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今川義元から無慈悲な要求をされた戸田康光。よくよく聞いてみると悪い話では無い。ならばこれを活かし、少しだけ歴史を動かして見せます。  作者: 俣彦『短編ぼくのまち』
桶狭間の戦い

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包んでも

 その頃。


戸田忠次「何だこいつら!射掛けても射掛けても前進して来やがる!!」

森可成「包めば勝ちとなるのは囲碁だけの事。俺とお前とでは石の強さが違うんだよ。」

戸田忠次「……向こうの方が槍が長い。しかも全て同じ長さに統一されている……。」

森可成「殿も今川も同じ金持ち。共にお金を使う事に躊躇はしない。しかし信長様と義元とでは決定的な違いがある。それは……。」


 お金の使い道。


森可成「うちの殿がお金を使うのは。」


 如何にして勝利を得る事が出来るのか。


森可成「弓矢よりも種子島の方が威力がある。槍は長く、長さを揃えた方が良い。そして……。」


 集団で活用した方がより高い効果を得る事が出来る。


森可成「桶狭間で見たよ。今川の装備を。立派な物であった。良い仕事がされていた。換金すれば、多くの銭を得る事が出来るであろう。ただな。それらが……。」


 いくさに向いているものでは必ずしも無いのだぞ。


森可成「ただ忠次。お前はその事を理解していたようだな。俺の行く手を遮ろうとしている連中は……。」


 二連木の連中だろ?


森可成「装備を見ればわかる。義元の周りには見掛けなかったみすぼらしい姿をしている。ただ、それで良い。松平の連中程では無いが、難しい状況でのいくさを強いられて来た連中であろう。相手にとって不足は無い。後は……。」


 戸田忠次。お前の肝っ玉次第。勇将の下に弱兵なしだ。ただし強兵を弱兵とする将が居る事も忘れるな。


 戸田忠次陣。


戸田忠次「戦況はどうでありますか?」

「こちらの地が優位でありますので、陣が破られる恐れはありません。しかし敵の備えがうちを上回っています。それ故、陣から飛び出しての攻撃は危険であります。」

戸田忠次「わかりました。引き続きお願いします。」

「わかりました。」


戸田忠次「(やはり……泰朝様に助太刀を依頼すべきであったか……。いや、そうしてしまうと信長が別の道を進む事になる。そこは恐らく泰朝様すら知らぬ道。奴を取り逃がしてしまう事になる。信長を取り逃がす事は、殿の死が公なものとなってしまう事を意味する。それだけは絶対に避けなければならぬ。少なくとも鳴海大高の権益を盤石なものとするまでは……。

 しかしなぁ……。森可成は化け物か……。射掛けても射掛けても怯まず前進しやがる。地の利も兵の数もこちらが上。ただ厄介なのが……。)」

 

 種子島。


戸田忠次「(あれを防ぐ手立てがこちらには無い。……迂闊に陣を出る事も出来ぬ。)」

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