表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
右手にサイコガンを持つ男  作者: 西南の風
90/281

90 いざ ゴブリンVSダンジョン軍


ゴブリンを殲滅しつつ味方の陣に転がり込んだユウゾー達であった。


「ユウゾー 怪我はないか?」


隣でゴブリンの殲滅にあたっているミーアが心配の声掛けがあった。


「大丈夫だ。陣に飛び込んだ時に軽い擦り傷をおった程度だ。其れより皆はどうだ?」


「問題ない。それぞれ散ってゴブに対応しておる」


ミーアの先にいるマーラから返答があった。

陣地内に均等に散って目先のゴブリンを退治しているようだ。

皆順調にゴブリンの数を減らしているようだ。


横目で陣地内の様子を確認すると、動けない怪我人が全体の半数程見受けられる。

それを何人かで手当しているようだ。


「ミーア スマンがここを頼むぞ」


一声懸けてユウゾーは怪我人の元に走り寄る。


「此処の責任者は誰だ?」


「私だ。第一村のレイラーだ。支援忝ない!」


「お互い様だ。私はユウゾーだ。ポーション関連があるから使ってくれ」


そう言ってポーション関連が大量に入っている袋を渡し、至急持ち場に戻る。

背に感謝の言葉が届く。

味方は手薄だ。何人かでも回復させ攻撃に加わってほしいからな。




大量の死体が辺りに散らばっている。

残ったゴブリンが味方のもとに逃げ帰る姿を見て、ようやく皆が一息ついたようだ。

その時には薬で回復した何人かが前線に戻ってきた。


「薬の差し入れ感謝する。持参した物を全て使い切って困っていたところだった」


ユウゾーの隣にレイラーが歩み寄り再度礼の言葉を伝えた。

怪我人を確認すると後3名程が重症だったのだろう、横になり回復を待っている。

急に動くと塞いだ傷口が再度開くからな 暫し安静にしなければ…。


「レイラー久しぶりだ。遅れてすまん」


「おっ マーラか。何の第三村の到着は予定通りだ、気にするな。此方こそ支援のお陰で全滅を免れた、皆に代わって礼を言う」


第一・第二村のエルフ達も皆その通りと頷いている。

陣地の片隅に何人かの帰らぬ姿のエルフが並べられている。

残念な姿を見つめながら全滅を覚悟していた皆には最小の被害と言えるだろう。


「この状況はいったいどうなっておるのだ?」


マーラがレイラーに事の状況を尋ねる。


「分からん。こんな事は初めてだ、森の中でゴブリンに追い立てられるように約束の地に到達すると、この広場を埋めるほどのゴブリンに遭遇した。慌てて兎に角防衛の為の場所を求めて、この場所に陣を構えたのだ」


「…不思議な事が。我らを待ち受けるにはあまりにも大群だな」


「…そうだな、まるで何かと雌雄を決するような有様だ」


そこで二人はもしやと視線を横にずらし、ある場所を凝視する。

その二人の視線の先には目的地であるダンジョンの入口が見えていた…。


「「まさかと思うが・・・」」


二人の考えた事はあまりに突飛な考えであり、前例の無い事ゆえ口にするのも本来は馬鹿げた事なのだが、森でも最弱クラスのゴブリンがダンジョンより溢れてくる魔物と一戦を交えるために集結したと考えるならこの辻褄が合う。


なれどこれだけの数をまとめ上げるにはそれなりの強力なリーダーが絶対条件になる。


「「ゴブリンキングが出現した!?」」



そうは言っても二人は現実にゴブリンキングなる魔物に遭遇した経験などない。あくまでエルフに伝わる伝説じみた話でしかない。


このゴブリンランドと別名呼ばれている地にはジェネラルの存在までは知られている。この地に最低数体の対象がいるのは明らかなのだが、ジェネラルが率いている数は多くても千体、通常は五百体も率いれば大群落となる。


なれどもしキングが出現して各勢力を統一したとするならば、今回の大集結に理由がつく。

改めてエルフ達ははるか前方にいるゴブリン集団に目を向ける。


その大群を見るにつけキングの存在が伝説話しの対象ではなく、あの中に居ると確信が深まっていく。


問題は何故キングがこの地に大集結させたかだが、何となく皆も理解し始めたようだ。

今までダンジョン内から魔物が溢れるとゴブリン達はただ逃げ惑うしか手がなかった。


それがキングの出現にて一つに纏まり、ダンジョン内から出てくる魔物に対応する集団に変化したのだろう。


運の悪い事にその大集団にエルフ達は知らずに巻き込まれた可能性が大だ。

無論それはゴブリン側においても同じであった。

突然のエルフ達の出現に苛立ち、強制的に排除しようと動いたのだろう。



「クッ まさしく最悪な展開に巻き込まれたな!」


どういうシステムにてキングがダンジョン内の暴走に気づいたのかは不明だが、魔物は魔物を知るとしか答えはないだろう。


「と なると。いかん!」


ユウゾーが急に慌てて強力な魔力を展開しだしたのだ。


 何事 と皆がユウゾーに注目し始めた。




その異常を一人のエルフが感じていた。


当初そのエルフは今しがたの激しい戦闘に一息入れて、興奮が現実に戻った事によるものと感じていた。

戦闘から生き延びた事による、生の自己認識とも言える足腰の震えと思っていた。


 落ち着け 震えよ止まれ と自分に言い聞かせていたが、何か違うと思い始めていた。

地の底から響いてくる揺れだと感じていた。


 もしかして地震?


この世界においても地震は発生する。ただ頻度は低い、それも数年に一度あるかないかの程度。

だが地震にしては長すぎるし、次第に揺れが大きくなり一向に揺れが止まらない。


 地震ではない。すると…。


その時点で他のエルフ達もはっきりとなにかの異常が起きていると理解していた。


「こ この揺れは もしかすると…」


皆が一斉にダンジョンの入口に注目しだした。

間違えない、更に大きな揺れと地響きが絶え間なく続いている。


 足音だ この原因は無数の魔物に依る足音に間違いない。


どれ程の魔物に依る地響なのか想像も出来ないが、確実に無数の魔物が発生させる音が地上に向かって移動している。

音と揺れは更に大きく力強く地の底からエルフ達の足に響き渡り、思わず軽い悲鳴を上げる者も出始めたころ、ついにその正体を現し始めた。


「ユウゾー 魔物だ、魔物が出てくるぞ」


いまだ魔力を練っているユウゾーにマーラが叫びながら指差す。

100メートル程離れたダンジョンの入口から魔物の一群が飛び出して来きたのが見える。


ユウゾーはそれを横目で見ながら魔力の最終調整に入っていた。


狼系の一群約50体が勢いよく広場に躍り出た。

しばし走りを続けやがて辺りを警戒するかの如く、走りを止め辺りの状況を確認しているように先頭の何体が忙しなく頭を動かしている。


灰色狼・黒狼 そしてコボルトなども一群にまじり込んでいるようだ。

この一群に遅れて後発隊の魔物達が到達する。

たちまち数百体の魔物が地上に現れてきた。


それを待っていたようにゴブリン達も動きが見え始めた。

かたまっていたゴブリン達が左右に広がっている。

圧倒的な数で相手を包み込もうとしての動きの様に見える。


狼系の魔物達に動きが出てきた。

緊迫していたにらみ合いから先頭の一頭が動き出す。

それが合図のように一斉に狼達がゴブリン目掛けて駆け出していく。


「動いたぞ。ゴブリンの中に突っこんでいく」


ニーナが大声を上げた。

ゴブリン達も迎え撃つ様に一斉に威嚇の大声が森中に響き渡った。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ