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右手にサイコガンを持つ男  作者: 西南の風
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50 いざ 中級ダンジョン 3


大人数の夕食後、慣例のお菓子タイム時に深緑のメンバー達がこの階近辺での活動を中心にしている事の説明をしてくれた。


全ては北のダンジョンの後遺症による事が原因らしい。

確かに初めて会った時のあの怯えぶりを思い出した。

活動期の魔物達の爆発的な数と凶暴化はちょっとしたトラウマになっても当然だ。


階の通路でユウゾー達に会わなければ、水分も食料もなくなり全員とんでもない事になっていた可能性があるからな。


冒険者として言葉では死との背中合わせを理解しても、現実にそれが我が身に襲ってくれば誰も素直にそれを受け入れる事が出来る者は多くはいないだろう。

誰も死にたくて冒険者になっているのではないからな。


誰しも自分だけは生き残れるかもと勝手な思い込みがあるのも事実だろう。

真艫な職につけずに一獲千金に走る気持ちも良く分かる。

それらを全部含んでの冒険者稼業なのだ。


北の一件から彼女達はかなり神経質になってしまった。

過剰とも言えるかもしれないが、安全性に重きを置く方針に変わってしまった。

本来なら暫く冒険者を休息すべきだが、余裕のある生活ではない。


真艫な職につけないならダンジョンに潜るしかないのだ。

ならばどうするか…出した答えが当面すぐに安全エリアに逃げ込める範囲での活動になった。


活動期は何時始まるか誰にも分からない。

年に1・2回の発生に対処方法もないから、発生した時のリスクを考えると魔物のレベルが低めを選ぶしか手はない。


此処での活動なら最悪の事態に対応できそうだと皆の意見が纏まったわけだ。

無論稼ぎの大幅な減は承知の上となる。


ここより下の階層は危険度が高くなるとの判断だ。

喉元過ぎれば熱さを忘れる そんな状態になるまでの辛抱か…。


そんな彼女達が急に集まってゴソゴソ相談を始めた。 ??


やがて彼女達からのお願いを聞かされる。


前から下の20階層の安全地帯に活動拠点を移したかったが、どうにも決心がつかず迷っていた所にユウゾー達に再開が出来た。

出来れば20階層までの同行をお願いしたいとの事だ。



おいおい 前のダンジョンの状況と同じパターンかよ。

ユウゾーは皆の意見を聞くため振り返ると。二人は同行可。二人はどうでも良い…。


少し考えて2つの条件を出した。

一つはどんな状況になっても責任は取れない。

もう一つは明日魔石回収役をしてもらう事。


これで良ければ同行を許可すると伝える。


彼女達はすぐさま条件をのんだ。

さて 決定なら早く休んで体力の回復をして欲しい。

明日は働いてもらうからな… 腹黒ユウゾーは微笑んだ。



朝食を終えていざ出発の前に深緑のリーダーに魔法袋を貸し出した。

建前は荷を背負ったままではユウゾー達のペースに追いつけない可能性があるし、回収した魔石等をどんどん入れていって欲しいと。


武器だけ持てば身軽に行動出来る事になる。

彼女達は深く考えず逆に喜んでお借りすると感謝された。


ふふふ 君たちこれで身軽にたっぷり動いてもらうよ。

ユウゾーの黒い笑いを未だ分かっていない深緑のメンバー達だった。




さて16階層に向うとしよう。

深緑のメンバー達も各自の荷がなくなり軽やかに着いてくる。

そう16階層に入るまでは…。


16階層に突入した時ユウゾーは自分のメンバー達にこう伝えた。


「これより20階層まで魔物を狩って 狩って 狩りまくる 後にはペンペン草も生やすな!」


パーティ全員が おーっ!! と気合を入れると 各自獲物をもとめて駆け出した。

慌てた深緑のメンバー達も懸命に遅れまいと駆け出す。


ユウゾーは小走りに移動しながらこれで念願のレベル上げが出来ると喜んだ。


後は想像の通りだ。一応パーティ員がバラバラにならないよう最低の指示を行い、右だ 左だと指示するがダンジョン内を獲物を求めて走り回るのには違いはない。


深緑のメンバー達にとっても遅れずに走り回る一日が始まった。

ユウゾー達が倒した魔物に駆け寄り部材の回収をして、急ぎユウゾー達に追いつく地獄の一日だ。


途中休息と昼食の時間以外は只ダンジョン内を駆け巡る。

当たるを幸いに魔物を狩り続ける。


ようやくその行為が終了したのは20階層の安全エリアに到着した時だった。

到着と同時に深緑のメンバー達は全員倒れ込みもう一歩も動けない状態だった。


その横で やれやれ疲れたと 椅子とテーブルを作り座り込んでお茶とお菓子をつまむユウゾー達がいた。




「こんなに狩りで走り廻ったのは初めてです」


復活した深緑のメンバー達がお茶を飲みながら口々に訴える。

そうだね 北のダンジョンの時は大量に魔物が逆に襲いかかってきたからな。


お陰でかなり大量の魔石集めが出来た。

回収した魔法袋からいくばくかの魔石を小袋に入れ深緑のメンバーに手間賃として渡す。

ご苦労さまでした。助かりました とユウゾーは黒い微笑みを浮かべた。


さて しばし休憩したら野営の準備だね。

ユウゾーは大きく背伸びをして設営にかかる。


エルフ共たまには手伝え……。

だめだ、嬉しそうに魔石を数え始めているな。

ほっときましょう、それにしても今日一日ですごい魔石数だな…。


一人さびしく設営を始めるユウゾーであった。


「ミーア 風呂の湯張り頼むよ。ミューは調理の手伝いお願い」


深緑のメンバー達も自分たちの設営を始めたので、大人数分の食事の準備をせねばならない。

メニューのリクエストは肉 肉と五月蝿いほどの大合唱。

  

 ふむ生肉も沢山あるし、ステーキが手っ取り早いかな。


まてよ 創造魔法でステーキのタレか焼き肉のタレは無理かな?

出来れば今後の食生活が更にアップするよな。

まてまて下手に成功すると調理のリクエストのレベルが上がりそうで怖いな…。


でもたまの特別料理と言い聞かせばなんとかなるかも…?!

ユウゾーは焼き肉のタレが大好きだった。

それが異世界では入手できずほぼ一年になる。


もしかして焼き肉のタレが製作可能ならと 思わず生唾を飲み込む始末だ。

……チャレンジしてみようかな? 誘惑に負けるユウゾーであった。


突然眩い光が辺りに広がり、仲間たちが何事だと注目を浴びる。


 で 出来た!!

MP 150を消費して目の前にタレの瓶が出現した。

瓶にラベルなど貼っていないが、確かにこの色と内容物は焼き肉のタレだと思う。

恐る恐る蓋を開け中身を指先につけ舌先で舐めてみる。


 おうおうおう 間違いない。多少好みの味とは違うが、十分な代替品だ。


これでさらなる肉料理の進化が待っている。

ユウゾーは嬉しさの余り、瓶を片手に踊りだす。


 はは エルフ共あっけに取られているな。でも食事の時に驚くのはお前達の番だぞ。


たかが 焼き肉のタレである。されど焼き肉のタレである。この世界の住人には正に未知の味だ。



その晩の食事は大絶賛の中、必死に追加の肉を焼き続けるユウゾーがいた。

あまりの美味しさに皆の食欲が止まらない。


 しまった! このケースは考えていなかった。


瓶のタレが無くなるまでユウゾーの作業は続く。



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