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右手にサイコガンを持つ男  作者: 西南の風
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89 いざ ゴブリン大集団


前方が開けた場所にたどり着いたユウゾー達が見た光景は正に地獄絵そのままであった。


地獄の鬼に代わりそこにいたものは、小鬼と呼ばれる無数のゴブリンであった。

どれ程のゴブリンが居るのか一瞬では見当がつかない。

広いこの場所をゴブリンが埋め尽くしている。


本隊らしい大群が後方に控えており、その数が推定数千体。

いや 5千はいるな、そうマーラが呟く。


全員ただ圧倒されて呆然と大群のゴブリンを眺めていた。

よく見ると先発隊?らしきゴブリンが別に千体ほど前方に出張って戦闘状態になっている。


何と戰っている?

ようやく頭が正常に動き出しゴブリンと戰っている正体を見るも、距離が遠く人らしき形は認識するもそれが何者かまではユウゾーには認識できなかった。


「・・・村の戦士だ 間違いない」


エルフ達がどよめく。目の良いエルフ達にはそれが同胞のエルフ族と認識したらしい。

その一団は背を後方の岩山にあずけ、前方より押し寄せてくるゴブリン達に弓矢と魔法にて懸命に応戦している様にみえる。


よく見ると簡易な土壁が半円形に築かれ、その壁を拠り所に戰っている様に見える。


「仲間を…助けなければ、、、」


今にも走り出し仲間のいる場所に向かおうとしたエルフ達をユウゾーとマーラが必死に止め、皆を一旦森の中に退避させる。


「何故止める? 仲間がこのままでは全滅だ!」


悲痛な声あげたエルフ達にマーラは 落ち着け! と大きな声でエルフ達を叱る。


「誰も助けないとは言っていない!何も考えずに飛び出すのは愚の骨頂だぞ。まずは皆落ち着け」


その言葉に何人かのエルフ達も反応する。


「「何か策は?考えは有るのか?」」

 

「ある!だが皆がそんな状態では策は通用しない。だから落ち着いて冷静になれ」


この時の為に何回も訓練して来た策が有るではないか…それすら忘れたか?


ユウゾーは今だ取り乱しているエルフ達を叱り飛ばす。

マーラも その通りと力強く頷く。ユウゾーに叱られ皆が少しは落ち着きを取り戻したみたいだ。


「まず 銃の魔石を完全に魔力充電せよ」


ユウゾー自らマガジンを外し魔力充電を行う。その姿を見て皆が慌ててそれに従う。


「充電しながら聞け。魔力充電後に現状より出力を10%上げてセットしてくれ」


ユウゾーの意図する意味が理解出来たのは、マーラとニーナの二人であった。

この二人がユウゾーを見てニヤリと笑う。

魔力充電を終えた者から指示通り意味は不明だが変更作業を行う。


皆の一連の作業を見ながらユウゾーはだいぶ落ち着いてきたと判断した。

皆の作業が完了した事を見て作戦指示を話しだす。


「これより訓練通り2列縦隊にて敵との戦いを開始する。殲滅方法は十字掃射方式となる。まず右列が攻撃を加え適時左列と交代して切れ目のない波状攻撃を加える。此処まで質問は?」


皆が黙って頷く。訓練を思い出したな。

銃1丁で約200発撃てるが5発/1秒の勢いで撃てば、ものの40秒で撃ち終わる。

200発を5名で撃てば計算上1000体の魔物にダメージを与えられる。


無論計算上だが、当然無駄玉もある。

それをカバーするのが10%の出力UPである。


ゴブリン相手なら出力を上げた事によりオーバーキル状態になり、エネルギー弾はゴブリンを貫通し後ろから続くゴブリンも倒せる可能性があるのだ。

一石二鳥を狙っての出力変更になる。


前列で撃ち終えた者は素早く後列に配置する者と交代して予備のマガジン交換を行う。

後はその繰り返しとなる。


「ではこれより斜めに移動して味方の陣近くまで進む。皆覚悟はいいな?」


 「「「「応!」」」」


全員の意思疎通が固まり決意が溢れ出した。


「皆俺に着いてこい 進め!」


ユウゾーが先頭になり小走りに味方の陣に向け移動開始した。2列縦隊にて皆が走り出す。




岩山を背に大量のゴブリンを相手にしている第一・第二村の戦士達は圧倒的な敵に徐々に押され始めていた。

もう暫くしか持つまい 諦めかけた第一村のリーダーが、突然ゴブリンの流れが変わり始めた事に気づいた。

エルフ達から見て右方面にいたゴブリンが急に向きを変えだし、結果的に半数近くが違う方向に動き出したのだ。


敵の攻撃が減った事は喜ばしいが、急に何があった?

敵の移動する先を目で追うと、何と恐らく遅れて到着した第三村の戦士と思われる一団が此方に走り寄る姿を見つける。


味方が応援に来てくれたと一瞬喜びの声が上ったが、直様10名程の人数では焼け石に水と理解し、これ以上の死は無駄死になると判断を変えた。


「「「第三村の戦士よ 引け! 逃げてくれ!」」」


声を大にして叫べども聞こえぬのか依然此方に向かってくる。


「「「お願いだ 引いてくれ!無駄死にだ!」」」


あらん限りの声で叫び続けた。




エルフ達が籠もる陣までの中間地点にたどり着いたユウゾー達は一旦停止して、ゴブリンを迎え撃つ陣を準備する。

斜め前方よりユウゾー達を見つけたゴブリン達が数百体程襲いかかってくる。

おまけに本隊より更に千体近いゴブリンが新たに動き始めて攻撃に加わろうとしている。


「等間隔に距離を離せ。前列迎撃準備!」


前列にはユウゾーの妻達が配置されている。一斉に中腰になり片足を着いて銃を構える。

一人一人の距離を約5メートルほどに離してある。


後列の5名も軽い立ち姿で抜かりなく前列のカバーに備える。

十字掃射から抜け出してくる魔物を撃つ用意だ。


「まだよ まだまだ……よし 前列攻撃開始!」


40メートルまで近づいた魔物に総攻撃の火蓋が切られた。

たちまちゴブリンの悲鳴が辺りに響き渡り始めた。


ゴブリン達は纏まって攻撃を仕掛ける癖がある。

ユウゾー達にとっては有り難い攻撃になる。

横に広がられると少人数では対応が困難になるが、これだけ集まると無駄玉が少なくて済む。


悲鳴を上げながらバタバタとゴブリンが倒れ込む。




「止め 止め 打ち方止め!」


ゴブリンの第一陣数百体が全て地に伏した。

油断は出来ない、敵の本隊からの第二陣が迫っている。


「前列 後列交代 急げ!」


ユウゾーの声が響き渡る。素早く前後が入れ替わり後列に下がった妻達がマガジンの交換作業に移る。

交換作業が終わった者が前列の者のフォロー体制につく。


第二波は第一波より数が多い、ここを乗り切れば展開が変わってくる筈だ。


「撃ち方 開始!」


5丁による銃の殺戮が始まる。

最前列から崩れ始め屍の山が作られていく。傷つき倒れたゴブリンが後続のゴブリンにより踏み潰されて息を引き取る魔物が増えていく。

敵の数が多く数名が撃ち尽くし後列の妻達が代わりに入れ替わる。


「止め 止め 打ち方中止」


累々と死体が広がっている。流石にゴブリン達も動きが止まっている。


「今だ 味方の陣に入り込め」


ユウゾー達は一瞬の間を利用して陣に向かい走り出した。




「「何事だ 何があった??」」


全滅すると思った第三村の戦士達が大量のゴブリンを倒し、味方の陣に走り込んでくる。


「第三村の戦士が応援に来るぞ。目の前のゴブリン共を始末せい!」


リーダーが仲間に檄を飛ばす。


「「「応」」」


一気に勢いが増したエルフ達が仲間を迎えるために必死にゴブリンを一体でも多く倒すべき死力を尽くす。


エルフの陣に近づけまいとゴブリンが更に戦力をユウゾー達に向けるが、ユウゾー マーラ ニーナの三名が仲間が土壁を越えるまで銃の乱射を続け、弾の切れた者から陣に入り込む。


「ユウゾー最後だ 早く入れ!」


ミーアが必死に銃を陣地の中からゴブリンに撃ち続けユウゾーの防御にあたっている。

転がり込む様に最後にユウゾーが土壁を乗り越え入り込んだ。


気は抜けない まだ目の前に敵はそれなりにいる。

予備のマガジンに交換して目の前の敵の殲滅に移る。


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