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右手にサイコガンを持つ男  作者: 西南の風
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26 いざ ダンジョン 8


 戦いが始まる前のエルフたちの真剣度と終わった後の落差について行けず、暫し踊り狂うエルフ達を眺めていたユウゾーだがゆっくりと彼女達に近づき、一人一人に 凄いぞ、頑張ったな。 と頭を撫でくりまわしてあげるとさも照れくさそうに、でも誇らしさも漂わせて喜んでいた。


 魔石とドロップ品を回収しに向うと見慣れぬミニ本も落ちていた。手のひらに収まる程の大きさで、エルフ達に見せると騒ぎ出した。


 調べると鑑定魔法の初級編らしい。但しこの本を読んでも実際に身に付くのではなく、あくまでも素質のある者しか使い道がない。使用方法は都度本を握って念じれば良いらしい。 

 

 最悪魔道具屋に転売できるとの事。

 試しにエルフ達に本を握って魔法が発動するか確かめて貰ったが、誰も効果を確認出来なかった。


 最後にユウゾーが本を握り、たまたま前に居たマーラを見ながら鑑定と念じる。

 淡い光がマーラの周りに集まりボーッと何かが見えてきた。


[名前] マーレイラ・ニクラム

[年齢]     418

[レベル]  41/41  

[体力]     215

[魔力]     950




 えーと マーレイラ ニクラム、 41…


 「黙れ! それ以上鑑定するな!」


 マーラが真っ赤になってユウゾーの鑑定を止めた。


 「…何処まで鑑定できた?」


 ユウゾーは見えた範囲を説明し スキル等は鑑定出来なかった旨を伝えた。

 エルフ達は集まりアレコレ話し合い結論を導き出した。


 「その本はユウゾーにやるが、条件がある。今後一切私達の鑑定を禁ずる」

 

 了解だ マム 418歳…。

 本を魔法袋に納た。初級編らしいが今のユウゾーには有り難い品である。



 唐突に光の階段が現れた。と同時に下へ降りるトンネルも現れる。

 階段を昇れば途中から激しい光に包まれ、地上へと導かれるのだ。

 そして下の階層に進むのであればトンネルを進めば11階に到達出来る。


 迷わずトンネルを4名は降りていく。






 11階に突入する前に状況を確認していく。

 前階層と左程変わらない。ただオークの数が目立つかな?

 あれ 武装ゴブリンがかなり少なく…いや 仲間割れ 潰しあいか!

 まて 今度はオーク同士が争い出した。どうなっているのだ?


 「一気に数が増えた弊害だ。元々いた魔物と新たに増えた魔物がお互いの生存を懸けて互いに攻撃し合う状態だな。初日は爆発的に増えた仲間に互いがパニック状態で、少し落ち着くと今度は縄張り争いが発生しているのだ」


 「少し早いのでは?」 別のエルフが感想を述べる。


 「そうだな でもダンジョンは何が起きてもおかしくない場所だ」


 「さて どうやって効果的に倒すかだ…」

 正攻法もよいがこの状態を利用出来ないものか…


 「なぁ ユウゾーの土魔法で陣地が出来ないか?」


 陣地? あぁ 囲んで防御を上げて敵を殲滅か…。

 オーク達の攻撃にある程度耐えられるのが作れれば… 試してみるか。


 「試しに作ってみる。安全を考え入り口からすぐの場所に作るから、危険ならすぐトンネル内に逃げ込もう」


 ユウゾーは11階に入ってすぐに半円形の高さ1.5メートルの土壁を強度UPと念じながら作成に集中した。半円形にしたのはトンネルの出入り口が陣地内にあれば、何かあればすぐに退避可能だから。


魔物たちはユウゾーが11階に侵入した事を感知し、何体かユウゾーに向け移動してきた。

懸命に土魔法で陣地を作成しているユウゾーを守るためエルフたちも弓を手にオークの襲撃に備える。


 数体がユウゾーに迫ってくる。エルフの矢が放たれる。

 オークは鉄製の防具を身に着けているので、防具のない顔や手足を狙うしかない。

 一体が喉を射られ倒れ込む、一体は右腕を射られ武器を手放しその隙きを狙い顔面に矢が突き刺さる。最後の一体が手で顔をカバーしながら突き進んでくる。


 「ユウゾー まだか?!」


 エルフの一人が弓から剣に替えオークの突入に備えながら叫ぶ。


 「…で 出来た!」


 その瞬間、地より壁が盛り上がり出し、突入してきたオークが激しく激突し倒れ込んだ。


 「すまん 強度に特化したので少し時間がかかった」


 その言葉の通りオークとの激突を耐えきった壁はユウゾー達に安全地帯を作り出した。

 倒れ込んだオークが起き上がり、怒りに任せた一撃を出来上がった土壁に繰り出す、が土壁は僅かに土埃をたてるだけで崩れる事は無かった。


 更にこれに激怒したオークはパンチを数回繰り出すが土壁に変化は無かった。


 「バーカめ!」 ユウゾーの銃が顔面を破壊した。


 「ユウゾー 次ぎだ! 次が来るぞ」


 オークが10体程此方に走り込んでくる。

 4名はかべに張りつき迎撃に備えた。


 


 激闘30分後 辺りは魔石とドロップ品が散らばる風景に変わっていた。

 3名のエルフが壁を飛び越え魔石集めにしのぎを削っている。ユウゾーは壁の上に乗りオークの動きを監視しながらエルフを見て呟いた。


 今晩の一品を絶対に賭けているな。あいつらは…。 軽い溜息が出た。


 回収から帰ってきたウルトラマン ではなくエルフを迎える為にユウゾーはお茶の準備をする。

 皆でお茶をしながら今後の対応を検討する。


 色々突飛な意見もでたがユウゾーはある提案をする。

 このまま次のセーフティエリアに行くにはかなり難しい。ならばこの階を殲滅して廻り、時間が  来たら上のセーフティエリアに行き泊まると言う作戦だ。


エルフ達は少し考えていたが、この階にかなりの魔物がいる事もあり、それなりの魔石を稼げると判断して、ユウゾーの案が採用された。


どのような順で魔物を倒していくか次に検討され、このまま壁際に進みながら一周してから中央を攻めるで一致した。


最初はかなりの魔物を相手にするが、所々ユウゾーの土魔法で陣地を構築すれば安全面と魔石の回収が有利に進むので、直様行動を開始となった。


基本遠距離攻撃が主となるが魔石回収の時間も考え、ある程度近くまで誘い出し撃退するパターンではいたが何せ魔物の数が半端ない状態で、ユウゾーは彼方此方に防御の陣地を作らされた。


ようやく一周した時には其れなりの時間が経過し、少し早いがかなりの収獲もあるので安全も考え引き上げる事で一致。 


上の階に上がるとエリアボスが待っていたが、朝とは違い通常のエリアボスなのでエルフ3人が魔法なしの弓と剣で瞬殺する。

 

 のどかな風景を見ながら皆が足取りも軽くセーフティエリアに向う。

 それはそうだエルフ3人衆の魔法袋の中身はかなりの魔石が収まっているのだから…。

 

セーフティエリアに到着後すぐにお茶になり、お菓子のつまみで小腹を満たすと3人は魔法袋から魔石を取り出し数え始めた。


早速勝負の結果判定に移ったと判断して、ユウゾーはその間少し別の事を始めた。


風呂場作りである。かなり長い時間湯船に入っていない。お湯で毎日体を拭いているが湯船にはご無沙汰だ。


土魔法で床を改良して水が溢れても溜まらないようにして、湯船作りを始める。

土を強く固める作業は今日一日でかなりの錬度を習得した。後は横に長いU字型のカーテンレールを作成し壁に固定し、長い防水カーテンを取り付ける。


 

魔道具の湯沸かし器を取り出し風呂場にセットしてお湯を張る。

 早く溜まれと念じていると後ろから声がかかる。


 「何をしているユウゾー…」


 げっ こいつらもう数え終わったのか…

 3人の顔を見ていると誰が勝者かすぐ判る。


 「あ あぁ風呂だよ 風呂」


 風呂?! これどうやって入るんだ?  ユウゾーは一番風呂を諦めた。


一通り丁寧に使用法を教えて 最後の簀の子を地面にひいてバスタオル等を取り出して所定の場所に置くと完成だ。   

 エルフ3人衆はその場で服を脱ぎだす。


 「違う! 脱衣場はここだ」


 どうして異世界の女共は人目を気にしないのが多いのだ。

 ユウゾーは再度場所を教えてカーテンを閉めた。


 風呂場からの歓声を聞きながら再度お茶を入れるユウゾーであった。

     


 

 長い…とうに1時間は過ぎている。

 楽しげな声が聞こえるので、のぼせて倒れ込んでいるのではなさそうだが‥


 仕方ない、晩飯用の材料カットでもするか…

 次にユウゾーが風呂から出てきたらすぐに料理に入れるよう準備だ。


一応の前準備を終え、 ほっと一息入れた時風呂場のカーテンが開き、上気した顔のエルフ達が出てきた。

一瞬だまし討にあったように つい見とれてしまった。


エルフ族であるから素は綺麗な女性達だが、風呂に入る習慣はなく皆水場で体を洗う事しかしていなかったので何となく、くすんだ顔や手足をしていた。


それがお湯に浸かり石鹸もどきで汚れを落とした結果、ユウゾーも思わず見入ってしまう程の美女軍団に生まれ変わってしまった。


 残念エルフが消えてしまった?!  ユウゾーは思わず叫んでいた。



 

物語りは更に今後展開していきます。お楽しみに。

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