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ウタほたるのカケラ〈US〉シリーズ

帽子をうらやむもの 帽子がうらやむもの(ウタほたるのカケラ〈US〉出張版【サイズS】第2iS片)

作者: 歌川 詩季

 帽子、テンガロンひとつ(豹柄(レオパード))しかもってません。

 彼は帽子をうらやんでいた。

 あたまにひょいってのっけられて、おでかけに連れていってもらえるし。帰ってくれば、その日のおでかけがどんなだったか、彼にも聞かせてくれる。

 日に焼けたり、雨に濡れた姿を見たときは、その苦労に頭がさがる想いもするけど。すくなくとも帽子をかぶってるあいだは、かぶっていた本人が、感謝に頭をさげることもないだろうね。むやみにそんなことをしたら、帽子は足もとへと落ちてしまう——あごひもがあるタイプの帽子なら、ともかく。

 おでかけがおわって帰ってきてから、枝をはやした(はだか)んぼの木みたいな帽子かけにかけるときに、ちょっとねぎらってもらえればいい。


 帽子って、なんて素敵な仕事なんだろう。



 帽子は彼をうらやんでいた。

 自分はその(くぼ)みを満たすために、なにかを()れてもらえることもなく。ふせるようにして、ひとのあたまにひっかけられて、あちこちへ連れまわされるのに。

 ところが彼ときたら、大半は棚の中でひっそりと過ごすものの。いざ仕事となれば、その半球を(えが)(くぼ)みを満たされて。中身をこねられたり、ラップを張られて冷蔵庫に寝かされたり。

 (うつわ)としての役割を、これ以上なく果たすのだ。

 さかさまにふせられて、どこかにひっかけられることなんて、まずない。


 ボウルって、なんて素敵な仕事なんだろう。

 よくある対比かも(汗)



挿絵(By みてみん)

制作:歌川 詩季


挿絵(By みてみん)

制作:冬野ほたる先生



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【出張元・姉妹作】
【ウタほたるのカケラ】〈FH〉
作者:冬野ほたる先生
― 新着の感想 ―
[良い点]  いち字違うと別物ですね。  どちらかというと、退屈しなさそうな帽子がいいです♪  でも、お互いに隣の芝生は青いなのかも。 [一言]  豹柄のテンガロンハット。かぶるときはブーツ!
[良い点]  一文字違い、似たような形。でも用途は大違い。  入れ替わられたら困ってしまうので、そのままの自分に自身を持ってほしいと思います! [一言]  帽子は年中マスト。  ボウルも毎日マスト。 …
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