197 いざ 大平原開通
ユウゾーは待望のレベル20にようやく到達した。
ドキドキしながらステータス板を呼び出す。
[名前] アサノ ユウゾー
[年齢] 24
[レベル] 20/41
[体力] 240
[魔力] 1530
[思念力] 410
[スキル] (劣)創造 Lv.3 ・ (劣)複写 Lv.3 ・ 射撃 Lv.3 ・ 魔法袋 Lv.3
生活魔法 Lv.3 ・ 体力強化 Lv.3
[加護] (改)自他共栄 Lv.3
おお スキル系が一斉にLV.3まで変化した。
魔法袋は…7トンの容量UP 保存期間も50→70日へ延長された。
複写も70%から80%の性能向上になったぞ。
さてさて皆がお待ちのサイコガンも大幅に変更となった。
出力変更が10~80%に可能になった。
最低も助かるが最高値が10%上がると威力は倍になる。
うーむ 段々バケモノ仕様の銃になってきたぞ、基本個人の思念力がベースにはなるが、マーラやギルマス等はユウゾーに匹敵する持ち主になる。
ギルマスは現在サイコガンより長距離に使える新型銃に興味を持っている、これから先はサイコガンの貸し出しに関して万一を考え厳選する必要がありそうだ。
おう 追尾性向上対策品とな。
ヘパフラスコ神様からの第二弾変更改良だな。
えーと 目標物を認識すれば50m先にて最大2m程度の誤差補正が可能。
よっしゃ、これで多少の射撃のズレはカバー出来る。
100発100中も夢ではない。
ミューやミーアクラスでも最大射撃到達距離は約百m程度だから、上下左右のバラツキが最大4m程度までカバー出来る、無敵だな。
なになにこの対策品は基本単発モードに適用するとな、そうか連発モードは流石に機能が追いつかぬのだろうな。
いやいや これで充分でございます、ヘパフラスコ神サマに感謝。
ふふ 生活魔法も上がったし、土魔法は更に強力になったのだな…。
「おい ユウゾー、一人で何をにやにやしている?早く皆に説明してくれ」
おっと、つい感慨深く眺めていたな、すまん すまん。
皆にLV.20達成により大幅変更になった点を説明する。
皆の関心はやはりサイコ銃と魔法袋に集中している。
「なになに? 追尾能力追加だと?」
「おう 攻撃力が今までの倍か!」
「なんと 魔法袋の容量が…」
・
・
暫くの間はわいわい姦しい、、。
「で ユウゾー、これらの品はいつ支給するのだ?」
だよね 当然の質問です。でも性能が上がった事により、従来より大量の魔力を…。
は はい、了解しました。マナポーション飲みながら至急皆さんに……。
結果的には従来とさほど変わらぬ魔力量で何とかなる状態だ。
創造魔法や複写魔法のレベルが上ったことによる、助かりました…。
それでも一日の合間合間で作成するのには限界がある、其の点は是非とも良しなに…。
焼け野原作戦は拠点の東側にてほぼ完了する。
と 同時に逃げ惑う魔物たちを倒し魔法袋に回収した数も馬鹿にできない数になる。
魔法袋は至急4.5トン用の物を作り、皆に配布し続ける。
なれどこのまま回収すると大蜥蜴は300キロ前後あるので、一袋で15体しか入らない計算となる。
午後からの行動は皆で解体のお仕事が待っていた。
かなり荒っぽい解体になるが、何せ毎日倒す数も半端な数ではない。
一袋に実質40体程度のお肉が入れられていく。
保存期間も45日あるので、古いものから食していき、新しいものは時間があれば、塩漬けや干し肉にされて長く保存できる状態にして魔法袋に再度収納していく。
「なぁ ユウゾー、毎日毎日流石に大蜥蜴の肉は流石に…」
文句を言うのではありません、調理法や調味料を変えれば毎日でもいけます。
何を贅沢な、戦地の兵隊さんは満足に食べられずに戦う事も多いのです。
それに比べれば、毎日腹一杯の食事にありつける事は…。
ふむ いつの間にか皆が逃げていったようだな。
一つの原因は調理法の不足だ、今回の遠征は大人数なので、エルフ達はエルフ専任の食事係をお願いしたが、どうにもメニューが焼くか煮るかの大雑把な品が並ぶ、ユウゾーは姫さんと妻達専用のコックになっていたのだが、エルフ達の不満もわかる。
そこでユウゾーが作る時に、エルフに作る実際の場を見てもらい次回の食への参考にしてもらっていたのだが、永年の習慣はつい丼勘定的な枠からはみ出すことはない。
数日に一回は川にて大量の魚を捕まえ料理したりと、目先を変えての料理となる。
穀物や野菜はかなり今回運んできたが、特に野菜は魔法袋に入れてあっても痛みが早い。
大量の漬物も持ち込んであるので当面は持つが、何人かに手配して森の中で食べられる野生の植物も採取した方がいいと検討中だ。
森までの往復10キロなどエルフ達にとっては散歩気分で動いてくれる。
それに焼き畑作業で見通しがよく、妻達のキャンピングカーで向かえば半分楽が出来る。
早速明日から皆の気分転換も兼ねて、交代で何人かに森へ向かってもらおう。
エルフは森の民だ、誰も反対などしないはずだ。
これは実は結果的に大好評だった、季節は晩秋、森の中はキノコを初め豊富な食料が入手出来たのだ。
あけびの実や柑橘系の果実も取れて、皆が大層喜んでいた。
数日に一回は少量ではあるが酒もふるまわれる、無論マーラとニーナが魔法袋に結構詰め込んでいた模様だ。実に彼女等らしい気遣い?であろう。
焼け野原になった事で車移動で皆の効率もどんどん上がっていく。
手際よくエルフ達を運び、火を付けて燃やしていく。
西の平原も拠点から5キロ近く焼き払う、そしてユウゾーが土魔法で壁を作り、大蜥蜴の侵入を防いでいく。その距離約20キロ近くにもなる。
ユウゾーが生活魔法スキルレベル3になった事と、エルフの中に土魔法も使える者が数名いた事が作業が捗った。
高さ2m程度の壁が延々と続くのはなかなかの壮観だ。
「ほう 完成したな これで大蜥蜴達も簡単には侵入出来んじゃろう」
ギルマスも嬉しそうに壁を叩いている。それなりに丈夫な壁だ、これにより焼け野原一体を魔物による防御対策がなされ、安全地帯が出来上がっていた。
「後は来年の春以降となるな」
季節は冬を迎えるが、何となく大平原は雪は積もらない気がする。
そうでなければあんな大きな蜥蜴達が冬を超すのは難しい筈だ。
「ユウゾー 道が第一の川まで継ったぞ、今は川を渡る橋を作っている」
偵察に向かっていたミュー達数名が帰ってきて報告をする。
「おう とうとう道が継ったか!」
橋が完成すれば大森林の端を数キロ作り終えれば、後は大平原にまっすぐの道を造るだけだ。
もう夕方に近い、明日一番訪問してみよう。
作業に従事した皆に感謝の宴も必要だな。
「おお アサノ卿、とうとう道が継りましたぞ 大平原に」
工事責任者がユウゾー達を見かけ駆け寄ってきた。
それに答えてユウゾーもこれまでの苦労に感謝の言葉を皆に投げかけた。
魔物に妨害されながらかなり予定より早く大平原まで到達した。
荷を積んだ馬車に対応するために、最後の道整備が残っているが大森林の中に太い道路が切り開かれたのは、今後の発展にどれだけ役に立つやら予測もつかないほどの利益を生み出す事になる。
橋は昨日の夕方には完成して、今日は朝から最後の数キロの道作りの作業となる。
そこで今回は一旦作業中止となり、その後大平原の5キロ程先にある土壁造りの仮拠点まで集合してもらう事になる。
「それにしても見事な焼け野原で御座いますな、それに何とこの平原の大きな事…。途轍もない領土が手に入る事になりますな」
改めて責任者達はこの大平原に刮目していた、各責任者達はまだこの大平原の大きさを知り得ていないが、目の前に広がる壮大な景色に圧倒されていた。
当面一週間に数回の投稿予定になります