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右手にサイコガンを持つ男  作者: 西南の風
19/281

19 いざ ダンジョン

本日より都合により一日一話の投稿で当面進めます。ご理解の程宜しくお願いします。

 

 昨夜はやりすぎた とユウゾーは朝食を作りながら深く反省するのであった。

つい何も考えず魔物からの防御を固めすぎてしまった。

 

起きてすぐこっそりと防御柵を回収する。


全て無かったことにしたいユウゾーではあったが、ミューからお陰で魔物が近寄らなかったと感謝され、どう答えていいか分からないユウゾーであった。


朝食はおじや風野菜・肉たっぷりオートミルでこれも好評ですべて完食。


 さて 二日目のスタートだな。


移動開始して暫くは順調だったが昼前に灰色狼系5頭の襲撃を受け、午後には都度2回の襲撃を受けたが怪我人もなく野営地に到着。

皆から頼まれて防御態勢を気合を入れて作る事になり、それなりに満足出来る仕上がりとなる。

 

3日目は途中の村に泊予定。幸い今日は魔物の襲撃は一回で終わる。 

夜は時間をかけじっくりと調理を行い美味しくいただいた。

 

4日目から周りの景色が変わり始めた。農地が広がり始めた。

午後には辺り一面大農地が展開し始めた…コボルトの襲撃が一回。 

今日も小さな村で泊となる。 村の数が多くなった。


最終日襲撃は0 でも所々に有る森でゴブリンらしき姿を見る。

途中街道が直進と左折に二股に別れる。オレオン都市は左折して奥にどんどん入りこんでいくようだ。


左折してから道は今までの倍近くに広がり舗装も綺麗になる。

左折から二時間近くすると遠くに城壁が見え始める。後一時間位と説明される。

オレオン都市の後方に薄っすらと森が広がっている、森の先には遠く山の峰が連なっている。


都市に近づき全貌が見えてきた。城壁は高さ6mほどのしっかりとした石造りで城壁の上には兵士が数名こちらを監視している姿が確認された。


都市の大きさから最低数万人が住んでいるようだ。

都市の前面及び左右は豊かな田園が広がりかなりの収穫量があると推測する。


城門にて簡単な手続きの後、中に馬車は進んでいく。

都市らしい都市に初めて訪問する。建物がずらりと並んでいる姿には感動ものだ。

外の田園風景と急に切り替わると少し違和感すらある。

 

 ギルド前で解散となるが、同行した商人の馬車から責任者らしい女性が近寄りユウゾーにお礼を述べた。


昨日の夜、明日が最終日と言うこともあり、関係者一同に魔法かばんの食料整理を兼ねて、大盤振る舞いの食事会を催したのだ。

その御礼と途中の野営先での防護構築にいたく感動して夜の魔物襲撃もなく快眠できた事に感謝された。でも時折チラチラとユウゾーの魔法袋を見ているのでそっと何気なく魔法袋を隠すユウゾーであった。


よく考えるとこの女性に見覚えがある。開拓村の魔道具屋の入り口ですれ違った人物に間違いないだろう。 

 

女性はランダム商会のマリサーと名乗った。30前のなかなかのやり手に見える。

あの魔道具屋の婆さんに商談するならそれなりの人物だろう。


マリサーは商会の近くに寄った時は是非尋ねて欲しいと念を押して、馬車に乗り込んだ。何となく不味い人に目を付けられたかなと 何回目かの反省をするユウゾーであった。

 

ミューはギルドに報告に行くので、先にミューから紹介された宿屋で待っている事にする。この時間帯はギルドは混雑しているので明日にするのが一番。

夕食を皆でとる約束だからミュー達に後で会えるしな。


 宿屋はギルドから数分の所ですぐにわかる。綺麗な建物だ。

とりあえず2日分の予定で2食付 計2万ゼニーを支払う。

上の下クラスかな?



 シャワーがついていたので、さっぱりと汗を流し暫しベッドで旅の疲れをとると、ミューがノックしてきた。

ドアを開けると食堂の個室を予約したので30分後に集合と伝言される。


 

 指定された時間に時間に食堂に行くと給仕が個室まで案内してくれ、入ると全員が揃い早速宴会の開始となる。

よく飲んでよく食べるその量に若さを感じる。よくそれだけ飲んだり食ったり出来るものだと改めて冒険者の体力に関心してしまう。


 ユウゾーもそれなりに出来上がっていた、それがハプニングの始まりとも知れず…。かなりのアルコールを気持ちよく飲んでいたカリナがぼそっとミューの剣を褒め、私もこんな剣が欲しいといい始めたのがそもそもの始まりだった。


 半分出来上がっていたユウゾーは気楽に承諾し、カリナが下げていた剣を借り受けると瞬く間に錬金術にて数段階上の剣に生まれ変わった。

呆気にとられて剣を見入っていた残りの二人が、急にバタバタと外に飛び出すと剣を抱えて戻って来るとユウゾーに剣を差し出した。


 よしよしお前達もかとユウゾーは受け取り、続けて錬金術を行使し元の剣とは比べ物にならない剣に進化させた。


 3人は大騒ぎになり狭い部屋で剣を振り回し始める…

さすがにミューが怒って制止させたが、気分の盛り上がっている3人はユウゾーに抱きつきしきりに酒を進め、ユウゾーも鼻の下を長くして次々に酒を飲み干した所で記憶が無くなっていた。


 翌日痛む頭を押さえながら横をフト見るとミューが幸せそうにユウゾーに抱きついている姿があった。それもシーツの下は裸状態でだ。


 完全に目が覚めたユウゾーは何かが起きたと本能的に感じる。

しまった!ユウゾーは裸で寝ているミューを、真っ青な顔になり揺り動かした。


 状況的にどうなったのか想像できるが、本人の口から最終確認しなければなら無いとユウゾーは判断した。決して責任逃れをする気はない。酔っていたとはいいながらユウゾーは残念ながら記憶がまったくない。

もし過ちがおきていたなら責任をとらねば男として情けない。


 短い間にそう感じて判断したのだ。

やがて揺り動かされたミューが眠そうに目をゆっくり開ける。


 焦点の合わない目がやがてユウゾーを確認すると、おはよー と一声言った後にユウゾーにしっかりと抱きついてきた。


「ま まて。寝起きに悪いがこの状態を説明してくれないかな? 言い訳する訳ではないが、酔い潰れた後の記憶がまったくと言ってないのだが、この状態から判断するに私がミューに無理やり関係を…」


ミューは黙ってそれを聞いていたが、突然クスリと笑い


「私が潰れたユウゾーを連れてきたのよ。あのままじゃカリナ達に食べられたかもね…何せカリナ達もかなりの酒で理性が半分飛んでいたからな。服を脱がしてベットに寝かしのだけど、私もそれなりの酒が入っていて半分目が回っていたのでこれ幸いと?ユウゾーの横で添い寝したんだよ」


 あっけらかんに語るミューに少し疑念は残ったが、なんせ記憶が確かではないので、肯定も否定もできずにただ迷惑を掛けたと頷くだけのユウゾーであった。


「あっ そろそろ皆を起こさなければ」


 元気にミューは裸のまま起き上がり、狼狽えるユウゾーを尻目にテキパキと着替えると また後で! と元気に部屋から出ていった。


 何となく胸のもやもやが消えないユウゾーだったが、気分を治そうと熱いシャワーを浴びる事にした。


部屋に戻るとミューを待っていたかのようにカリナが薄く目を開いた。


 「どうだった?」


との問にミューは恥ずかしそうに俯いて軽く顔を頷いた。

それを見てカリナは親指を立てるとうんうんと嬉しそうに答えた…。




 昼近くまで宿屋で過ごし、早めの朝食兼昼食をとり、ユウゾーはギルドにミュー達は明日開拓村に行く馬車の護衛のための食料調達へとそれぞれ向う。 


 まだ酒が残っている体で頭をふりふりギルドに入る。昼一番ということもあり、広いギルド内も数える程のパーティ数しかいない。


 受付にて認識板を提示すると、初心者講座の一環でもう一回3級以上の方との同行が必要なんですが、何方か紹介してもらえませんか とお願いする。


受付嬢は認識板を確認しながら、しばし考え込んでいたが

 

 「現在心当たりの方は皆泊まりでクエスト中なので、最低でも明日以降でないとお返事ができないので…」


 「おいおい 私達が居るだろう」


 後ろから急に声がかかる。振り向くとテーブルに座っていた冒険者三人組の内の一人がユウゾー達の方に向かい歩きだしていた。


 おっ 綺麗なお姉さんだな。あれ、あの耳は…


 ユウゾーは女性の耳に覚えがあった。


 「うん? 私の顔に何かついているか?」


 「…いや失礼しました。あなた達の種族の人を知っていたもので…」


 そう言ってユウゾーは自分の耳を軽く指差した。


 「ふむ まぁ決して珍しくは無いと思うが、因みに誰なのか教えてくれるか?」


ふと困った、そう言えば名前を聞いていないな。


 「名は正式に聞いていないのですが…開拓村のギルド長です」 


 「「キリアーナ(様ですか)」」 受付嬢も反応した。


 あのおばさんキリアーナって名前なんだ。


 意外と有名人なんだな。それとも悪名かな?失礼な事を考えるユウゾーだった。



 「そうか 元気そうなのは良いことだ。 ところでタニア何故私達に紹介しないのかな?」


 「深い意味はありません。貴方がたは目的地がダンジョンですよね。あそこは初心者には危険な場所です。此方の方には早すぎます」


 「2級クラスが3人もいるのだ。荷物運びをしてもらうだけでいい。安全は私達が保証する」


 「そうは言っても、もしやの事を考えるのがギルド職員としての…」


 (おっ ポーターか。ある意味最適者じゃないか!)

 

 ユウゾーは一瞬で判断した。それにダンジョンに興味もあるしね…


 「あの良ければ私同行しますが…?」


 「「 えっ! 」」


 二人仲が良いのかな、さっきからハモっているよ。


 「そ そうか。本人が同意しているのだ。問題はないだろう?」


 「…基本そうですが、何かの時に逃げるにしても荷を背負っての行動は…」


 ユウゾーは前かがみになり小声で 私小容量ですが魔法袋持っていますので…

そう二人にこっそり伝えた。


 「よし これにて一件落着!」


 「…仕方ありませんね。本人の希望なれば」


 事の成行きを聞いていた他のグループから感想らしき声がきこえてくる。

 

 (げっ あの小僧受けたぞ)

 (初心者じゃ無謀だろう)

 (良くともボロボロになって帰ってくるぞ)

 (なんせエルフの同行だ)

 (可哀想に…)

 (マンイーター)


 そんな声にエルフの一人がキッと他の冒険者を睨みつけた。

忽ちギルド内は静まり返った。最後の一声が気にかかる…。


 「それでは契約完了という事で、後は当事者同士で打ち合わせ下さい」

 

 「ふむ 先ず仲間を紹介する。こっちだ」


 連れられて彼女たちのテーブルに座る。

ユウゾーに話しかけたのがリーダーのマーレイラ 他の二人が ニーティア ムラッサーと名乗った。三人美女軍団か。 

 困ったな人の名は本当に覚えが悪い…。そのうちに覚えるかな…。

  

 「ユウゾーだ 宜しく頼む。」 


 とりあえず名を名乗っておこう。仕事の話に無理やり入る。

出発は明日にでも行きたい。食料はエルフにて用意する。泊まりの準備さえしていてくれれば良い。場所はこの都市から片道2日。最低10日間はかかる。報酬は全部材の3% 以上。 うん こんなもんかな?


 了解すると 明日の朝一番で宿前に集合となる。

不思議に思い確認すると、おなじ宿に泊っているらしい。昨日の乱痴気騒ぎを知っているのかな? 恥ずかしい。

 


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