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右手にサイコガンを持つ男  作者: 西南の風
31/281

31 いざ 対決ギルマス

今回も少し短くて申し訳有りません。次回こそ…


門で簡単なチェック後、宿屋にて泊手続きを済ます。

まだ日が高いので商店にて買い忘れ等の最終確認を行う。

ユウゾーば屋台に出掛け手当り次第購入して、明日からのおかずとおやつを買いだめする。


屋台の店主達は大喜びで懸命に調理する。出来た品からユウゾーの元に運び、どんどん袋にしまい込む。             

そうこうするうち夕方も近くなり、ギルドには明日の出発前に寄る事になった。


 「ほう 美味そうだな その串焼きは」


突然仕舞い込む品の一つに手が伸び、串焼きを一本持っていかれた。

誰だ 不調法者はと、顔を上げると見知った顔がそこにあった。


ギルマス・・ ユウゾーは固まった。


 「どうしてここに?」


「・・到着した馬車に私宛の手紙が一緒に運ばれて来たんだ。 向こうのギルマスが一時的に開拓村にお前が帰る旨の知らせだったが、肝心のお前は一向に姿が見えん。

そのうち屋台の周辺が妙に騒がしく活気がある。不思議に思い2階の窓から様子を見てみると、どうもその中心に見知った顔を見つけたと そういう事だ」



串焼きを頬張りながらギルマスは じろりとユウゾーを睨む。

いかん エルフの目を過小評価していたな。

この後で良いからギルドに来い。待っている。そう言い残しギルマスは立ち去った。


ギルドの連絡網の早さを痛感したユウゾーだ。

仕方ない これまでにしてギルドに向うかと立ち上がったユウゾーを、探しに来たエルフ3人娘?が目ざとく彼を見つけた。

これ幸いと3人衆を引き込みギルドに足を運ぶ。


夕方のギルドはクエスト完了の冒険者で溢れていたが、ユウゾーに気づいた職員の1人が2階に行けとばかり指差ししている。



 

 「「「久しぶりだ キリアーナ」」」


マスター室に入るなりマーラ等はギルマスに挨拶を交わす。


「ユウゾーに同行しているエルフとはお前達だったのか。まあ 座れ」


お茶を自ら入れて全員に配る、下は猫の手も借りたい状態だからな。


「この時期にオレオン帰りなら、例の特例絡みか?」


「ああ 推察の通りだな」


「・・成果は?」


「第一村のライラが大当たりだ!」


なんと それは目出度い。 ライラは初産か? しばし 話題が弾む 。


「さて ユウゾー。エルフの村に往くそうだが、狙いは何だ?」


先程までとは違い、目に険がある。何故かギルマスに俺は警戒をされているようだ。

仕方なくステータスで不明点がある。現オサの力を借りて解明したいのと、可能なればシャルル様本人に面会したい と話したとたんギルマスの体から殺気にも似た気配が部屋中に漂った。


おいおい 別に村に殺し合いに行く訳でもなし、何なのその殺気は?

それに反応してマーラが二人の間に入り取りなす。一応は収まったかに見えたギルマスだが、変わらず体内から弱い殺気の波がユウゾーををビビらすかのように漏れ出ていた。


「小僧! なぜシャルル様に関わる。確かな理由を聞かぬ限りわしが許さん。」


許すも許さないもギルマスは村を捨て人族界で暮らす生活を選んだんだろう?

そのように何人の者から聞いておるぞ。

その者が今更エルフ村の住人みたいな発言で俺をびびらす? 解せん。


「小僧 返事は!」

 

少しカチンとユウゾーは苛立ちを自分に感じていた。

確かに見かけは17歳のガキかもしれんが、地球では70年間の(よわい)を積み上げた男に小僧の連呼は失礼だろう。おまけに権力丸出しの無礼な言葉使い。実年齢も判断できぬポンコツババアめ!


「それを()()()に説明する必要が何処にあるのだ」


ギルマスのこめかみにピクピクと青白い線が浮かび上がっていく様が見えた。

完全に怒っているな。だが自業自得だ。

 

「小僧。わしを怒らすな。質問に答えい!」

 

尚も高圧的態度でユウゾーに迫る。

本当に何故こんなにギルマスは絡んでくるんだ?

つい言葉も荒くなる。


「説明するなら現オサにはするだろうが、()()にする気は全く無い」


 ぷつん  それはギルマスとユウゾーを結んでいた()()糸が切れた音だった。


途端に凄まじい殺気と膨大な魔力がギルマスから発せられた。

思わず他のエルフ達もその勢いに圧倒され、後手にまわった。


「ならば ここで死ね!!」


高々に性悪な呪文がギルマスの口から詠唱され始めた。

ようやく事態が最悪な展開に転んだ事を認識したマーラが叫びながら動いた。


「よせ キリアーナ! その魔法は危険・・?!」


言葉は最後まで続かなかった。ギルド中に響く炸裂音が上がり、ギルマスの後ろにあった壁に大きな穴ができたのだ。

無論その穴を作った本人はサイコガンを構えてこう宣言した。


「断りもなく他人に魔法を詠唱するからには、自分も死ぬ覚悟があるんだな? 次に詠唱を始めるならその頭ごと吹き飛ばしてやる!」


ゆっくりと銃口をギルマスの顔に狙いを定めた。

そのあまりの威力に暫し壁を見ていたギルマスだったが、ゆっくりユウゾーに顔を向けると体内からはまたもや魔力が溢れ始めていた。

 

途轍もない緊張感が二人を包んだ時、1階から数人の職員らしき足音と叫び声が響いてきた。


「ギルマス!! 大丈夫ですか?! 今の爆発音はなんですか?!」


慌ただしいドアのノック音と共に職員らしき者が部屋に飛び込んできたが、現場の空気が一転して凍りついて固まった緊張感に二ノ口が告げられずに立ちすくんでしまう。

その間ユウゾーは微動もせずギルマスに銃口を向けている。

 

「お、お前はギルマスに何をし、している」

 

ようやく口が開ける位に己を取り戻した職員らしき者は、緊張がまだ溶けず声が裏返った口調でユウゾーに問い掛けたが、何となく素っ頓狂な声が現場の当事者二人にも届き、僅かに現場の固まりが少し解れて行くのが感じられた。


軽い溜息と共にギルマスから緊張感が抜けていく。

ギルマスが左手で職員を制して、


「魔法銃の暴発だ。心配かけたな、皆にも安心する様伝えてくれ。ユウゾーもそれをしまえ」


尚も言葉を続けようとする職員を再度手で制し、部屋の外に追い出した。それを確認してゆっくりと銃を収めるユウゾーだった。


「ふぅ どうなる事かと思ったよ」


エルフ3人衆もそれぞれの緊張感を解した。3人衆も次の動き次第では、自分の身を投げ出してでもこの場を制する心構えで居た。


「ふぅ、まだガキの今のうちなら跡形もなく全部焼滅出来ると思ったが、まったく迷い人は・・」


本気とも冗談ともつかない一言だった。つい緊張感のほぐれから呟いた恐ろしいギルマスの一声、に反応したのは3人衆だった。


 「「「なっ、迷い人? ユウゾーが?!」」」


「えっ? あ あ其の・・  気が付かなかった?」


酷い 誤魔化し方だとユウゾーは感じた。

 




ギルマス室から立ち去るべく、ドアに手をかけたユウゾーはそのままで首だけ回して 壁の修理費は後で請求書を出してくれ と言って去っていった。


「ふん。今回は勝ちをゆずるが、次回はこうはいかんぞ。武器の特性は見切ったわ」


ギルマスは静かに再戦の時を狙っていた。



2階から階段を降りる時、下で待機していた冒険者達が皆喝采でユウゾーを迎えた。

何が何だか疑問たっぷりのユウゾーにマーラは笑いながら囁いた。


あのギルマスに喧嘩を売った開拓村での第一号だって。

皆感心しているみたいね。

何なんだそれ? やはりかなりヤバイ婆さんだったのかな…。



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