか…逆に腹ペコだったり⁉︎」
「ううん。てか、なんでそんな腹まわりだけ体調不良になるんだよ…。オレはさ、実里がめっちゃかわいいなぁって思ってただけ」
その後、すぐにうっそーって言おうとしたら、実里が顔を真っ赤にして、あんまりかわいすぎたので、オレは言葉を発することを忘れた。
え、え…
「かわよ…めっちゃかわよ」
さらに追い討ちをかけるように、オレはまた、かわよを連発してもらしていた。
「そ、そんな冗談ばっかり…」
「ほんとだよ。実里、めっちゃかわいいよ」
「う、うそだぁ?あ、なんか裏があるんだ?ワークの答え無くしたからコピーしてとかさ?じゃなきゃ、そんなこと言わないよね…。何年も一緒にいて、はじめてそんなこと聞いたんですけどー。」
たしかに。
てか…オレは、なんで急にかわいいだのってほざきだしてしまったのだろう…。
でも、かわいい愛がとまらない…。
「これは、ガチ。」
「えー、ほんとにぃ?」
「うん。てか、入学式で一目惚れしました」
「あはは、やっぱりふざけてんじゃん」
実里は、冗談だと思ったらしい。
そうだよな。
幼馴染のくせに…ずっと一緒にいたのに、一目惚れとか、普通…ありえないんだよな…
信じてもらえないのも、当たり前だ。
「オレさ、ほんとに入学式に実里をみてさ、めっちゃかわいいこがいるやん‼︎ってなったんだよ。横顔みてさ」
…
「横顔って…今まで正面からしかみたことなかったってことじゃん。横顔は、かわいいけど、正面は…とてもみれたもんじゃないですって言ってるようなものじゃない。ひど…ちっくちくのぐっさぐさ言葉じゃない。ひどいなぁー。大好きな光湖ちゃんが夜くんと付き合いだしたからって、八つ当たりはよくないよねー」
⁉︎
あ、そうか。
実里は、オレが光湖ちゃんを好きだと思っているんだ。
「実里、オレさ…ひとつ訂正がある」
「なに?後ろ姿もかわいい。けど、正面は、みれたもんじゃないって言いたいの?」
…
怒っていらっしゃる…
「違うよ‼︎正面もかわいいよ‼︎めっちゃかわいいよ‼︎」
「へー」
…
ガチ怒りだ。
実里は、怒るとへーって言うんだ…。
顔を少し上向きにしてさ…。
「で?訂正って何よ」
…
これ以上、怒らせないようにせねば…
「あの…ダブルデートのことなんだけど…オレさ、前に女子みつくろってきなよって言ったのに、実里がみつくろってって言葉を、みつこロッテちゃんとか言い出したんじゃん…てか、ほんとに光湖ちゃんて人がいたのには、驚いたわ。でさ、オレはそもそも実里が夜くんに一目惚れしたのかと思ってたよ?はじめはね…オレと同じクラスにいい人いたみたいに言ってたじゃん?」
…
「それは…夜くんじゃなくて…」
うん、それはオレだよな?って言いそうになったけど、今…実里はお怒りモードだからな…
それに自惚れんなってなりかねないよな。
着ぐるみになってたことも、今…暴露するのもな…
ここは、どうでればよいのだろう…
「あ、てかさプチパコってなに?」
「それはまぁ、化粧品っていうのかな。なんで?」
「いや、なんかプチパコしてからかわいい…からさ。」
「横顔だけね」
…
クッ…
どこで…こんな歯車がずれたみたいになってしまったんだ…。
好きなのに…
たぶん両思いなのに…
うまく好きが伝えられない…
好きなんだって言ったら、光湖ちゃんがでしょって言われそう。
実里が好きなんだって言っても、横顔がでしょって言われるよね…きっと。
あーぁ…
なんてこったぁー‼︎
…
さっき一目惚れしたって言ったときに、横顔がって付け加え無ければ、こんなことには…
あーどうしよう…
…
続く。




