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詩「盂蘭盆会」

墓に花を供え拙い般若心経を唱えた


家に戻ったとたん、

右肩が思うように後方に動かない

上腕が引っ張られるような突っ張り感がある

とはいえ菩提寺からいただいた塔婆を仏間に置いた

読経の、御詠歌の、和讃のCDを流す

提灯は灯したまま

正座をして仏像と対面し合掌する

お盆の時の段取りをまとめたノート

その通りにはできませんでした

掛け軸はかけられませんでした

煮物は用意できませんでした

手抜きばかりの拙者は

やはり読経は上手くない

声にしてみる

亡母のようには準備できませんでした

それなりなのですが勘弁してください

遺影は何も答えてくれない

過去帳は何も示してくれない

ただ今できることをこなしました

ご先祖方々不服でしたら

夢の中ででも愚痴ってください

合掌を解いて仏間を出た


肩を回してから

首を鳴らしてから

明りを消して眠る

するとあっという間に朝になり、

炊きあがっている電子ジャーからご飯をよそい

豆腐に醤油をかけ

漬物を小皿に入れて

麦茶をグラスに注ぐ

お膳が一つ出来上がる

今朝もまたこれで勘弁してください、のお供えをする

また拙い読経をしてから

読経の、御詠歌の、和讃のCDを流す

上手な唱え方のCDが鳴る

なぜかいつもよりも早く目覚めるお盆の期間に

今年もノートに日課を書き込む

一人で行う盂蘭盆会の支度

合掌が多くなりそうだ

手抜きしてすいません


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