表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
今川義元から無慈悲な要求をされた戸田康光。よくよく聞いてみると悪い話では無い。ならばこれを活かし、少しだけ歴史を動かして見せます。  作者: 俣彦『短編ぼくのまち』
小豆坂の戦い

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

30/112

広忠は……

 織田方は矢作川を渡り、安祥城を目指し逃走。これを見た今川方大将太原雪斎は深追いを禁じ、小豆坂へ帰陣。いくさは今川方勝利で幕を下ろしたのでありました。


戸田宣光「父上。……今川の強さ……。」

戸田康光「うむ。意地を張らなくて良かったな……。」

戸田宣光「此度我らを始め三河の国衆を集めた理由は数合わせだけでは……。」

戸田康光「無かったな。」

戸田宣光「はい。」

戸田康光「『逆らったらこうなるんだぞ。』

を知らしめるために招待されたと考えて間違いは無い。」

戸田宣光「兄上にも伝えた方が……。」

戸田康光「良いかも知れぬな。」


 三河勢が今川の力をまざまざと見せつけられている中、小豆坂今川本陣。


岡部元信「もしあの時、松平が動いていたら……。」

朝比奈信置「少なくとも(織田)信広を確保する事は可能な状況にあった。」

岡部元信「(織田)信秀が早々に退却を始めていたから良かったものの……。」

朝比奈信置「陣を維持し、信広の部隊を吸収し待ち構えていたら……。」

岡部元信「こちらも無傷では済まなかった……。」

朝比奈信置「松平は何をやっているのだ……。」

太原雪斎「過ぎた事は仕方ありません。こちらの連絡方法に不備があったのかもしれません。それに松平は我らと主従関係にあるわけではありません。参戦は義務ではありません。」

朝比奈泰能「織田を退ける事が出来た。三河の国衆に我らの力を見せつける事が出来た。これで善しと使しようでは無いか。」

朝比奈信置「……わかりました。」

太原雪斎「しかし松平が参戦しなかった事については懸念すべき材料であります。広忠が戦わなかったのであれば、それはそれで構いません。我らと織田のどちらに付くか天秤に掛けていた可能性もありますので。」

朝比奈泰能「此度のいくさで広忠が我らに付いた方が良い。と判断していただければ?」

太原雪斎「それで構いません。問題は広忠が……。」


戦わなかったのでは無く、戦えなかった。


太原雪斎「場合であります。家中をまとめる事が出来ていない。城を出る事に不安を覚えていた場合であります。広忠の先妻は水野家の出。岡崎城内に水野家と繋がりがある者が多いのは仕方ありません。その水野家は今、織田方。今川方に舵を切ろうとしている広忠の事を快く思っていない者が居ても不思議な事ではありません。

 勿論、これは私の仮定であります。ありますが、此度の不戦の原因が広忠の意思では無かった場合。これも仮定の話でありますが……。」


 松平広忠は長く無いかもしれません。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ