表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
11/112

普門寺

 戸田忠次の指摘を受けた光忠は、急ぎ今橋城へ。

『今川の真意が何処にあるのかを確認する必要がある。』

との結論に至り、改めて使者を派遣する事に。その役目を担ったのが……。


「これはこれは当主自らの御訪問。痛み入ります。」


 戸田康光。その応対にあたった人物。それは……。


戸田康光「こちらに太原様がいらっしゃると聞き、ならば直接出向いた方が話が早いのでは無いか?との判断で参りました。」


 今川家重臣太原雪斎。彼が今居る場所は、三河と遠江の国境地帯に程近い今の愛知県豊橋市雲谷町にある真言宗寺院の普門寺。山号は船形山でここは三河における今川の拠点。ここに彼が居ると言う事は……。


戸田康光「それにしても今川様の兵力には目を見張るものがあります。」


 臨戦態勢。


戸田康光「早まらなくて何よりでありました。」

太原雪斎「戸田様からの書状。拝見させていただきました。まずは強い文言になってしまいました事。お詫び申し上げます。」

戸田康光「いえいえ。」

太原雪斎「今回、義元は三河への進出を目指しています。目的は我が陣営を離脱した刈谷の水野信元と、その裏で糸を引く織田信秀を三河から駆逐する事であります。戸田様を蔑ろにするためではありません。

 ただここ船形山(普門寺)から刈谷ないし尾張は遠く離れています。少しでも近い場所に拠点を設けなければなりません。その候補地となったのが、今橋城であります。

 戸田様が懸念されていました

『今橋城は誰が治めるのか?』

についての回答でありますが、基本的には私。太原が在城。不在時は今川の家臣が持ち回りで城の警護にあたる所存であります。」

戸田康光「その今川の家臣と言うのは、三河の中から選定されるのでありますか?」

太原雪斎「いえ。そうではありません。掛川に拠点を構える朝比奈(泰能)や(今の静岡県藤枝市に拠点を構える)岡部(元信)と言いましたうちの重臣が担当する予定になっています。」

戸田康光「……(今の愛知県豊川市)牛久保の牧野が今橋に入る可能性は?」

太原雪斎「それはありません。」

戸田康光「此度の書状の中で指摘された全ては牧野から獲得した場所。」

太原雪斎「戸田様の懸念御尤もであります。牧野とうちとの話し合いは付いています。宝飯郡沿岸の地については、戸田様が我らと対立しない限り戸田様のものとなります。」

戸田康光「となりますと牧野は今橋も放棄したのでありますか?」

太原雪斎「その通りであります。」

戸田康光「今橋は牧野が自ら築いた城。斯様な場所を何故明け渡すのか?理解する事が出来ません。」

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ