表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
右手にサイコガンを持つ男  作者: 西南の風
6/281

06 いざ 新居

初投稿です

のんびり書き上げていく予定です。基本私の趣味で書いてます。

波長のあう方お読み下さい。


朝寝覚めにステータス板を覗き込み、深い溜息をつく。


おかしい。 なぜ個人レベルが上がらないのだろう?

私のレベルは当初と変わらず 1/36 なのだ。


ちなみにこの表示の見方は板の検索一覧から判明した。

表示は2つの意味を持っている。


最初の1は個人レベルを 後の36は私の個人()()レベルを表す。

つまりどんなに努力を行っても、私のレベルは36以上は上がらないのだ。


限界については問わない。色々な事情の上そうなったのだろうと理解する。

無論高いにこしたことはないが、無い物ねだりしても変わらない。


しかし現状レベルが1なのは問題だ。

この森にいる限り、すこしでもレベルが高いほうが有利なのだ。


どうすればレベルが上がるのだろうか。

色々な推測はあるが、すべては推測であり確定ではないからな。

せめて上げ方が判明すれば良いが。


孫娘のラノベ本ではレベル1程度ならゴブリン・スライムクラスを数体から多くても10体倒せばランクアップする話しか出てこないのだが、、、。

自分は少なくとも30体は魔物を退治したよな‥。


孫娘の本の知識と現実との違いにすっかり意気消沈しているユウゾーであった。





               ♦





「…どういう事でしょうか。ヘパフラスコ様!?」


ヴィナス神の疑問はある意味当然であった。過去にそれなりの転生・転移者に対応してきた経験から、ステータス板がバグや記載漏れがあるとは考えられない。


衝撃等によるテストも過去にヴィナス神がステータス板で、隣りにいるヘパフラスコ様に頭も砕けよとばかりに怒りを込めた一撃を食らわしても壊れなかった実績がある。


女神達が管理するステータス板はそれほどの自信作なのである。

そう女神達が管理するステータス板であればの話だが。


「・・あのステータス板何処で入手されました? ヘパフラスコ様!?」

 ニッコリ

「ヒーー。 話す 話すから その笑顔は止めてくれ!」


思いっ切り挙動不審なヘパフラスコ様であった。

           

           ・

            

「‥つまり要約すると、500年以上前に研究材料として借り出し、色々手を加えたが最終確認を怠りそのまま仕舞い込んだは良いが、今回あの者についうっかり与えてしまい、その後に最終確認がまだなのを思い出したと?」


これ以上ない呆れた顔でヴィナス神は深い溜息を何度もついた。


「は、はい。 それに相違ありません。」


妙に畏まりながら、ヘパフラスコ様は正座の姿勢を崩さずうなずいた。


ヴィナス神は深呼吸を一回行うと 一言発した。


「馬鹿ですか、貴方はー!!!!!!!!!!!!。」


その声は天上界中に響き渡ったが、他の神々は我関せずの姿勢を貫いた。





                ♦





森の朝は忙しい。

早朝の落ち込みが嘘のように元気に動き出した。


伊達に70年間人生を過ごしていない、気分転換が上手なのだ。

本日は暇な一日を遣い、燻製肉もどき作りに精をだす。


 娯楽は何もないし、取り敢えずお仕事で時間を潰すとするか。


土魔法で燻製器を作成し、狩ってきた角兎を慣れない手付きで解体すると、内蔵は土に帰し、肉を燻製器内にぶら下げる。


 よしよし、後はチップもどきを、、これで準備完了。


魔法でほとんどの準備・必要機材を用意出来るのである。

ある意味ワクワクした気持ちで魔法発動を楽しんでいる。

燻製に関する知識も大雑把な知識でしか無いが、男は気にもしていない。


極端な話、肉にそれらしい香りが付けばそれで良しなのだ。

燻製には長期保存の役割もあるが、それにはあまり拘りがない。

最終兵器?魔法袋があるから、それに全て任せるのだ。


長期保存にこれ以上便利なグッズは他にない。

其のため物事を実にシンプルに考え始めている。


 次は、火付けだな。 生活魔法 ファイヤー!


用意された薪が炎を上げる。窯の煙突から煙が立ち上がりだした。


 よし、次は干し肉作りだ。


魔法袋から大量の岩塩を出すと、男はにっこり微笑んだ。





                  ♦





「お、おかしい。先程からあの者が展開している魔法はどう見ても常識を逸している。生活魔法のレベルではない。どうなっているのかしら…。」


ちらりと女神は床に放置された()()に目を向けるが、直ぐに視線を下界に向け考え込む。


「・・そうね、考えたくはないけれど()()が絶対に関与しているわね」


そう呟いた女神は、再度床に転がっている()()に目を向けた。





                  ♦






大森林の森は静かに暮れていく。


この場所に移動して今日で10日が過ぎようとしている。

その間ユウゾーは近辺探索時に、絶壁の岩山に小さな洞窟を発見し住居を移すことに決定。


奥行きは3m程で高さはユウゾーが少し屈めば移動に問題ない。

夜寝る時は入り口を空気取りに必要な穴だけを残し、他は完全に土魔法で入口を塞ぎ大型獣からの防護としている。


不便ながら住居が手に入った。


いや、正確には不便なのは初日だけの話だ。

移動後3日でユウゾーは洞窟の改造工事を完了した。

俗に言う魔改造と呼ぶ方が正しいかもしれない。


移動後の2日目が一番の難関で、部屋の拡張工事に着手。

相手は硬い岩であるので、得意の生活魔法の土魔法でも思うように拡張する事が出来ず、ほぼ一日をこれに費やした。


その成果は6m四方の空間地帯を手に入れる事に成功。

洞窟の高さも圧迫感のない高さまで工事を進める。


36㎡の広さは一人部屋としては十分な容積であり、ユウゾーの顔はやり遂げた満足感に溢れていた。


移動後の3日目は怒涛(どとう)の乗りでこなす。

ベッド台の作成から始まり、台所・簡易トイレ・食器類・テーブルと椅子・各種貯蔵用土器・厚手の木製玄関ドア・仕切り用のカーテンレールとカーテン・空気穴・・etc


残魔力で本日最後の大仕事を行う。

劣化版創造魔法の出番だ。

作成時に作る材料が有るか無いかで、使用する魔力量に雲泥(うんでい)の差がでる。


 劣化版創造魔法  布団セット!

 くっ、200コースだな。


近頃魔法に慣れた性か、魔力が体内から引き出される強さで、大体の使用魔力量が推測出来る様になった。

ステータス板で確認すると、予測通りMPが220程失くなっている。

これが綿花と布があれば1/5程度で済むはずだ。


新品の布団セットを木製の簡易ベッドにセットアップする。

顔が微笑む。やっとこれでぐっすりと眠る事が出来る。


 おっと、よもぎ草はまだあったよな。


魔法袋を確認して取り出す。虫除けの必需品です。

今回は使用方法が屋外とは異なる。


屋外では生の葉を手で揉みほぐして、直接肌に塗りつける。

お陰で朝一番の魔法は常に 生活魔法の清浄 だ。


屋内使用は 生活魔法の乾燥 で乾燥した葉を火に焚べて煙で燻す。

ただ煙の匂いが衣服に若干残るので、やはり清浄魔法のお世話は同じかな。




                 ♦




「…ますます魔法に磨きがかかっていきますね。このままでは将来禍根の種を残す可能性が・・ 早めに今晩でも行動開始する方が良さそうですね、、」


女神はそう呟くと、憎々しげに床に放置された()()を靴の爪先で軽く蹴りつける。

そして何度も深い溜息を漏らす女神であった。


拙い私の文面に評価して頂いて感謝いたします。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ