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右手にサイコガンを持つ男  作者: 西南の風
193/281

193 いざ 大平原にて…

ユウゾーは大平原開拓に向けての準備に追われていた。


ほぼ10日間を費やして入念な準備を完了させた。

なんせお姫さんまで同行するとなると食事一つ疎かにできない。

総勢40名近い遠征隊だ、食料や部材不足の無いように手配してトラック一台に詰め込んだ。


村には申し訳ないがライラが総責任者として残ってもらい子供たち4名も暫しお別れとなる。

カリナ達も済まんが子供たちや農園の守りをお願いする。

開拓村は顔なじみばかりだし問題はないと思うが、用心だけは宜しくです。


先頭はユウゾーが主に運転するバス 32名乗車。

姫さん専用キャンピングカー 4名乗車

妻達のキャンピングカー   2名乗車

各種部材満載のトラック   2名乗車   計40名


準備はこの10日間で完了した。

新規エルフ全員にサイコガンも渡し、暇を見て森で狩りをお願いして銃に慣れてもらった。

無論講師はミーア様だ。彼女は何故か教え上手で本当に感謝しかない。


魔法袋も1.2トン用を全員配布。

皆が大喜びで何だかんだと個人の者を詰め込んでいた。

胸当ての鎧も軽量ながら丈夫な品を懸命に作製したぞ。


当然姫さんのは丈夫ながらシルバー系の見栄えの良いものを作ったつもりだが、妻達からはダサイと散々でした。

でも姫さんは大層喜んでくれてホッとした。

護衛の3名もエルフ達と同じ胸当てを、少し胸の余裕のある品を贈りました。

護衛さん達もエルフに同行して交代で狩りに出かけ、サイコガンの習得にも問題ないようだ。


よし これだけのサイコガン部隊ならばドラゴン相手でも引けは取らぬはず?!

妻達には念の為一番攻撃力の高い攻撃砲を各自の魔法袋に忍ばせてもらった。


 いざ 出発! 大平原よ待っておれ。


遠征隊は時速40キロにて日に250キロ進む、途中道路工事員の為の物資や水運搬の馬車に何台も行き交う。

皆が道路の片隅で固まり呆然と遠征隊の怒涛の進撃?を見つめていた。

エルフ達が窓から愉快そうに行き交う馬車に手を振って楽しそうだ。


三日目に工事の最先端の場所にたどり着く。

千名の作業員は半端じゃないスピードで道作りを進めていた。

後は歩いて一週間程の距離となる。

各車の責任者に最大3.5トン用の魔法袋を渡し収納してもらう。


建設責任者と今後の道路コースの打ち合わせを終える。

さて明日からは歩きとなるが、問題は姫さんの体力だが、ユウゾーは念の為二人乗りのミニカーを作ってある。

最高速度は大人の小走り程度だが、助手席でのんびりしていてもらおう。


朝早く工事の皆に見送られ遠征隊は出発する。

真ん中に姫さんのミニカー、前後左右に妻やエルフ達が用心しながら大平原へ…。

森の中は高い木のお陰かあまり草も生えておらず意外と歩きやすい。


日に20キロを目安に進んでいく、順調 順調。

定期的に出でくる魔物を退治しながら、食料に適しているものだけ回収しながら進む。


予定とおり一週間にてようやく大平原が姿を現す。




「「「うおーー これが大平原か 広いなー」」」


エルフ達も大はしゃぎで動き回る。


「これこれ 迂闊に草原に入るなよ、大蜥蜴に食べられるぞ」


慌てて森の中に逃げ込む何人かのエルフ達…。


「で どうするのだユウゾー?」


まずは北の方面に森との境を歩いて川のある地点まで進む。

数時間の最後の行進だ、気張って行くぞ!

 

 オオーーー!!


ようやく川のある場所に到着、今夜はここでキャンプだ。

ニーナが魔法書片手に雷魔法を数発川に打ち込む。

たちまち大量の魚が浮かび上がる。

皆が大騒ぎで今晩のオカズと捕まえ始める。

巨大なキャンプファイヤーが辺りを明るく照らし始めた。


マーラが何かあったのか大平原の北側をじっと見ていた。


「どうしたマーラ、何か気になる事が?」


「うむ 少しな、もう暗くなってきた、明日の朝また確認してみる。食事にするか」




朝食も終わり今日からの打ち合わせに入ろうとしたらマーラからストップがかかる。


「キャスナー お前村で一番目が良かったな、少し付き合ってくれ」


二人揃って小高い石の上に乗り北方面を指差して、何やら話し合いをしている。

ギルマスも何やら様子が変だとマーラ達を見ている。

やがて二人が皆のところに戻ってきた。


「ユウゾー 一つ報告だ。この北側の方角にもう一つ川がありそうだ」


 うん?もう一つ川が…。


「そうだな…ここからさらに北へ10数キロ先かな?」


 えっ? そんなに先が見えるのか、エルフの目半端ないな…。


「うむ 草原の色が一部青い箇所が確かに続いている」


皆がその方角を見るが、人族には判断出来ない距離だ。

色の濃い草が生えている箇所は大量の水がある可能性がある。


 おうおう 確かに薄っすらと色の代わっている場所が…。


何人かのエルフも騒ぎ出す。


今この川は草原に数キロ先まで流れ込み、やがて大きく左手に向きを変えて恐らく絶壁の岩山の隙間から海に流れ落ちていくと思われる。


マーラが見つけた川はそのまま真っすぐ何処までも大平原を進んでいるように見えると言う。

急遽その情報を皆で検討する。

色々意見が出たが、この大平原を開拓するには大量の川の水が必要となる。

川が2つあるならその中間地点に拠点を構えれば、将来何方の川からも水が引ける。

つまり大農園地帯が開ける可能性がある。


 ふーむ ユウゾーは考え込み始めた。


暫く悩んでいたが急に立ち上がり、皆に向かって提案をした。


「その先にある川がどの程度の川なのか、流れている方角の確認等詳細な情報が必要になる。ここでこの地にて待機する者と、その川を確認しに行く者との2班に分けたい。距離から判断しても川探索は明日の帰還になると思う」


皆も問題無しと頷いてくれた。

急遽別の川の探索隊は ユウゾー・ミーア・マーラそしてギルマス、他に支援エルフ5名がメンバーとなる。

他の者は暫くこの地にて待機して英気を養って欲しい。



まずは簡単な橋を作らねば向こう岸に渡れない。

川幅の狭い場所に急ピッチで皆で橋をつくり終える。


仲間たちに手を振って昼前にはユウゾー達は移動開始となった。


 いってきま~す 姫さんを宜しく頼むぞ。


進む道はそれなりに良い、皆の足も快適に速度が上がる。

夕方までには余裕で目的の川に到着した。


「ほう なかなか大きな川だな…」


河原などを入れれば川幅50m程度ありそうだ。


「水量も多いし 水不足対策はバッチリだぞ」


「川の方向もほぼ一直線だ」


目の良いエルフ達も大草原を貫くような川の流れに満足している。


「魚群も豊富と見た、食料の一つはカバーできそうだな」


支援のエルフ達も川の中を覗き込んでいる。


「水辺の魔物は生息しているのか?」


「…いや 今現在は不明だ。いたならば倒せばいい」


これだけ魚群が多ければそれを狙う水中の魔物も存在するのかも…。

なんだ かんだと皆が川の情報を集め始めていた。


「ユウゾー もうすぐ夕方だ。野営の準備をしよう」


ミーアの提案で皆がバタバタと魔法袋から簡易テント等を出して設置開始となる。

またたく間にテントが設営される。


「ユウゾー このテントセット村に持って帰りたい」

支援エルフ達が目を輝かせてユウゾーに迫る。


 うん? 気に入ってもらえたのかな、構わんとも好きにしてくれ。


数人用のテントに簡易ベット・エアーマットそれに寝袋は開拓村でもブームになっている。

パーティ用には多人数テントが好評だが、数人用も喜ばれている。


支援エルフ達は飛び上がり皆で、訳の分からぬ踊りを披露する。


「えーと ユウゾー、アレは求愛の踊りの一つだから、そのー…」

ミーアが少し困った顔で言葉を濁す…。


 どういう舞の意味だと尋ねると、、、。


男が好きな女性に愛を告白して、見事相手も受け入れる。喜びいっぱいの二人は人目を離れて二人で一晩中楽しむと言う内容らしい…。


 …どうりで 後半の踊りの中で可笑しな腰つきをする動きが多い…ゴホン。

 求愛の舞も良いけど君たち、私を誘わないようにお願いします…。


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