女神さま降臨
中学入学式
それは、突然の出来事でした。
え?入学式は前から日時、決まってただろうが‼︎って?
…そうじゃないんです。
オレは、ついに恋に落ちてしまったのです。
入学式当日、クラス発表を見終わったあと、美しい艶々サラサラの髪の女子に釘付けになりました。
前髪がいい具合に横に流されていて、スーッと高いお鼻がこんにちはしていて、とてもお美しい横顔なんです。
おわぁ♡
トゥトゥトゥトゥトクん♡です。
「おーい、純ー?どうしたー?」
オレに声をかけてきたのは、小学校が一緒だったタケルだった。
「オレ…恋に…落ちました」
「へ?どうした?川に落ちたの?なら早く着替えなきゃ」
「いや、そうじゃなくて女神さまに落ちたんだよ。」
「あー、歩きながらゲームしてて眼鏡川に落としたんだ?で、堕ちたんだ?闇堕ち?そんなゲームばっかりにハマってヘマすんなよ?眼鏡お大事になー」
タケル…
タケルの耳と理解力こそ、お大事にだ。
まぁ、タケルなんていつもこんな感じだ。
放っておこう。
それより‼︎
あのお美しい女性…いや、女神さまとでも言いましょうか。
その女神さまに釘付けになっていると、女神さまがハンカチをハラリと落としたじゃありませんか‼︎
薄ピンク色の柔らかそうなおハンカチ。
オレは、瞬発力がめっちゃ優れているので、速攻で拾い上げたよね。
「これ、落ちま…した…よ?っ⁇」
「あら、どうもあり…が、とう……って、純…じゃないの⁉︎」
「実里⁈ど、どうして…てか、その髪型…なにやってんだよ⁉︎」
「てへ、イメチェンプチパコだよ。かわいい?どんな感じ?いいでしょ?これからは、プチパコ路線に変更するの〜。それじゃ、しっつれーい」
髪を手でスッとなびかせて、実里は去っていった。
…
プチパコ?
なに?
てか…
あの女神さまは…実里だったのかよ…
「おぅ、純。また会ったな」
「タケル…女神さまが…まさかの実里だったなんて…どうしよう…」
「えっ?まだお前眼鏡探してんの?眼鏡様って…そりゃ、視界が良くなるから様付けするのもわかるけど…執着しすぎだって。もう諦めて新しいの買ってもらえ。オレもなんなら一緒に、母ちゃんに謝ってやるからな。だから心配すんな」
ポンッとオレの肩をたたくタケル。
タケル…
タケルは、自分の耳を心配しろ。
そろそろタケルが心配だ。
正確には、タケルの耳だ。
あんなんで、新しい友達できんのか?
話、通じないだろうね…
タケルを心配しつつ、実里を思い出す。
美しかったなぁ…実里。
その日、学校にいる間ずっと実里の事を考えていた。
で…
家に帰り、部屋着に着替えてのんびりしていた。
「ねー、いい人いたー?」
せんべいをボリボリしながら、オレに話しかけてきたのは、ジャージ姿の前髪ぴょんぴょんで、クロブチメガネの実里だった。
「え…それは…」
「いないかー。純だもんねー。恋とは無縁の生き物だもんねー。せっかく春休みにコンタクトにしたのにねー」
少しこばかにされてイラッとしたオレは、思わず
「いっ、いたよ?すんごい女神さまみたいな美少女がっ」
って、言ってしまった…。
「えっ⁉︎マジ‼︎どんな人⁉︎何組⁉︎」
「それは…てかさ、実里こそコンタクトにして、プチパコしていい人見つけたのかよ?」
「あー…まぁね」
「へー、何組?」
「あー…純って何組だっけ?」
「オレ?オレは三組だけど」
「あ、じゃあ三組だ」
⁉︎
一瞬オレ⁉︎って思ったが、すぐに違うってわかった。
だって…オレの隣にいた男子が超絶美男子だって、女子が騒いでたもん。
実里もか…
実里もあの美男子に心どぅきゅん♡されたのか。
でも、実里とあの美男子ならお似合いかもな。
…
「なんなら、オレが協力してやるよ」
「え?なんの?」
「恋の。ダブルデートでもする?そっちも女子もう一人みつくろってきなよ」
「えっ⁉︎ダブルデート⁉︎てか、みつこロッテってだれ⁇ハーフちゃん⁇オレも協力するからお前もよろしく的な⁉︎」
…
オレのカツゼツが悪いのかな?
それとも、実里もタケルも耳と理解力が悪いの⁇
「いや、なんでもない…」
「えっ?待って⁉︎みつこロッテちゃんってどんな人?ダブルデートは⁉︎」
「…まぁ、そのうちなーーー」
オレもせんべいをボリボリかじって、そのあとは実里とゲームに熱中した。
そんな次の日だった。
実里は、学校では超絶美しい。
そんな美しい実里の隣に、可愛らしい女子がいた。
「こ、こんにちは」
ペコリとお辞儀する女子。
「あ、こ…こんにちは。え、実里…このかたは?」
「笠野 光湖です」
⁉︎
「え…」
実里…仕事はやっ‼︎
てか…光湖さんってガチでいるんだ⁉︎
でも、みつこロッテさんじゃなくてよかった…。
いや、なんならロッテさんの方が…
…
そんなこと言っている場合じゃないな。
実里は、美男子とダブルデートしたくて頑張っているんだからな。
「実里、オレも仕事する。ありがとう。光湖さんもありがとう。じゃ、また後日‼︎」
オレはそのあしで美男子の元へ向かった。
実里、あの美男子にガチ惚れなんだな。よっぽどダブルデートしたいんだな。
…
ドキドキしながら美男子に声をかけた。
「あのさ…」
オレの声かけにクルッと振り向く美男子。
「んー?なにー?」
おっ…みかけよりもマイペース感を感じられる美男子くん。
「あ、あのさ…今度オレとその友達と一緒に遊ばない?」
「えー、いく〜。楽しそう〜。連絡先の交換しようよー。お友達にも早く会いたいなぁ〜晴れるといいね〜」
…
「あー、うん」
なんか…懐っこいっていうか…この人すぐに人にだまされそうじゃない⁉︎
なんか、色々心配になってきたよ?
大丈夫そう?
すべてが、すんなりいきすぎじゃない?
ストレート滑り台滑っているみたいだよ?
大丈夫そう⁇
ま、冷たい人じゃなかったし…よかったのかな。
てか、オレって実里にいまさら一目惚れしたのに、いきなりフラれた?
実里は…美男子に夢中で、オレは実里の恋のお手伝いって…
すんなりいってないやんけ‼︎
続く。




