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今川義元から無慈悲な要求をされた戸田康光。よくよく聞いてみると悪い話では無い。ならばこれを活かし、少しだけ歴史を動かして見せます。  作者: 俣彦『短編ぼくのまち』
小豆坂の戦い

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28/112

異変

 今橋城に急報届く。その内容は……。

「申し上げます。織田信秀。安祥城より出陣。東に向け進軍。」

この報を受け、織田の狙いが岡崎であると判断した太原雪斎は急ぎ兵を整え出発。この中には……。


 二連木城。


戸田宣光「兄上。お疲れ様に御座います。」

戸田尭光「太原様より伺っている。

『今橋に何かあった時、すぐ対応するように。』

と。」

戸田宣光「このまま今橋に入りたいのが本音でありますが……。」

戸田尭光「父も出陣している。迷惑を掛けるわけにはいかぬ。」

戸田宣光「ところで田原の方は?」

戸田尭光「叔父上にお願いしている。ところで宣光も?」

戸田宣光「はい。兄上の到着次第、出発します。」

戸田尭光「此度のいくさ。西三河に土地勘のある者が少ない。気を引き締めて臨めよ。」

戸田宣光「わかりました。ありがとうございます。」


 太原雪斎率いる今川軍は、長沢に入城。そこで……。


太原雪斎「敵の先陣は織田信広。織田信秀の長兄ではあるが、正妻の子では無いため跡取りからは外されている。ただ奴が長男である事は紛れもない事実。この機会に発言力を強めたいと考えても不思議では無い。」

朝比奈泰能「御意であります。」

太原雪斎「信広が後継者争いに名乗りを上げるために必要な手柄となると……。」

朝比奈泰能「岡崎城でありますか?」

太原雪斎「泰能殿の仰る通りである。ただ岡崎を攻め落とすのは容易な事では無い。加えて松平様の御子息は今、駿府に居る。開城に応じる可能性は限り無く低い。」

朝比奈泰能「適当に攻めて、頃合いを見計らって帰る事になりますか?」

太原雪斎「うむ。しかしそれでは我らがここまで足を運んだ意味は無い。」

朝比奈泰能「御意。」

太原雪斎「大きな餌を撒き、誘き寄せるが上策と考えるが如何であろう?」

朝比奈泰能「試してみる価値はあります。」

太原雪斎「信置殿。」

朝比奈信置「はっ!」

太原雪斎「其方に先手を託そうと考えるが如何であろう?」

朝比奈信置「身に余る光栄であります。」

太原雪斎「岡部殿。」

岡部元信「はい。」

太原雪斎「其方にも役目を申し付ける。内容は軍議が終わった後伝える。」

岡部元信「わかりました。」

太原雪斎「そして松平様には

『城の守りを堅くしてください。兵を動かすのはこちらが勝勢になってからで構いません。』

と伝えてくれ。」

朝比奈泰能「わかりました。」

太原雪斎「そして戸田様。」

戸田康光「はっ!」

太原雪斎「戸田様は後方で待機していただきたい。」

戸田康光「えっ!それで宜しいのでありますか?」

太原雪斎「これは今川のいくさ。三河の方々に迷惑を掛けるわけにはいきません。皆様をお呼びしたのは、織田に我らの兵数の多さを知らしめるため。そのためであります。」

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