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右手にサイコガンを持つ男  作者: 西南の風
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76 いざ 合同調査隊 3


35階層に到達して流石に皆に疲れが見えてきた、ギルマスは早めに野営する事に決定する。

其の中で元気なのはユウゾーを省いた4名のパーティ員だけである。


今日一日で沢山の魔石とドロップ品が集まり早速選別作業を開始している。

ユウゾーは魔石拾いに精も根も尽き果てていた。


「疲れているようだな?」


アターシャが横目でユウゾーに問い掛けた。

ユウゾーは力ない笑いでそれに答えた。


「いつもあんな感じなのか?」


ギルマスは魔石選別に夢中な女性陣をチラリと覗き込む。


「…我が女性陣は特別元気なので」


「そ それは夜もおなじなのか…」


「「プッ!」」


突然のアターシャからのツッコミにユウゾーとギルマスが同時に飲んでいるお茶を吹き出した。


「ゴホン、、失礼した」


慌てて作ろうアターシャであるが、周りに冷たい空気が漂った。


「と とにかく明日からの予定だが…」


ギルマスも何故か焦りだし話題を変える。





36階層から魔物の強さが変わってくる。

それまで散発に出現したミノタウロスがほぼ半数を占め始める。

当然調査隊の進行速度も遅くなり始めた。


今回その中で今までと左程変わらぬ突破口を開くのはアターシャ隊にブルー隊それにユウゾー達の3パーティに絞られ始めた。


先頭の第一陣が首都チームの場合はアターシャとブルーの2パーティが居るため、時折遅れ始めるもう1パーティをフォローしながら進んでいく。


ユウゾー達のオレオンチームが先頭の場合、ユウゾー達がその中にいるか居ないかではっきり進行速度にかなり差が出始めた。


40階層に到着後の打ち合わせでギルマスは決断する。

今まで体力保存もあり1階層毎に交代していたが、その余裕は41階層以降はほぼ無いと判断し先頭3パーティを固定化する方針に切り替える。


1級冒険者の2パーティとユウゾー達を加えた3パーティにて今後第一陣として、第二陣はそれぞれ第一陣のフォロー役に徹していく事となる。

これにユウゾー達も賛同して今後の行動方針が決定した。


「ところでお菓子の追加は良いだろうか?」


アターシャとブルーの二人はユウゾーに催促する。

苦笑しながらと追加のお菓子をだすが、その横で嫌な顔をしたエルフが二人…。


 大丈夫 今回長期戦を見通してかなりの菓子を買い占めてあるからそんな顔はしない。


ユウゾーは目で二人を諌める、、。




翌日40階層のエリアボスを難なく撃破して41階層に突入となる。

ミノタウロスの襲撃が数を増す。

一回に5体が出現し始めた。基本第一陣の3パーティだけで対応に当たる。

撃破してもその先にまたミノタウロスが現れる。


敵の装備・武器類が当初より変わりだし棍棒から大型剣になりその鋭さや殺傷能力も一段上がってきた。

時間はかかるが丁寧に対応を重ね目立った怪我人も出していない。


とにかく45階層までに大きなトラブルなく進んでいくのが一番だ。


途中食事や何回か休息を入れてようやく45階層の安全地帯に入り込む。

ここまでが前回到達した場所になる。

明日からは未知の場所に進むことになるのだ。


いつからか調査隊はお風呂の味を全員覚えた。

ユウゾーの仕事は安全地帯に到着後は直ぐに3ヶ所の風呂場設置が必須となる。

お湯の魔道具を効率が落ちるがコピーにて数個作り、皆一日の疲れを取る。


「まさかダンジョン攻略中に風呂に入れるとは…」


ギルマスを始め皆が喜びに慕っている。

清潔にしとかないと怪我等にて雑菌が入り万一のことがあるからな。


ギルマスは食事すらユウゾー達が作る物をいつしか一緒に食べ始めている。

それを羨ましそうに他の冒険者達が横目で見ている。


何とかしてあげたいが流石に大人数の食事までは面倒見る事は無理だ。

新鮮な野菜と肉等を差し入れが精一杯である。

前々回の大量に確保したオーク肉があって良かった…。




46階層からの戦いは熾烈さを増してきた。

ミノタウロスの頑丈な鎧装備が散見され始める。


鬼に金棒 ではなくミノタウロスに鎧である。

只でさえ強靭な体を鎧装備が加わると一段階手強さが増加する。


偶にブルー隊が遅れ始めるがすかさず後陣からのフォローが入り何とか体制を維持する。

少しづつユウゾー達も余裕が無くなってきている。

とは言っても他チームを応援すると言う意味での余裕で、ユウゾー達単体ではまだ戦力に余裕はある。


手の内を少し抑えている。周りの進行に合わせるのが目立たない行動になるからだ。

そんな様子を後方からギルマスがしっかり観察していた。


同仕様もない時まで手の内を隠せと指令したのはギルマス本人からだ。

ここまでの戦いで何かを感じている様子であった。

伊達にギルマスをしている訳ではないようだ。




何とか皆が50階層に到達した。ブルー隊に特に疲れが見られる。

首都には4名の一級冒険者がいて、ブルー隊はNo.4の地位になる。

No.1はアターシャ達のパーティで2・3番手は不参加を表明してブルー達が選定された。


2・3番手は共に長期クエストの予定が入っていた為に今回は不参加が表向きの理由だが、ギルマスはどうやら首都本部が意図的にストップをかけた事を秘密裏に掴んでいた。


新ダンジョンの管轄について色々な画策の噂話が流れ始めていた。

そんな中での今回の第三次調査隊だ、失敗したら確実に本部からの横槍が入り込む。

ギルマスとしては後が無い状況に追い込まれていた。


開拓村のギルマスとの打ち合わせで第三次にはユウゾー達を参加させろと強いアドバイスが出ていた。

ユウゾー自体もさる事ながら側に付いているマーラは第三村の纏め役の一人だ。


それも戦士担当の実質トップである、ニーナもその副官に当たる猛者達なのだ。

もうひとりミーアも幼い頃から武芸に長けていると噂は届いていた。

この三人はユウゾーが動けば必ず着いてくる筈だと開拓村の師匠は語っていた。


正直ユウゾー自体にはそれ程当初は期待していなかったが、ユウゾー達が持つ魔法銃?には驚愕している。

何なんだ あの武器の威力は…。強靭な鎧ミノタウロスを倒しまくる。

ダンカンからの報告である程度は認識していたが、見ると聞くでは雲泥の差がある。

流石に完全防備の強靭な鎧は1回の攻撃では破壊できないが、同じ場所を数回攻撃して鎧を破損して魔物を仕留めていく手際にも皆が感心して見とれていた。


開拓村の師匠の言葉に間違えは無かった。ここまでは…。

この先は経験豊富な自分ですらこのダンジョンの底が見えないのだ。

何と厄介なダンジョンが生まれたものだ。


この調子では最終的な主がどんな魔物が出てくるか…?

もしかしてドラゴン?いや流石にそれはないか。だがそれに近い主がでる可能性は否定できないな。

その時はこの命に変えて若い冒険者達を守ってみせよう。


ギルマスは密かにそう誓いユウゾー達の一挙手を見つめていた。



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