79 いざ アターシャ乱入
ダンジョンにての再挑戦で調査隊より遅れること3日後にオレオンに帰り着いた。
調査隊と別れてから50階層まで往復して又ダンジョン主を倒し、それなりの魔石やドロップ品を回収出来て妻達も上機嫌でのギルド訪問になった。
ユウゾーがカウンターにて大量の魔石等を提示している最中に、職員の一人が2階へ慌ただしく駆けて行くのが見られた。
ダンカン氏だな、するとギルマスにご報告かな。
早くギルドから逃げ出したほうがいいのかも知れないが、まだ換金精算が終わりそうにないしな…。
案の定2階から降りてきたダンカン氏がユウゾー達に近寄り、無理やりマスター室まで連行される。
「無事に帰ってきたか?少し書類を終わらせるからお茶でも飲んでくれ」
職員の方がお茶を運んでくれました。
デスクの上には山程積み上がった書類を懸命に処理しているギルマスに書類が次々に持ち込まれる。
忙しいなら無理して会う必要も無いのに…。此方も換金して家でのんびりしたいのだが…。
「済まなかったひと休憩する」
そう言ってユウゾー達の座っているソファーにギルマスが移動してきた。
「で あの後どうしたんだ?」
いや 単に探索を楽しんでいただけなんだが…。
簡単にその後のユウゾー達の行動を話す。
「ふぅ つまり1パーティで新ダンジョンを再度攻略したと…」
いやいや攻略と言うよりは探索かな?威力探索とも言うか、、、。
「…信じられん連中だな。あの7パーティまで出して大人数での調査隊は何だったんだ」
頭を抱えるギルマスにどう返答をすべきかユウゾーも言葉を探す…。
「まぁ良い 今回のダンジョン内でのユウゾー達の事は希望通りに参加者に箝口令を出してある。暫くは誤魔化せるが人の噂でやがて広まるのは抑えきれんぞ。今後はどうするのだ?」
えーと 取り敢えず二カ月後にはここから消えますので…。
場合によっては時期を早めたほうがいいかな?
「そうだな…一旦消息不明になった方が噂も落ち着くな」
ご迷惑をおかけしますが良しなに…。
ドアがノックされて職員が大きな袋を抱えて入ってきた。
「おう ご苦労さん」
ギルマスの前に袋が置かれ職員は退出していった。
「今回お前たちの持ち込んだ品の精算と、ギルトからの遠征の礼金一人300万ゼニーが入っている。中を確認してくれ」
マーラとニーナが飛びつくように袋を引き寄せ、喜んで中身を確認し始めた。
「……えーと 計9120万ゼニーだぞ?」
はい?? 何その金額。礼金の300万を別にしても魔石関連で一人1500万稼いだのか…。
今回稼いだ魔石はまだ魔法袋の中にかなり残っているのだが、、、
合計で一人1800万ちょいの計算になるな…。
「遠慮せずに受け取れ。それだけの価値がある働きぶりだ」
マーラがテキパキと各自の前に1800万の金を積み上げる。残りはユウゾーへ渡す。
ミーアとミューが半分固まっている。
ミューが今まで稼いだ年間金額の最高は350万ほどだ。
約10日間程のダンジョン生活にて約5年分を稼いだことになる。
ミーアにおいては計算も出来ない、自給自足生活の森暮らしだからな。
流石にマーラとニーナは落ち着いている。只その目が¥マークにはなっているが、いや異世界だからゼニーマークか…。
「念の為に言っておくが、新ダンジョンは暫く立入禁止だ。本部との話合いで運営方針が決まったら正式にオープンとなる。数ヶ月はかかりそうだな」
それは残念…暫く休憩したら再訪問しようかと考えていた所だった。
突然ドアが荒々しくノックされ勢いよく開かれた。
「ユウゾー達が帰ってきたのか?!」
ありゃ アターシャさんの乱入だ。
席を詰めるか そう考える間もなくユウゾーの隣に無理やり割り込み、隣りにいたミーアが半分押し出される形になり不機嫌な顔を浮かべた。
それには一切構わずにアターシャはユウゾーに質問を浴びせる。
ギルマスを始め妻達も苦笑いを浮かべるが、押しのけられたミーアが噛み付く。
「なんて無礼な人族だ。礼儀も教わってないのか?」
「あら 気が付かなかったわ 失礼。それでユウゾー…」
いかん…揉め事のパターンだ。睨み合う二人を何とか落ち着かせてその場を必死に収めるユウゾーだ。
アターシャは別行動後のユウゾーの詳細と魔法銃に関しての話しに終始する。
前者はいくらでも答えられるが後者に関しては途端に口も重くなる、するとさらなる追加質問が出て来て思わずユウゾーはタジタジになる。
「いたーい!」
頭を抱え痛がるアターシャさんがいた。
ギルマスの鉄拳がアターシャさんの頭を直撃したのだ。
「落ち着かんか馬鹿者。済まんユウゾー、此奴は関心を持つと一直線になる癖がある」
な なる程、確かにそのケが感じられる…。
ある意味そこまで集中出来るから首都にてNo.1チームまで上り詰めたのかも。
「話せる事と話せない事が有るのはお前でも理解出来るだろ。話してもらいたければそれなりの信頼関係を構築するのが当たり前だ」
「…例えば?」
「あん? 例えば…妻になるとか?」
おい ギルマス! 何を分からん事を言い出すのだ?!
「なる…ユウゾーの妻になる。だから教えてくれ」
あかん 泥沼タイプだ…。ユウゾーは余計なことを話したギルマスを睨みつけた。
「い いや それはあくまでも例え話であり、実際には…」
急に慌てだしたギルマスであった。
「失礼しまーす」
突然扉が開かれ数人の冒険者たちが入室して来た。
よく見るとアターシャの所属するパーティメンバーである、数名はアターシャに近づくと二人がアターシャの両腕を抱え込み無理やり引きずりながら部屋の外に連れだした。
残った一人が深々と頭を下げ、にっこり笑いながら
「大変失礼いたしました。突発的に病気が出たようですので、強制退出に及びました。ご迷惑をお掛けしました。どうぞお話を再開して下さい。失礼致します」
残された皆は何も返答出来ず引きずられているアターシャをぼんやりと見ていた。
「は 離せ! 私はユウゾーの妻になると決めたのだ。離さんか!!」
扉の外からアターシャさんの悲痛な声が遠く響いている…。
「不肖な弟子は師匠の責任でもある、この通りだ」
ギルマスは皆に向かって深々と頭を下げる。
その様子をみていたマーラがボソリと呟いた。
「一時的な気の迷いであれば良いが、私にはあの女の本音のように思われる…」
な 何を言い出すのだ?変なフラグは立てないで欲しい。
マーラの嫌な予測は見事的中する。
その後ほぼ毎日に近いアターシャさんのユウゾー訪問が始まった。
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