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右手にサイコガンを持つ男  作者: 西南の風
94/281

94 いざ 冬仕度

おはようです。体調はもだいぶ良くなってきました。本日早めですが投稿しました。

明日からはいつもの時間に投稿予定です。


第三村で戦士達の慰労の宴が盛大に行われた次の日の昼近くに第一・第二村の戦士達はそれぞれの村に向け出立していく。


各村のリーダーからユウゾーに世話になったことのお礼と、是非一度各村へ寄ってほしいとの強い要望をもらい折があればと約束して彼女等を見送った。



風が冷たくなってきた。

この世界に来て二度目の冬を向かえる事になる。

明日から冬仕度が忙しくなるとユウゾーは妻達に伝え準備に余念がない。


午後から再度村のオサ達を尋ね、今回の詳しい状況説明と戦利品とも言える魔石を提示する。

あまりの数にオサを始め長老関係も大層喜んだ。


特別報酬として魔石の1/3は戦士として戦った各11名に分配された。

魔石は全てオーク級以上であり、村としてもかなりの収入源が確保されたのだ。

無論この中の半数近くはユウゾーが懸命に錬金術にてランクアップさせた魔石関連が含まれる。


その後は新居にて各自骨休みとなる。

早めの風呂に入り早めの食事と良い睡眠が一番の回復剤だ。

早く寝るんだぞ マーラ。夜中の訪問は禁止だぞ。




翌日からミーアとアーシャを伴って森に倒木集めに出掛ける。

他の妻達はそれぞれ冬仕度に向け動いている。


村の倉庫にも大量の薪が準備されているが、基本予備品と老人達の為に準備されている。

元気な村人は各自で森から薪を集めてくる。


三人は森で分かれて倒木を探しては魔法袋に回収する。

ついでに美味しそうなキノコを見つけるが種類がよく分からないために、後で判別してもらおうとそれなりの数を回収してみた。


1.2トン用の袋で各自2袋倒木を回収し終わると村へと戻る。

計7トン程の薪を準備できた。不足ならまた取りに来ればよいのだ。


キノコに関しては妻達が呆れながらもテキパキと分類していく。

残念ながらユウゾーが持ち帰ったキノコは10分の1も残らなかった…。

おかしい…危険そうな色のキノコは避けたのだけど。



7トンの原木を庭に並べ、午後からは薪割りだ。

妻達からは原木で庭が埋まりそうだから片付けろと怒られる。

とりあえず一袋だけで他は魔法袋に保管かな…。


アリア婆さんから購入した切断の魔道具が役にたった。

チェーンソー代わりに使える事が判明。


但し魔石の消費が激しいのが欠点だな…。

魔法袋にクズ魔石がたくさんあるから良いのだが、考えれば高価な道具だよな…。


1.2トンの原木を全て薪にするには3日間かかる。

それなりに薪の準備ができたが、肝心の暖炉の設置がまだ終わっていない。

薪割りは一時中止で暖炉の設置に汗を流す。


村の倉庫からレンガを分けてもらい、何だかんだで暖炉完成まで一週間かかる。

妻達が夜が寒いとぶぅぶぅ文句を言われたがやれやれだな。

完成した暖炉に薪を焚べてようやくご機嫌が直る。




妻達の冬仕度が終わるのを待っていたかのように大森林に初雪の訪れがあった。

野菜の漬け込みや冬装備品の作製が一息ついたと同時であった。


「ユウゾー 雪だ。積もるかな?」


ミューが朝起きると同時にユウゾーの部屋に飛び込んでくる。


「うん? 雪か…。通りで昨晩冷え込むと思った」


隣で寝ているミーアに掛け布団をかけ直してユウゾーは起き出した。

窓から外を見ると薄っすらと雪化粧に風景は変わっている。

ミーアはユウゾーが居なくなり肌寒さを感じたのか布団の中で丸まった。


「この降り方なら直に止むぞ。さて食事の準備を始めるか」


まずは暖炉に多めに薪を投入して部屋を暖めねば。

煩い二人組から文句のでないようにしないとな。


暖炉で薪が勢いを増して燃え上がる。

その様子をミューと二人で静かに見ている。

何となく薪が燃え上がっている状況を見ているのは気持ちも落ち着くんだよな。


さてさて食事の準備にかからねば腹ペコ軍団からお叱りがでるからな。

ユウゾーとミューは朝食作りに動き出す。



昼前には雪は止み薄日が射して来ると雪も次第に溶け始める。

薪割りを片付けねばとユウゾーは斧と鉈で次々に薪を積んでいく。


切断の魔道具があるがなんせあれはコスパが悪すぎる。

大きな切断には便利だが、最終の薪にするには昔ながらの道具が一番だ。


薄っすらと汗をかく頃にはお茶の時間が近づく。

どれ妻達が待っているだろう、今日はここまでかな。

庭から妻達が用意している菓子の準備を眺めて家の中に入っていく。

静かにそして確実にエルフの村は冬本番に向かっていくのだ。




「行くぞユウゾー」


雪も少しつもり始めたある日、重い空がようやく晴れ間を見せた午後にユウゾー達は狩りに森へ入る事になった。

目撃談で大物の猪が数頭畑が有る場所を掘っていたそうだ。


部屋の中に閉じこもっていた妻達はいい気分転換と肉を求めて森の中を動き回る。

村のエルフ達も数グループに分かれて探索中との事だ。


この手の探索にはミューが一番適している、皆はミューの後から付いていきながら周りの気配を探っていく。


猪は移動距離が結構広い、無論餌場が固定されているなら左程の苦労はないが、今は冬場で雪も積もっている。

餌を求めて動き回っている可能性が大だ。


探索開始からしばらくしてミューが新しい猪の足跡を見つけ出す。

皆が声を殺して追跡開始となった。

一時間ほどして遠くの岩山を登っていく何頭かの猪を発見する。


 5頭だな…親子連れだ。


ニーナがあの方向なら近回りの道があると先頭を代わり猪達を追い詰める。

こんなときのエルフ達は本当に身軽だ、ユウゾーは息も絶え絶えに皆に必死に付いて行く。


なにやら辺りが少し騒がしい気配が感じられる。

先頭のニーナが止まり岩陰から覗き込む。


 オークだ。オークが数頭であの親子連れを襲っている。


ニーナが皆に説明するとさらに岩山を回り込み獲物たちの近くに進み出す。

オークに獲物を横取りは許せないと皆が張り切りだす。


オークと大猪の遠縁同志?の戦いが始まっていた。

オークの巨体に恐れもせずに突進していく二頭の大猪、恐らく親猪であろう。


猪も巨大だ推定300キロは有るだろう。

ほぼオークとは互角の体格だが、オーク達は手に棍棒系の武器を持っている。


突撃を上手く躱しながら渾身の力で棍棒を猪の脳天に叩き込む。

なれど猪の頭蓋骨は丈夫に出来ている。

棍棒に依る衝撃に一瞬たじろぐが直ぐに再度の突進を行い、オークの横腹にヒットする。


堪らずにオークが痛がるが、衝突の間に足が止まりそのスキを別のオークが見逃さずに、背骨も折れよとばかりに武器を振り下ろす。


悲痛な声が上がり大猪が大地に崩れ落ちる。

さらに別のオークが振り下ろした一撃が致命傷になり、ドウっと横に倒れた。


子を守っていたもう1頭の大猪がオークに突撃する。

不意を突かれたオークがモロに受けて倒れ込んだが、オークの仲間に依る棍棒の一撃が其れ以上の被害を出す事はなかった。


子供達 と言っても100キロはありそうだが、親の仇とばかり勇敢にオークに向かうがオーク達によりすべて倒されてしまう。


「今だ 撃て!」


ようやくユウゾー達はオーク達の後ろに追いつき、サイコ銃の攻撃範囲に入り込んだ。

6丁の銃から4体のオークに向けてエネルギー弾が発射され、オーク達の悲鳴が岩山に響き渡った。  



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