表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
63/112

交換

戸田忠次「ここまで宜しいでしょうか?」

戸田尭光「西尾は直轄であり、岡崎は本来松平の土地。……割り切れぬ所はあるが、致し方ない。」

戸田忠次「父上は?」

戸田光忠「引き続き職務を遂行する。」

戸田忠次「宣光叔父も?」

戸田宣光「いつでも合力致す。と伝えていただきたい。」

戸田忠次「ありがとうございます。ここからは戸田家に関わる事。取分け尭光叔父についてであります。そして今から話す内容は決定事項ではありません。」

戸田尭光「生前父が言っていた事か?」

戸田忠次「はい。今川様は私に対し……。」


 田原城と布土城の交換を打診。


戸田忠次「して来ました。狙いは知多に西尾から安祥。そして岡崎の防衛並びに刈谷や加茂。そして尾張への兵や物資の投入を円滑に行うため、田原を拠点の1つとして活用するためであります。」

戸田尭光「河和富貴の船倉を拡大。逐次移送をしたため、いつでも明け渡す事は可能である。」

戸田忠次「城は交換しますが、うちの権益は維持されます。」

戸田尭光「布土に入ってからの私の仕事は?」

戸田忠次「西尾における牧野様の役目と同じであります。」

戸田尭光「竹千代のような事は?」

戸田忠次「敵城攻略の指示はありません。」

戸田尭光「……。」

戸田忠次「拒否権は尭光叔父にあります。」

戸田尭光「拒否したら元智様に課そうとしている役目を背負う事になるのだろ?」

戸田忠次「その通りであります。」

戸田宣光「知らない土地で矢面に立たされるのは得策ではありません。」

戸田尭光「……そうだな。ならば太原様が生前縄張りをされた布土を拠点に、知多に入った方がまだ良いか……。ただな忠次。」

戸田忠次「はい。」

戸田尭光「知多が曲がりなりにも平穏を保っているのは元智様が居るから。いつでも今川の本隊が上陸する可能性があるからである。」

戸田忠次「尭光叔父が入られても同様であります。」

戸田尭光「私はそう見ている。実際援軍が派遣されると信じている。しかし……。」


 織田に水野。そして佐治はそうは見ていない。


戸田尭光「『今川は三河に戦力を集中させるため、知多を棄てた。』

と判断する恐れが高い。いくさに勝つ負けるの話では無い。我らの権益が戦禍に晒されないようにする事が肝要である。取分け私は陸戦に暗い。逆に陸戦に明るい宣光は引き続き二連木と佐脇に留まる事になるのだろ?」

戸田忠次「はい。」

戸田尭光「城の交換については認める。認めるが、私が単独で知多を見る事については反対である。今川から誰か常駐出来る人物に入っていただきたい。これが私からの条件である。」

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ