49 いざ 中級ダンジョン 2
ユウゾー達は10階層の安全地帯に入り込む。
かなり広いスペースにもう何組かの冒険者達が寛いでいた。
挨拶を交わしながら空いている場所に陣地を構える。
おっ 水場があるな。少し離れた場所の方が人の行き来が少なくて良い。
それより風呂だと催促される。
了解だ。テントを張るからその後だぞ。コーナーを利用して前面にテントそれに隠れるようにトイレと風呂場を設置する。
やれやれ一息かな。ミーアが魔道具でお湯はりを開始する。
おそらくこれから混んでくると思うので、早めに食事の準備にかかるか…。
おい そこのエルフ、テーブルでノン辺ダラリとせずに少しは手伝え。
ミューがテキパキ動いて食材を分類している。
ミーアとミューはお利口さんだ。
あんな馬鹿エルフみたいな大人になってはダメだぞ。
調理を始めるころには冒険者が次々に到着してそれぞれの場所に居を構える。
もう半分ほどのスペースが埋まっている。
まだ遅れて冒険者が来そうだなと思いながら、調理を進める。
風呂に湯が溜まり例の二人が喜びながら向かっていく。
長湯はするなよ。
ある程度調理も目処がついたのでミーア達も風呂に向かわせる。
ようやく前の二人がでてきたな。
ユウゾーは食事後にゆっくり一人で入る事にする。
食事後恒例のお菓子タイム…本当に感心するけど、よく毎回食べるよね。
4人揃ってお茶しながらペチャクチャ……。
無論関わってはいけない、どんな会話をしているのやら。
さあ 風呂に入り汗を流そう。
まだ夜の鍛錬が終わっていない。先にテントに入り瞑想を開始。
だいぶこのルーチンにも慣れてきたな。
呼吸を数回意識的に行うとスーッと瞑想モードに入っていける。
突然テントが開けられ お菓子が足らないけど?
……馬鹿エルフめ。結構な量を出していた筈だが。
袋からそこそこの量を仕方なく出す。
出せば出すほど食べるからな…
さて 続きを… ユウゾーお茶の葉は何処に有るの?
うぉー 邪魔するな!!
なかなか修行の進まぬユウゾーである。
ダンジョンの朝は早い、各テントから朝食の準備にかかる様子が見られる。
ユウゾーも辺りを眺めながら、今更このダンジョンの人気に感心していた。
あれだけのスペースがほぼ全て埋まっている。
当然下に潜るほどに人も少なくなるだろうが、これだけの冒険者がそれぞれの場所に散り、魔物に生活を支えてもらっている事に驚きの感銘を受けていた。
ダンジョンとは不思議な存在だと改めて感じている。
何の目的があり存在しているのか、野菜スープの鍋をかき回しながら思いをつのらせる。
「「「「 おはよー」」」」
げんきな声 そうでもない声が響き皆が起きてきた。
さて 本日からが本格的な探索開始となる。
レベル上げと軍資金の確保に頑張らねば。
ユウゾーはまだレベル7から上がっていない。
もう20体程クリア出来れば8に届く。
今日中にはいけるだろう。魔石拾いが主でなければ…。
全ての片付けを完了して、ボス戦に向う。
ボス室には前に一組順番待ちが待機していた。
やがてドアが開き前の冒険者達が入っていく。
しばし待ちかな?
マーラがここのボスは一般的なオークだからすぐに入れる筈と教えてくれる。
その言葉通り大して待たず岩の扉が開く。後ろを見るとすでに5組くらい列んでいた。
ボス戦を味わう暇なくミーア達にボコボコにされて、寂しく消えていく。
魔石と宝石のドロップ品を回収して11階層の入り口に向う。
岩山地帯か! この先は狼系の住処になるとの事だ。
ふむ 敵の移動速度が早くなるな。注意が…
考える間もなくミューがサイコガンを発射させ1体 また1体と緩い岩山に先に登り退治していく。
ミーアもその後を追いかけ何体か倒した模様だ。
君たちあんまり先に行くと危ないからほどほどにね…。
キャッキャ 楽しそうな声が聞こえる。 だめだこれは…。
マーラ達も苦笑いしている。
15階層まではこの調子で二人に任せて進む事になる。
順調に魔石と宝石も増えていき、ユウゾーは右や左に駆け回り回収業務に精をだす。
おかしい…一向に自分のレベルアップは進まない。
なあ あんた達は何してるの? 少しは手伝って欲しいのだが、、、。
二人の監視で忙しい? そうですか…。
でもこのままだと疲れ果て晩飯作りに支障がでるが、いいんだね?
慌てて魔石回収を手伝うエルフ共がいた…。
よし、この手があった。ユウゾーは突破口を開いた?
15階層には安全地帯がある。
これから5階毎にあるそうだ。ユウゾーはここで野営を強制的にする事を決める。
先頭の二人が魔物を求めてアチコチに進路をとる為かなりの距離を歩かされたからだ。
あの二人はハイ状態になって気がついていないが疲れが溜まっているはず。
魔石もかなりの数が集まっているし無理は禁物だ。
ゴネるメンバーもいたが、夕食作りに支障がでると言えば皆素直になる。
ナンナンダヨこのメンバーは?
安全エリア内は一組いるだけで流石にガランとしている。
皆さん頑張っているんだね。でもユウゾーは休憩モードに構わず入る。
コーナーに大型テントを作り、土魔法でテーブルと椅子を作ると袋からお茶セットを出す。
暫し休息だ。 暖かいお茶と甘い菓子でようやく落ち着く。
ミーア達も一息入れて己の体力がかなり減っている事に気がついた様子だ。
あれだけ走り回っていれば当然の結果だろう。
ミューは銃の予備マガジンを使う寸前だし、やはりここでセーブして正解だ。
ミューの魔石マガジンに魔力を補充して渡す。
回収した魔石の内、通称クズ魔石を集めて錬金を行いそれなりの価値ある品に変換。
前回の初級ダンジョンでもこの手でかなりの金額UPに成功したからね。
少々ズルいがなんせ食い物代がかかるのだこのメンバーは…。
つつましい森での生活はどうした?! 話が違うぞ?
えっ?! 美味いものを次から次に出すユウゾーが悪い?!
…そうかい なら次回からは節約モードにするかい?
なぜ 全員揃って土下座しているのだ?
ふぅ 今のは冗談だ。 腹がへってトラブルでも発生したらそれこそ問題だしな…。
さて 風呂と簡易トイレ作りだな。あんた等はのんびりしていればいいから、俺の役目だしな。
固まった体を解しながらユウゾーは動き出した。
早めの風呂を皆満喫して、さて食事の準備をするかと立ち上がった時に入り口から見知ったメンバーが此方の野営地に向かってくる。
深緑のメンバー達6名だ。この地点を拠点にして活動しているのかな?
深緑のメンバー達は笑顔満載で挨拶を交わし隣に野営の準備に入る。
どれ今夜も大量に夕食を作らねば。食材は余るほど買ってあるからいいけどね……。
エリア内は1/3程埋まっているのに、よく直ぐにユウゾー達を見つけられたものだ。
するとミューが この大型テント目立つよ の一言…。
な なる程それはそうかもしれないな…。
軍の野営地でもなければこんなテント持ち歩く冒険者いないよな。
設営完了して深緑のメンバー達が調理の手伝いに来た。
その時ふとユウゾーは汗の匂いが気になる。
それはそうだもう何日もダンジョン活動をしているのだから、体は水で拭いてもやはりそれなりに匂いが取れないだろうし、ミーアにお願いして風呂の湯を再度溜めるよう依頼する。
若い娘さん達が不潔にしてはいけない。半分の人数に分けて順に入ってもらおう。
風呂? 風呂ってなーに?!
えーい ミーア悪いが入り方を説明してやって!
確して深緑のメンバー達は生涯初の風呂にチャレンジするのであった。
風呂から出てきた深緑のメンバー達は見違えるほどに汗と汚れが落ちさっぱりした気分に満ちていた。




