表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
今川義元から無慈悲な要求をされた戸田康光。よくよく聞いてみると悪い話では無い。ならばこれを活かし、少しだけ歴史を動かして見せます。  作者: 俣彦『短編ぼくのまち』
小豆坂の戦い

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

31/112

知多半島情勢

 小豆坂での戦いを終えた三河の国人はそれぞれの領地に帰還。戸田康光は二連木で戻るも宣光は田原へ向け出発。その理由は……。二連木城。


戸田光忠「太原様。此度の勝利。祝着至極に存じます。」

太原雪斎「光忠殿。田原からの御足労いただきありがとうございます。光忠殿をお呼びしたのは他でもありません。今後について。特に輸送についてであります。」

戸田光忠「はい。」

太原雪斎「此度のいくさで我らは織田に勝利を収める事が出来ました。しかし岡崎を落ち着ける事は出来ていません。理由は岡崎の西。安祥と刈谷が織田方にあるからであります。いくさは続く事になりますし、勝利を収めた後も統治をしなければなりません。

 今川は基本。獲得した所領は当地の方々に分配する方針を採っています。故に安祥や刈谷を獲得したとしても、その土地を今川が簒奪する事はありません。しかし統治するためには兵糧物資は必要不可欠。そこで重要になって来るのが輸送であります。

 吉美から大津への陸送並びに佐脇や西郡への海上輸送を円滑に進めなければなりません。光忠殿。」

戸田光忠「はい。」

太原雪斎「今後、物量が増え。光忠殿への負担が大きくなることになります。対応が難しい時はすぐに連絡して下さい。吉美や船形山から人を出します。引き続きお願い申し上げます。」

戸田光忠「ありがとうございます。」

太原雪斎「尭光様も。」

戸田尭光「叔父上。何かあったら言って下さい。田原から船を回します。」

戸田光忠「お願いします。」

太原雪斎「ところで光忠殿。」

戸田光忠「如何為されましたか?」

太原雪斎「先程尭光様より気になる話をお伺いしたのでありますが。」

戸田光忠「どのような内容でありますか?」

戸田尭光「知多半島の事であります。」

戸田光忠「……そうですね。太原様にお願いしなければなりませんね。」


 戸田氏は三河国内以外に知多半島南部にも拠点が。


太原雪斎「松平広忠様と離縁し、水野に戻った竹千代様の母君が久松に嫁いだ事は存じ上げています。久松は刈谷の水野と境を為す知多半島北部の阿久比を領しています。水野の狙いは知多半島の簒奪。その楔を打ち込むべく竹千代様の母君を送り込んだ。」

戸田尭光「その通りであります。」

太原雪斎「水野は久松を足掛かりに知多半島の南下を目論んでいる。」

戸田尭光「はい。」

太原雪斎「仮に知多半島の全てが水野の手に落ちた場合、三河の海の安全に支障を来す恐れが出る。是が非でも防がなければなりません。」

戸田尭光「仰せの通りであります。」

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ