プロローグ、前編。
本名、ジャック(仮名)。別名、死の女神。
コイツは124人を殺害した殺人鬼だ。殺した人間の多くは凶悪な賞金首ばかり。
さらに、ウィッチと呼ばれる異能力を発症している。
アタシを含め、サキ、フジヤマの3人で賞金稼ぎをしている。
今、その賞金首を見つけるために、車で移動中。
「なかなか美人な女だ。こんなやつがウィッチを持ってんのか、、、。」
フジヤマがパットに表示する手配書を眺める。
「ウィッチ所持者含め、そうゆう異能を持った人間なんて、やばい奴しかいないからな。
その中でコイツは桁違いだ、124人も殺してる。」
「124人か。ウィッチ持ってる奴が、そんな数の人間殺せるのかよ。
今までにあったか。ライカンじゃないとこんな事できねぇぞ。」
フジヤマは殺害人数に驚いた。
「アタシもそう思うよ。こんな奴が出はじめたね。」
サキがアタシの方をじっと、見つめている。
何か言いたい事があるらしい。
「どうした、サキ。」
「いや、なんでもない。」
サキは、何事もなく窓の外を観る。
アタシたちは目撃情報を頼りにあちこち探した。しかしどこを探しても、見つからない。
「見つかったか。」
「目撃情報はあるけど、いかんせん本人が見つからねぇ。」
「私も。」
「そうかぁ、こんな美人だったら結構目立つはずだが。」
アタシたちはこの賞金首を追うことを諦めて、車に乗り込んだその時。写真と同じ奴が向こうの路地に入るのが見えた。
「おい、アイツ。」
「追うぞ。」
(せっかくのチャンスだ、死の女神は一千万の賞金がアイツの首にかかってるからな。しばらく生活は安泰だ。)