69 いざ ワイバーン
どうやら彼処が最終地点のようだ。警戒しながら部屋の中に入り込む。
奥にオーク達が戦闘態勢で待ちかねていた。
一段高い場所に大柄な片目のオークが大きな石作りの椅子に座りユウゾー達を見ている。
素早く全体のオークの数を数える…11体だな。
大柄なオークがゆっくり立ち上がり洞窟内に響き渡る大声で叫び出した。
それに応じて他のオークが一斉にユウゾー達目掛け蛮声を上げ駆け寄ってきた。
横一列に列んだユウゾー達が直様サイコガンで連射攻撃に移った。
地響きと絶叫を上げながらオーク達が倒れ込む。
「さて 残りはお前さんだけだぞ」
マーラがにやりとボスオークに笑いながら語りかけた。
片目のボスオークは明らかに動揺を見せながらも大きな槍を片手に最後の戦いを挑んできた。
数本のエネルギー光がボスオークに命中し、大きな槍共々洞窟内に屍を晒す。
皆で手分けして部屋の中にある宝物らしきものをオークの死体と一緒に回収する。
流石にこれだけの数のオークや品を各自の魔法袋には収まりきれないのだ。
「うぉ もう入らんぞ。ユウゾー新しい袋だ」
ミューが嬉しそうに叫ぶ。ユウゾーが笑いながらミューに魔法袋を手渡す。
洞窟内から意気揚々と引き上げてたユウゾー達は洞窟に向かって歩いてくる2体のオークを発見し撃破。
先程食料調達にでも出たオークだろう。
良かった。これでオークを全て討伐かな? 1体でも残したくないからな。
牧場主達の目の前に計25体のオークが並べられた。
皆が目を丸くしてその屍を眺めていた。
これでクエスト終了かな?
其の夜は牧場主からとびきりの上等肉と酒が振る舞われ皆が大満足の宴会となる。
次の昼近く 二日酔いでグズるエルフの手を引きながらユウゾー達はオレオンに向かい歩き出した。
昨日のお礼に数体オークを牧場主に寄贈しておいた。
前回泊った村に辿り着き、ここでも村長に数体のオークを宿泊の礼に寄贈。
村長よりお礼返しの地酒を貰うが流石にこの夜は誰も酒に手を出す者はいなかった。
無事にオレオンに帰り着いた一行は受付にて今回の報酬を受取り、次のクエストを選定中であった。
退治したオークはギルドにて明日肉だけ受け取ることになっている。
その他の材料はすべて売却済で其れでも一人当り95万ゼニーを稼いだ。
本来ならユウゾーは一休みしたい所であるが、妻達は次のクエスト選びに夢中だ。
「ユウゾー ワイバーン退治はどうだ?」
ワイバーン? あの翼竜の…。少しハードルが高くないかな。
よく聞くとこの世界のワイバーンはさほど強敵では無いとの事だ、大きさも5m程。只空を飛ぶのでなかなか攻撃が届かず狩りにくい為にそれなりの手間がかかる。
でもワイバーンから入手出来る各部材は高値で売却出来るらしい。
この部材を狙い冒険者たちには人気のクエストなのだが、、、。
罠を仕掛けるんだ そうマーラが教えてくれる。
地上に降りてくれば半分討伐成功したも同然だが、なかなか賢くて狩れる数も少ないらしい。
それがまた高値を呼ぶ一つの原因になるのだろう。
「人間との知恵比べか・・」
面白いかな、、妻達の目が輝いた。決定しました。
ワイバーン用の罠を入手し不足の食料を買い足してからユウゾー達はワイバーン退治に出掛ける。
冒険者たちからの情報では北の山岳地帯が狙い目らしく、通常歩いてでは道行4日かかる、なので山の麓まで馬車を借りることにした。
マーラとニーナが馬の扱いに長けているとの事。
馬車なら麓にある村まで2日で到着できる。その後まる一日山登りが待っているが・・。
馬車での移動は歩きよりはるかに楽だ。
お尻の痛さを我慢すればの条件付きだけれど。
対策は全員分のお尻クッション。かなり痛みが軽減されるだろう。
まる一日馬車に揺られ野営地に到着する。
途中馬の休憩や水飲みの為に何回か小休止したが、どうも馬車に揺られの旅は慣れておらず体の一部が固まっているようだ。
めし 飯と一部のエルフは元気だが少し待て。
ミーア達も頻りに体を曲げ伸ばして解している。
さて ギルドより受け取ったオーク肉が大量にあるし、何を作ろうかな。
夕暮れが迫る大草原の一本道に冒険者らしい姿がこの野営地に向かってくるのが見えた。
方向からユウゾー達の目的地である麓の村からの帰りだろう。皆大きな背負籠に大量の荷物を背負っているのが見えた。
そのパーティがユウゾー達の野営地に到着する。
挨拶を交わしながら背中の荷を確認すると魔物の部位と思われる。
「ワイバーンを仕留めたな」
ミューが興味深く観察している。パーティ員6名は疲れ切った表情だが、その顔はどこか誇らしげに見えた。
荷の量から2体分と推測される。1体最低数百万ゼニー。2体なら上々だ。
堂々の凱旋かな?
「ワイバーンの肉は食べれるのか?」
すると隣りにいたマーラが顔を顰め、食べれる事は食べれるが不味い・・。
なる程 でも一人の籠にはそこそこの量の肉が入ってるようだが?
薬の材料になるから余裕があれば回収して売るのだろうと教えてくれた。
特に内臓系の一部は貴重品らしい。
興味を覚えたユウゾーは料理をミューに任せて、袋に大量に入っているオーク肉を手土産に野営設置が終えた冒険者たちを訪問した。
新鮮なオーク肉に冒険者たちは大喜びで歓迎してユウゾーの質問に答えてくれた。
ワイバーンがいる岩山に5日間籠もり運良く2体を仕留める事が出来たと誇らしげに語ってくれる。
通常1体仕留めれば万々歳の状態らしい。
一週間こもってもボウズも珍しくはなく今回は運が良かったとご機嫌だ。
ユウゾーの姿顔立ちから初心者と判断したのか、持っていったオーク肉が役立ったのかは分からないが、それは丁寧にワイバーンを仕留めるコツをご教授頂けた。
ユウゾーは礼を言って妻達が待つテントに引き上げる。
「いい話をきけたか?」
お菓子を手にニーナがユウゾーに尋ねた。
やめなさい お菓子は。 ご飯が入らなくなるぞ。
「お菓子は別腹」
えーと それは甘味だよね。同じ様な物か、、。
ユウゾーは聞いてきた話を皆に伝える。
「ほう なかなか聞き上手だな。狩り方は秘密が多くなかなか他人には教えないものだ」
確かに 皆生活が掛かっているからな。聞いた情報の何割かは差し引いたほうが良いかも。
「それより飯だ。ミュー早くしてくれ」
オーク肉の大判振る舞いだ。沢山食べてくれ。
さてさて明日は麓の村だ。食べたら早く休むとするか。
おっと 気を練り上げる修行も忘れずにだな。




