03 いざ 再森林 1
初投稿です
のんびり書き上げていく予定です。基本私の趣味で書いてます。
波長のあう方お読み下さい。
おっ、何かが出てきたぞ! どれどれ。
何で名前がカタカナなのかな? 異世界対応?
ありゃ、17歳対応なのか! 道理で体が軽いはずだ。
なんじゃ!? レベルが 1/36 とな!? 私は味噌っかすか!?
勘弁して下さい………。 次、次に進みましょう。
えーと、沢山スキルを貰ったみたいだが Lv.0とはこれいかに?
どうすればレベルが上がるのかな。使えば上がっていくのかな?
それとスキルの前にある(劣)って、どう考えても 劣化版 の事だよな。
生活魔法…もしかして飲水問題は解決!?
あっ、魔法袋って例の便利なヤツだな?
孫娘から借りたラノベ本にも登場した品だよな!
加護の自他共栄ってなんだろう。
おまけに(改)付きだね… 分からん…。不明な事がオンパレード状態ですな。
まずは当面の間、必要な生活魔法の習得から始めましょう ウキウキ…
魔法なんて一番興味満載の事項だからね。
お、おかしいな。ラノベ本だと体内でこう魔力を循環して、あとは想像力で発動させる と書いてあったが、本と現実とはこうも違うのか…
生活魔法の発動の為に、かれこれ数時間が経過しているが、一向に魔法は循環発動する気配が感じられない。
む、無理だ。さすがに時間が勿体ない。次に移るべきだ。
泣く泣く魔法の発動を諦めたユウゾーが次に興味を持ったのは魔法袋だ。
大量な荷物もこれ一つで収納でき、商人が多額の金貨を支払っても欲しがる。
そう、ある意味異世界での西の大関クラスのアイテム品。
ハハハ。そんな素晴らしいアイテム品が私の… あれ? どこにあるんだろう?
持っていませんけど、、、そもそもこの異世界で目覚めた時には荷物等何処にもなかったのですが、、、、、、。
な、何なんだ。そもそもスキルに設定される物なのか!?魔法袋とは!?
単なる持ち物の様な気がするのだが……。
他のスキルは? 射撃? 銃か 現物はないけどね…
いかん、少し涙がこぼれそう。魔法は発動しない。魔法袋は持っていない。
意味が不明なスキルが沢山ある。
何処が異世界での初級生活保護を約束しますよ だ!!
飲水と食料で、もはや詰み状態です。
今すぐにこの現状に対応するスキルを私に与えて下さい。神様……。
「……へパフラスコ様!?」
「な、なんだろうか ヴィナス神」
「あの者に正しい操作法をちゃんと説明しました?」
「うっ、少しだけ説明不足だったかな?」
「……正直に答えて下さいね」
ニッコリ。
「ヒッ! 怖い 怖い。 ヴィナス神お願いだから、その笑いは……」
「再度問いますが、あの者に正しい操作方法を説明しましたか?」
ニッコリ。
「ヒィー。 す、すみません。嘘でした。ほとんど説明してません」
「……ほとんど?」
ニッコリ。
「ヒィー 間違いです。まるっきり説明していません」
「……そうですか。つまりほぼ素の状態で異世界に転移させたと」
ニッコリ。
「ヒィー! ヒィー!」
自動首振り人形が突如として現れ、ひたすら首を縦に振っている。
「なぜか突然ヘパフラスコ様と個部屋でお話しをしたくなりました」
ニッコリ。 ニッコリ。
「い、嫌だ! 私は絶対に拒否するーー!!」
「まぁそんなに拒否なさらなくとも… 黙って付いて来んかい!!!」
先頭を歩くヴィナス神の後ろをトボトボとドナドナされて行くヘパフラスコ様
であった。
非常にまずい状態ですわね。天上界ではあってはいけないケースです。
何とか今夜中に私が対応しましょう。
先頭を歩くヴィナス神が小声でぶつぶつと呟くのを、聞いているのかどうか、
後に続くヘパフラスコ様の目は屠殺場に向かう家畜の如く濁りきっていた。
異世界での初めての夜を、もう少しで体験する事になる。
当然その前にやる事がゴマンとある。
最優先は安全な寝床場所の確保だ。
今現在段差のある境界地区から森に数百m入った場所にいる。
草原地区には近寄りたくない。あんな経験をすれば当たり前の結論ですな。
後方の岩山地区もざっと調べてみたが、洞窟等は発見出来なかった。
そうなれば森の中で一夜過ごすしか選択肢は残っていない。
熟睡なんかまず無理であろうから、うたた寝で十分だと割り切ろう。
少しでも体力が回復すれば御の字である。
空腹と喉の乾きは今晩はパスだ。
すべては明日にかける! その為の体力回復が優先だ。
目ぼしい木を見て廻る。枝振りから判断し、ある大木で一晩明かす事に決定。
この木は5メートル位の高さにある枝が二股状に伸びている。
この二股の場所にお尻を入れれば安定性が出る。
枝の太さも申し分ない。
拾ってきた蔦をロープ代わりにして自分と木の幹を縛り落下防止対策とする。
ついでに先の尖った棒を槍代わりとして手元に置く。
なんせ武器は何も無いからな……。
どんな罰ゲームなのか、涙がちょちょぎれる。
そうこうする内に、夜の帳が下りる。
夜の森は不気味だ。慣れなければ寝るのは絶対に無理だと思う。
あちこちから怪しげな声が聞こえて来る。
猪なのか?走り廻る音が…。聞いた事が無い鳥の声…。
そして獲物を見つけたのか争いの音と悲鳴と思われる動物の声………。
うーっ、堪りませんな。勘弁して下さい。
それでも昼間の疲れからか時々意識が失くなっていく。
何回目かのうたた寝時にそれは起きた。
(寝ている最中に御免なさい。意識だけ少し此方に向けて下さいな。)
何だ? なぜ森の中で女性の声がするのだ?
そんな馬鹿な事が起きる筈がない。 夢か? 幻か?
(うん。互いの意識が継ったみたいですね。初めまして。
私は天上界にいる私の主神ヘパフラスコ様の使い神でヴィナスと申します。)
はい!? 使い神? つまり…女神様ですか? はい???
(急に意識の中に侵入し混乱させて申し訳ありません。そうです。貴方が感じている通りの存在で間違いありません。)
正に青天の霹靂!!
何故私の元に? 当然の疑問です。
その後女神様は今回の来神の目的を滔々と話されて、特にその話が自分の主神に関する時には一種の呪詛的口調に変わり、思わずユウゾーの全身も悍ましい程の寒気と呪い?を感じながらの説明を受ける事になった次第。
(御免なさいね。長々と一部関係のないお話まで付き合っていただきまして、誠に申し訳ありませんでした。
我が主神ヘパフラスコ様の手抜き作業…いえ足りなかった補足説明は先にお話した通りの対応の程、宜しくお願い申し上げます。)
えーと、手抜き作業……ではなく補足説明は然と受け承りました。
ヘパフラスコ様に良しなにお伝え下さいませ。
互いに愛想笑いの作り笑いで無事に波風を立てる事なく、意識通信が消えかかった時に、一言ヴィナス神様からの言葉が漏れ伝わって私の意識に入り込んだ。
(主神に伝えるも、それが正常に判断できる状態まで回復していれば良いですね。ふふふ……プツン!)
おーい ヴィナス神様!? 本日一番の悪寒を感じたのは私だけ??
同時刻 はるか天上界のある個部屋ではヘパフラスコ神様がピクリともせず、その姿を大理石の床に死体の如く張り付いている姿が見られたが、周りの神々達は無視するかの如く、足早く部屋の前から去り行く姿が散見された。
夜明けにはまだしばしの間がある。
もう小一時間もすれば東の空は明るい陽の光の色に染まり始めるだろう。
意識通信が完了後、私は夜明けを待ちきれずにスキルの初期インストールを教えられた通りに、ステータス板から行っていた。
もう少しですべて作業が完了する予定だ。
でも何故にヘパフラスコ様はこんな単純なミスを見逃したのだろうか?
どう見ても意図的としか思えないのだが、、、
敢えて意図的に見逃した理由が不明なのだ。
当然こんな下々の私が神々の行なう深き考えが分かるはずもない。
今はもう少しでスキル発動が可能になる事を素直に感謝するべき。
これで過酷な環境の異世界で生き延びる可能性が大幅に上昇したのだから。
有り難や ありがたや~。
ピィー。 甲高い音が周りに響き渡る。
よしすべてインストール完了!!
後は私自身に移し替えればすべて完了。
最終移行ボタンを押す!!
膨大な情報が次々に頭に入り込んできた。
気持ちが悪くなってきた。 膨大な情報量が脳内に満ち溢れている。
いかん、、意識が、、、
チュン、チュン、、小鳥の鳴き声でようやく私の目が覚めた。
うっ、眩しい。
太陽はもう中天の空高く輝いている。
ステータス オープン!
現れたステータス板を確認する。
よし。支障なく移行が完了したみたいだ。
腰に巻いてあった葛を解くと、ゆっくりと木から降り立つ。
一つ大きく深呼吸をしてから私は言葉を発する。
「生活魔法 水!」
その言葉に体内から魔力の反応が返って来た。
胸の深部からジワジワと波が動き、腕を通り手のひらまで伝わると指先に水滴が集まりだした。
やがて水滴はある一定の大きさを形成すると、魔力の反応が収まる。
魔法が使える様になった。
わずか100ccに満たない水でも感動は鳴り止まない。
指先の水を口元に近づけて飲み込んでみる。
うま~い。 最高だ。
その後数回魔法で水を作る作業を繰り返す。
2日ぶりの水だ。不味い訳がない。
拙い私の文面の小説を評価して頂き、誠に有難うございます。