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今川義元から無慈悲な要求をされた戸田康光。よくよく聞いてみると悪い話では無い。ならばこれを活かし、少しだけ歴史を動かして見せます。  作者: 俣彦『短編ぼくのまち』
小豆坂の戦い

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小豆坂の戦い

 織田信秀。矢作川を押し渡り、乙川の南。上和田に着陣。この動きを見た太原雪斎は長沢城から出陣。この情報を得た信秀は、織田信広に今川への対応を指示。織田信広は兵を東へと進め、小豆坂に到着していた今川隊の先陣。朝比奈信置の部隊と衝突。

 坂の頂上。高所に陣を構えていた朝比奈信置隊優勢でいくさは進み、織田信広隊は後退。これを見た朝比奈隊は

「この好機を逃してはならぬ!」

と部隊を前進。しかしこれは織田信秀の計略。織田信広は本隊と合流し朝比奈隊に反撃。

 数の上では今川が有利ではあるが、その多くは敵を威圧するために集められた三河の国人とその兵達。実際に戦う人数に大きな差は無い。太原雪斎の居る今川本隊から独り離れた朝比奈信置隊は奮戦するも多勢に無勢。徐々に後退を余儀なくされたのでありました。

 織田信広の勢い収まらず。朝比奈信置が最初陣を構えていた小豆坂に達しようとした。丁度その時。


 織田信広隊目掛け、横槍を入れる部隊が……。


 少し前。軍議終了後の長沢城。


岡部元信「太原様。先程の要件をお聞かせ願えますでしょうか?」

太原雪斎「このいくさ。睨み合いで終わらせるつもりは無い。信秀も同じ事を考えているであろう。お互い餌を撒き、食い付くのを狙って来ると見ている。」

岡部元信「はい。」

太原雪斎「ならば……。」


 一度、食い付いてやろうでは無いか。


太原雪斎「その事は信置に伝えてある。

『適当に負けながら戻って来るように。』

と。」

岡部元信「はい。」

太原雪斎「そこで岡部殿の出番である。其方には、一気呵成となって追い散らしに来た織田の部隊に横槍を入れていただきたい。」

岡部元信「場所は?」

太原雪斎「敵が坂を上ろうとしている……この辺りが良いと見ているが、如何であろうか?」

岡部元信「……わかりました。敵に一撃喰らわせて見せまする。」

太原雪斎「頼んだぞ。」


 戻って小豆坂。


 勝勢に気を良くし、手柄欲しさに隊を乱し追い掛けていた所。不意に飛び出して来た思わぬ伏兵に織田勢は総崩れ。算を乱した織田勢は矢作川目指し逃走。そこで……。

「総攻撃!」

の下知を飛ばす太原雪斎。先手の朝比奈信置や伏兵の岡部元信は勿論の事。員数合わせのため召集された三河勢にも出陣を許可。更に……。


太原雪斎「岡崎にも加勢していただこう。」


と岡崎城に向け、出陣を促す狼煙を上げる太原雪斎。

 東から今川勢に追い掛けられ。退却方向にある矢作川を渡るのに難儀する中。岡崎城の松平広忠が北から襲い掛かったら……。

と今川勢の誰もが期待していたのでありましたが……。


 松平広忠が動く事はありませんでした。

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