表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
今川義元から無慈悲な要求をされた戸田康光。よくよく聞いてみると悪い話では無い。ならばこれを活かし、少しだけ歴史を動かして見せます。  作者: 俣彦『短編ぼくのまち』
桶狭間の戦い

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

84/112

首実検

 桶狭間近郊。


(織田家宿老)林秀貞「服部一忠!」

服部一忠「はっ!!」

林秀貞「今川義元への一番槍!見事であった!!」

服部一忠「有難き幸せ!!」

織田信長「義元めの抵抗に遭い、膝を怪我されたと聞く。今はゆっくり養生為されよ。」

服部一忠「殿よりこのようなお言葉をいただき、勿体ない限りであります!!」

林秀貞「毛利新介!」

毛利新介「はっ!!」

林秀貞「今川義元を討ち取った働き!見事であった!!」

毛利新介「有難き幸せ!!」

織田信長「服部の窮地を救った事。今川義元を討ち取った働き。この信長。生涯忘れる事は無いぞ。」

毛利新介「恐悦至極に存じ奉りまする!!」


 その後も今川方の武将を討ち取った者の論功が続き……。


森可成「終わりましたか?」

織田信長「あまりに多過ぎて、誰が誰を討ち取ったのか覚えておらぬ。」

森可成「まぁまぁその辺りは林様にお任せしましょう。」

織田信長「又左(前田利家)が来ていたような……。」

森可成「大活躍でしたよ。」

織田信長「……そうなんだけどな……。あいつの元の上司が林だからな……。

森可成「『出仕停止中の身でありながら勝手に参加した事が帳消しになっただけ。』

林様も又左に対しては、厳しくせざるを得なかったのでは無いでしょうか。」

織田信長「別に私は林に対しても

『ついて来い!』

と言った覚えは無いけどな。」

森可成「林様は林様で殿に許された恩に報いたかったのでありましょう。」

織田信長「人が居ないから残しただけだ!」

森可成「そう言わないで下さい。」

織田信長「ところで今川の連中の様子は?」

森可成「ずっと見張っているのでありますが、特に動きは見られません。」

織田信長「あれだけの撒き餌をし、近くに大きな獲物が居るにも関わらずか?」

森可成「はい。」

織田信長「既に崖下に潜んでいる恐れは?」

森可成「それもありません。」

織田信長「引き付けるだけ引き付けて、種子島の餌食にしてやろうと考えていたのだが……。」

森可成「動いていないとなりますと、却って不気味であります。」

織田信長「義元を討ち取ったとは言え、兵の数ではうちは劣勢。そしてなにぶん急な出陣であったため、ここに兵糧は無い。」

森可成「清州から補給しますか?」

織田信長「いや。冷静になった敵の攻めを守るだけの備えはここに無い。敵が動かぬ内に安全な場所に移る他無い。」

森可成「御意。」


 そこへ……。


「申し上げます!」

織田信長「ん!?佐久間(信盛)のものか?」

「はい!」

織田信長「申してみよ。」

「はっ!今川方!善照寺砦を包囲!至急後詰めを!との事であります!!」

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ