29 いざ 酒要注意
エルフの大人達が囁いた内容は以下の通りだ。
「オサは武力にも長けているけど、やはり亡くなった旦那様のお陰かしら?」
「そうね あの方・・人でしょう。その影響で限界レベルが…」
会話が途中で途切れたのは仲間が大きな猪を狩り、村に運び込んだのを大人たちが見て、慌てて解体の手伝いでその場を離れたからだ。
・・人に関しては当時のマーラには初めて聞く言葉で、マーラには興味のない事柄の為、覚えていないとのことだ。
ただこの歳になり冷静に会話の前後から判断すると、どうも 迷い人または異邦人 と考えれば辻褄が合いそうな気がするとマーラは語った。
すると隣りにいたニーアが会話に口を出した。
「待って それシャルル様の事でしょう? なら私の村でも話に上がった事があるよ」
ニーアが聞いた話はマーラとは違う観点からの話だ。
「ほら 例の馬鹿異邦人! あれが散々無茶をしている時に大人達が 同じ異邦人でも亡くなったシャルル様の旦那様とは雲泥の差が有ると嘆いていたわ」
あら ニーアと同じような話は私の村でも聞いた事があるなと、ラーサも釣られて思い出した様だ。
・・バカ異邦人の前にも別の異邦人が?
兎にも角にもバカ異邦人は別にして、(おらぁ チートだぜ!と燥ぐバカガキの顔が浮かんだ) そのシャルル様?の旦那さんが異邦人で、もしかして武力UPに関わる何かをシャルル様に施した?
「なぁ そのシャルル様は何故限界レベルが上がったのか詳細が判るかい?」
「残念だけど村人は誰も知らないと思う。知っていたらそれに関しての噂が必ず出るから、おそらく私の推測だけど、当事者二人だけの秘密にした可能性もあるわね」
それはそうだ。こう言ったら何だけど、エルフ達は仲間内では口が軽そうだからな。知っていれば公然の秘密として皆承知しているだろうし・・ 降り出しに戻るか?。
ユウゾーの諦らめかけた顔を見てマーラは しめた、ここが押し所と判断し。
「それに関して一つ手があるよ。現オサはシャルル様の実子よ。ユウゾーが何故拘るか分からないけど正直にオサにその理由を話して、もしオサが納得したら、無論オサが武力が上がる秘密を聞いていたらの話しだけど 教えてもらえる可能性があるわね」
どうだ反応は?もうひと押しか? 腹黒エルフであった。
ユウゾーは少し考えて徐ろに尋ねた。
「・・シャルル様本人に会える可能性は?」
「シャルル様に?・・可能性はなくもないけど、正直シャルル様はご高齢で今は、、寝込んでいる状態なのよ。つまりいつお迎えがきてもおかしく無い状態と言うわけ。それでも体調の良い時もあると聞いてはいるんだけど・・」
マーラは頭脳をフル回転させて言葉を選んだ。
「普通の人族が面会希望されても断られるのが落ちだけど、私達がこの地でお世話になったと聞けば、人情に厚いシャルル様なら会って下さるかも。ただ本当に体調次第は理解して。もし会いたいなら少しでも早い方が確実ね。どう一緒にエルフの村に来る?私達が案内してあげるから」
エルフ三人はこれ以上の笑顔はない程の最上の笑顔で頷いた。
この笑顔に落ちない男は居ない筈と確信の笑顔だ?!
ユウゾーは当然落ちた・・ でも一言発した。
自他共栄 と・・
「「「ジタキョウエイ??」」」
ふむ やはり知らぬか、、
神の加護である。これに関してはステータス板の検索も反応がない。何か特殊な加護と考えられるが見当がつかない。開拓村の長命ギルド長も知らぬようだし、もしかしてエルフの長老クラスならと 考えての面会希望も入っている。
とにかくそれぞれの思惑が一致したエルフ村訪問になった。
そろそろ夕刻だ。話は一区切りついたし、夕食の準備を始めるか。
エルフ達も珍しく手伝いに参加した。 お腹が空いているのかな?
手伝うエルフ達は互いに目が会うとユウゾーに分からぬようにガッツポーズを決めて喜んでいた。
楽しい食事も終わり、後片付けをしているユウゾーの横に近づいたマーラはユウゾーの耳元でそっと囁いた。 今晩は私の番だからヨロシクと、、
朝、かなり辛そうにユウゾーは朝食の準備をしていた。
反対にマーラはとても満ち足りた表情で朝食を楽しみにお茶を飲んでいた。
不味いこのままでは精気を吸い取られる・・
ユウゾーは何か対策はないか真剣に考えていたが、すべて自分の落ち度と半分諦めの境地にも似た心境に包まれていた。
皆が揃い今後の簡単な行動を打ち合わせながら食事となった。
今日一泊すれば次の日には都市に帰り着く。
宿にいる妊婦の体調を見ながら大森林行きの馬車に乗る手配となる。
その前に今回の大量魔石等の収益で各村で必要な食料等の調達がある。
皆5年間村の皆に協力してもらった事への細やかなお礼だ。
普段持ち帰れる量にも制限があるが、今回はユウゾーから貰った?魔法袋がある。何が喜ばれるかと三人は歩きながらでも色々相談を交わす。
ユウゾーは帰り着くまでが遠足と、皆の浮き足を諌める。
返事だけは皆満点である。
途中にて追加の魔石を増やしながらオレオン都市の城門に無事に一行は到着した。
まず仲間の待つ宿に向かい、互いの再開の無事を祝いダンジョン報告とユウゾーのエルフ村訪問同行を他の2名に話している様だ。
ユウゾーはとりあえず2泊分の予約をとり、宿のロビーにてしばし休息としていた。
通りすがりのお姉さんから何回かお声がかかるが、待ち人ありとの回答に残念そうに消えていく。
やがて三人が現れギルドに今回の報告と換金の目的で向う。
受付にて今回のダンジョン活動期の状況報告をして地下10階まではかなり落ち着いた旨の報告と共に証拠の大量魔石にドロップ品宝石を提示。
あまりの大量品にギルド員・冒険者も呆然と見入っていたが、やがて職員たちが総出で魔石の数と等級別の分類に、そして商業ギルドから宝石関係の鑑定に数名が駆けつけた。
商業ギルドは数件先に事務所を掲げているので対応も早い。
最終確認は明日に結論が出るので再度訪問となる。
受付嬢に3回目の同行が完了したと報告し無事初心者講座の達成となった。
これで仮プレートから5級の最低ランクに認定される。
晴れて新人冒険者の誕生となった。
エルフ達から おめでとう の祝の言葉を浴びる。
早速祝の祝杯と他の二人のエルフの紹介の為に宿屋へと引きずられる。
ライラとニーナの愛称で呼んでくれと紹介された。
特に体調不良だったライラさんからは今回の多大な支援にそれは感謝されて、逆にこちらが恐縮する始末であった。
体調も峠を超え安定し、三日後の馬車で皆引き上げる事になった。
食堂の大きめの個室にて6名が乾杯となる。
ライラさんは水で乾杯だけどね。
もっぱら話題はダンジョンでの活動期による魔物討伐となり、ユウゾーによる鬼神の如き戦いに皆の喝采賛美が飛び交い大盛りあがりとなる。
ユウゾーのレベルが一桁台の7と知りこれまた驚愕され、どんどんお酒のネタと祝の酒を美女達に注がれて出来上がるユウゾーがいた。
頭が 痛い・・ 喉が 渇いた。 やっとの思いでベットから起き出し魔法の水筒から水分補給をしたユウゾーはもう一度寝直しと、抜けだしたベットを見て固まっていた。
其処には見知らぬ、、、いやよく見れば昨日紹介されたニーナさんなる方がユウゾーに向かい半分目を開いて微笑んで寝ているのをみた。
どう見ても裸だよなとニーナさんと自分の姿にまたもや後悔の念が、絶対に今後酒は飲まんと自身に強く念じたが、はや後の祭り状態…。
ニーナさんが こっちにおいで と手招きしている。
近付いて一応確認の為に なぜ私のベットにいるのか と尋ねてみる。
にっこり笑って言うことには、、、
マーラがライラの面倒をよく頑張って見てくれたから、今晩ユウゾーをご褒美でくれた と・・。
おい 馬鹿リーダー!俺を景品扱いかよ。 抗議だ と思っている間もなく。
レベルカンストの腕力にてベットに引きずり込まれた。
おい 話せばわかる。 問答無用。
深酒はダメですよね。私も覚えが…




