表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
今川義元から無慈悲な要求をされた戸田康光。よくよく聞いてみると悪い話では無い。ならばこれを活かし、少しだけ歴史を動かして見せます。  作者: 俣彦『短編ぼくのまち』
桶狭間の戦い

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

109/112

渋滞

「殿。……あれを。」

森可成「ん!?門があるな……。」

「敵兵が潜んでいるかも知れません。」

森可成「しかしここまで……。」

「はい。構造物の撤去で少々疲れています。」

森可成「池田に

『代わってくれ。』

とは言えないからな……。」

「如何致しましょう?」

森可成「……一気に行くぞ!」

「はい!!」

と今川方が急遽拵えた門の突破を試みる森可成隊。その間、敵方の姿は無し。

森可成「また張りぼてか!構わぬ!!進め!!!」

と門に到着しようとしたその時。


「放て!!」

の号令と共に門の上と森隊の左右から一斉に弓矢が。

森可成「潜んでいたか!一度下がれ!!」

の声をかき消すように。

「開門!!」

の大音声と共に門から飛び出して来たのは……井伊直盛。


 少し前。

本多忠真「戸田様。ここまで出来れば大丈夫であります。有難う御座いました。」

戸田忠次「いえ。いくさはまだ終わっていません。私はここに……。」

本多忠真「いけません。戸田様は長期の移動を終えたばかり。無理はなりません。」

戸田忠次「次に襲って来るのは森だけではありません。池田に信広が加わって来ると、松平様より聞いています。」

本多忠真「……それでありましたら、沓掛に居る井伊様と交代と言うのは如何でしょう?奥三河衆の半分が沓掛に残っていると聞きます。彼らも活躍の場を求めている事でありましょう。それに……。」


 井伊直盛の方が実戦で役に立ちますので。


戸田忠次「そうでありました。素直に認めます。」

本多忠真「敵がここを避ける可能性もあります。確認次第、後詰めします。」

戸田忠次「お願いします。」


 戻って。門の上と左右からの弓矢に、井伊直盛による突撃も加わり混乱する森可成隊は大混乱。森隊の前衛を掻き乱した井伊直盛は、深追いする事無く再び門の中へ。井伊直盛が中に入った事を確認した本多忠真は

「放て!!」

と弓隊に下知。混乱の真っ只中に更に矢を浴びせ掛けた後、

「開門!!」

の合図と共に飛び出したのは本多忠勝。その後も矢を放っては井伊が。井伊が退いては矢を。そして本多忠勝が。を繰り返し、森隊を翻弄。その頃、後方では……。


織田信広「池田殿。」

池田恒興「あっ!これは信広様。」

織田信広「前が渋滞しておるな。」

池田恒興「森が敵と戦っている模様であります。」

織田信広「苦戦しているか……。」

池田恒興「しかしここは一本道。兵の数を活かした戦いは出来ません。」

織田信広「森に託すしか無いのか……。」

池田恒興「はい。こればかりは仕方ありません。」

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ