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右手にサイコガンを持つ男  作者: 西南の風
75/281

75 いざ 合同調査隊 2


さて今日辺りから強敵のミノタウロスが出てくるのかな?

いや今のユウゾー達にとっては美味しいお客さんにしか見えない。

いい魔石を放出してくれるからな。


23階層に入りお目当てのミノタウロスが多数出現する。

先頭のアターシャから前方に3体発見の声が届く。

一気に全員に緊張が走る。


1体に1パーティが対応となる。

ユウゾー達は二陣の為周りの警戒にあたる。

風神のリーダーが側面から近づく2体のミノタウロスを見つけて皆に知らせた。


 了解だ。我がチームで対応する。


ユウゾー達が動いた。

先陣はもうミノタウロスとの戦いに入っている。

ユウゾー達第二陣の出番となるのだ。


ユウゾーのパーティが走り出しミノタウロスとの距離をつめる。

戦いは呆気なく完了する。

ミーアとミューがそれぞれ1体を倒したのだ。


ミーアとミューも一撃にて仕留めている。

他の3人も支援体制を解除し調査隊に戻る。


その様子を注意深く見ていた二人がいる。


一人はギルマスで後方から、もう一人はミノタウロスを倒し後方を振り向いたアターシャである。

共にユウゾー達の手際良さに感嘆の声を小さく上げていた。


アターシャのパーティは初太刀をアターシャが加えた事によりほぼ決着が着き、止めをパーティ員に譲っての余裕である。


それにも匹敵するユウゾー達のミノタウロス攻略であった。


「流石に噂通りのパーティか…」


だがそんなアターシャの凄まじい一撃を見ていた者がいた。

ユウゾーである。アターシャの火の出るような一撃を走りながら横目でしっかりと観察していた。


「生地の腕ではない。流石一級冒険者、恐れ入る」


ユウゾーとの剣の腕の違いを見せつけられた一撃であった。


他の2体もブルーのパーティが1体制圧してもう1組のパーティに支援して完了した。

全員が再度隊を作り直し先へと歩み始める。



次の24階層において最前列に出たユウゾー達の攻撃ぶりに、後列から見ていた首都チームは皆度肝を抜かれてしまった。


24階層に入って直ぐにミノタウロスのチーム4体が現れたが、他の先頭チームを制してユウゾー達の一人舞台となってしまった。


またたく間に4体を倒すとユウゾーを一人残し皆が先に駆け出した。

何事かと他のパーティ達は遥か先方を確認すると新たなミノタウロスが出現していた。

彼女等の視力にも驚かされたが、戦いの最中に次のターゲットを確認している事の方が驚きが大きい。


肝心のユウゾーは地面に落ちている魔石とドロップ品を回収して、ゆっくりと皆の後を追う。

ユウゾーが追いついた時には全てが完了して、後続の調査隊が追いつくまで周りの警戒態勢を崩さなかった。


この時の様子が余程印象に残ったのか、後年アターシャは事ある毎にこの話しを持ち出した。


25階層に移動して来た調査隊は少し迷っていた。

時間が中途半端でこれ以上進むべきか野営に移るべきかを検討していた。


それをマーラが一言。


「続けて私達が道を開くから、私達に着いてくれば問題ない」


黎明と雷神のチームは笑いながら承諾する。

他のチームは半分引きつった顔にて同意した。

ギルマスは大笑いしてマーラの意見を採用する。


26~30階層は正に怒涛の勢いでユウゾー達が先導する。

女性4名が次々に魔物を倒しユウゾーがあちこち忙しく魔石やドロップ品を求めて走り出す。


後に続く調査隊は偶にはぐれ魔物を倒すだけで、皆ただ余りのユウゾー達の活躍に何も言えずに、黙ってユウゾー達に遅れぬよう歩くだけであった。


「みんな戦いたくてうずうずしていたんだな…」


自チームの女性陣の活躍を見ながらユウゾーはぼそっと呟いた。




無事に調査隊は30階層に到着し安全エリア内に野営の設置を始める。


 「「「ユウゾー 先に風呂だ 風呂!」」」


走り廻った女性陣は心地よい汗をかいていた。

風呂に入ってサッパリしたいのだろう、風呂の設置をアタフタと急ぐユウゾーだった。




「流石にミノタウロスをゴブリンと同じ感覚で倒すのは可怪しいと思うぞ」


ギルマスは大笑いながらユウゾーに問う。


「いや言葉が足らずに申し訳ないが、今の彼女たちはそんな感じなんです。無論この先は武装した魔物も出現するでしょうから、これからが勝負かな?」


武装した魔物は厄介だ。うまく対応せねば思わぬ反撃を受ける。

それには各リーダー達も前回身に染みている者が多い。


「だがその新型魔法銃?は素晴らしい威力だな。私が知っている魔法銃とはまるで別物だ…」


アターシャが何か感じているのだろう、探るような目つきだ。


「・・私の国で作られた逸品です。数が少なくお貸し出来なくて申し訳ない」


何とかこの場を切り抜けるユウゾーであった。

女性陣が風呂から上がってきて本格的な話し合いに移っていく。


「31階層から40階層は軽鎧の魔物が主体だが、この30階層と40階層のエリアボスはしっかりとした鎧を身に着けている。明日のエリアボス戦は気を引き締めて対応しよう」


えーと 拙策の良い話ですがお菓子を食べながらだと少し緊張感が……。




翌日のボス戦は魔物3体に、中央のボスはアターシャ隊が左側はブルー隊が対応そして右側は首都隊のなんとか?がそれぞれ戦闘体制に入る。

ユウゾー達はもしかの場合に備えて後方待機となる。


「よっしゃ!畳んでしまえ」


左側のブルーが元気な声を上げると魔物達に攻撃開始となった。


言葉の通り元気なブルー隊が先に1体を倒し、何人かが他の隊に支援に駆けつける。

やがてエリアボスも光の渦に包まれて消えていく。


「よし、この調子で31階層に行くぞ!」


首都チームの鼻息が荒い?! もしかしてユウゾー効果?





1階層下がる度に先頭3パーティと後方3パーティが交代して進んでいく。

体力保存と倒した魔物の魔石等を平等に分配する為の取り決めによる。


今までは進む速度が首都3パーティが先頭に入る時の方が圧倒的に早かった。

それだけの実力差があった為だ。


だが20階層以降ユウゾー達が入ってからその差が縮み、時にはオレオンパーティが勢いがある時が出てきた。


ギルマスは其の様子を一人喜び、今回ユウゾー達を加えた事で首都パーティのメンバーも認識を新たにして更に突破力が加速され互いによい効果を生み出していた。


肝心のユウゾー達は皆そんな事には興味がなかった。

新型銃の威力確認と魔石等の回収が一番の楽しみになっていた。


二人の一級冒険者が先頭を行くオレオンパーティについて周りを警戒しながら会話を交わしていた。


「なぁ アターシャ。オレオンの連中先程と違い随分攻略速度が上がっているよな」


「うむ やはりあのパーティに他のパーティも引きずられている気がするな」


「うーん 確かに…。彼奴等何者なんだ、エルフが3人居るなんて聞いたこともないが」


「師匠によると中心にいる男は冒険者になってまだ二年も経ってないそうだ」


「…嘘だろう。ニ年で3級冒険者に上がれるはずがないぞ」


「どうやら、、ギルマス推薦昇級らしい」


「…噂で聞いた事はあるが、現実に見るのは初めてだ」


「ダンジョンの活動期に何組ものパーティを助けて、おまけにかなりの魔物を駆逐したそうだ」


「活動期のダンジョンで?!初級ダンジョンの話か?」


「いや北のダンジョンお前も知っているだろう?あそこの中間部に近い層の話しらしい」


「…あそこは中級でもランクが上のダンジョンだな」


「それと西のダンジョンでも活動期にやはり何組かのパーティを救ったみたいだ」


「…あそこも一応中級ダンジョンだな」

          ・

          ・

          ・


二人でのこそこそ話しはその後も続いた。



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