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右手にサイコガンを持つ男  作者: 西南の風
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189 いざ 新型馬車開発?

久しぶりの我が家となった。

畑関連はカリナ達が中心になってよく働いてくれたお陰で順調だ。

作付け等の忙しい期間には開拓村にて短期アルバイトの助力にて乗り切ったようだ。


カリナ達は出が農家と言うこともあり、農作業に関しては安心して任せる事が出来る。

簡単な指示で卒なくこなし、臨機応変に対応するのは冒険者稼業にて覚えたやり方なのか、将来はこの地を任せても良いかなとユウゾーは考えていた。


ユウゾー達一行は今後大平原開拓に挑まねばならない。

工事責任者達と打ち合わせると、このペースにて進んでいけば来年早々には大平原までの道が切り開かれると考えているようだ。


無理は禁物ですぞ、奴隷待遇と言っても最低の身の安全や食料問題は付いて回る。

決して無理のないように各責任者にお願いしておく。



「ユウゾー 畑の拡張を考えてくれまいか?」


農作業をしていたユウゾーにカリナが提案をしてきた。


「ふむ 構わないが、手が足りなくなるぞ」


「実は新開拓村には人が結構入り込んできているのだ」


この春を境にして移住の人数が増えていて、働く場所を希望する者も増え、カリナ達が定期的に引き受けて短期アルバイトにて賑わっているとのことだ。


「…採算はどうなんだ?」


手助けは助かるが最終的に此方が身銭を切るのでは今後問題になる。


「ユウゾー お前が教えてくれた森の腐葉土を定期的に畑に回収するやり方と、エルフ直伝の害虫防止液により黒字は確実だ。これで畑の拡張がなれば短期ではなく長期に人を雇っても問題はない」


「…そうか ならば今後のこの開拓村の発展の為にも農地拡大を検討しても良いな」


無論このユウゾーだけの畑で開拓村の全ての需要が賄われる筈もないが、現在は村の半分近くはユウゾー農園にて対応出来ている。

開拓村の人々も新鮮で格安のユウゾー農園に感謝している現状だ。


「思い切って小麦畑を隣に新しく作って集中管理とするかな」


現在敷地の約半分は小麦を植えているが、今より大きな耕作面積で小麦中心の畑を作り、空いた土地を新規の野菜畑にする手もあるなと考えていた。


「おう それはいい考えだ。小麦はもしかに備えてどうにでも対応が効くからな」


カリナ達はうんうんと互いに頷きあう。

もうすぐ麦の刈り取り時期となる、その後に拡張作業に移る手配となった。


そんな様子を木陰にて優雅にお茶タイムのグレイシアはしっかりと見ていた。


 ユウゾー様が何か打ち合わせですね。しばらくすればまた色々変化がありそう…。


テーブルにはユウゾー達が大平原に到着した時に眺めていた簡易地図が置かれ、グレイシアはどの様な街作りをすべきかあれこれと従者たちに意見を求めていた。


 こんな大きな平原とは…上手く開発すればとんでもない利益が生まれそうですね。


グレイシアはグレイシアでユウゾーに将来提案する都市作りや大農園地帯開発にワクワク感が止まらなかった。



麦の刈り取りが完了してユウゾーは次の仕事に移る。

一つはカリナと約束した農園の拡張であり、もう一つはグレイシアから依頼された大型移動馬車の制作にかかっていた。


農園の拡大は横に4百縦に4百メートルの思い切った拡張作業になる。

新外壁を造り上げて土地の整地に村人たちの他冒険者も日銭を求めて大勢集まり人海戦術を展開していく。

この新しい土地全てが麦畑となる予定だ。

日に日に新しい土地になる様子を見ながらユウゾーは次の大型馬車開発に取り掛かる。


制作するタイプは大きく分けて二つになる。

魔石で動く乗り合いバス方式と荷を運ぶに適したトラックタイプとなる。


当初どちらもユウゾーの魔力では不足していたが、マーラが魔石の魔力を利用しての裏技を伝授してくれてようやく2タイプのモデルが完成する。



「どうだ?なかなか快適だろう」


ユウゾーは得意げに試運転にて第一開拓村まで希望者を乗せて動かしていた。

乗員は通常で30名程度の座席が用意してある、無論非常時には乗るだけ乗せて動かす事になる。


「「な 何だこの速度は! この馬車は疲れ知らずか?」」


グレイシアを始め妻達や関係者10数名が乗り最初から大騒ぎにて、流れ行く景色を驚きの声を上げている。


たまに行き違う馬車の人々が皆何事かと固まっていた。

そんな様子をバスの窓から妻達が愉快そうに手を振って挨拶していた。


「凄いな、どんどん進んでいく…」


第一開拓村まで90キロ前後の距離だ、それを通常は3日で今までは移動していた。

なれどバスは安全の為時速40キロで走る、それでもつまり2時間ちょいあれば到着となる。


「「「見えた、第一村に到着だ…」」」


車内が大騒ぎになる、半日もかからずに第一開拓村に到着した。

そんなバスを見てパニくったのは門番兵だ、突然見たことのない大型魔獣が現れたとギルドに応援依頼で走り出した。

手の空いている冒険者達が必死の構えでバスを迎え撃とうとしていた。


「まてまて 待て!俺だユウゾーだぁー」


彼らの前でブレーキをかけて横の窓から顔を出して叫んだ。


 ひぃー 喋ったぞ!  いや ユウゾー さん? 


ギルマス代理のダンカン氏も飛び出してきて、ポカンとバスを見ていた。

暫く皆からブツクサ文句を言われたが、ユウゾー作と判明すると何か皆が納得したような顔つきに変わりだした。


 待て 何だその諦めきったようなその顔つきは? 解せん!


「うるさい ユウゾー」


ギルマスが怒鳴りながらバスから降りていく。

ダンカン氏や冒険者達にこの新型馬車の試運転中であることを丁寧に説明していた。



「な 何と第二開拓村まで半日かからずに…?」


ギルマス室にてグレイシアや数人の護衛とマーラが入り再度説明をしている。

他の妻達は久しぶりの買い物をしに村を動き回っていた。


「うむ 信じられんが事実だ。将来はこれを走らせて人や物を運ぶ予定なのじゃ」


ギルマスがダンカン氏に色々と今後の説明をしていく。


「しかし…いつもの事と言いながらとんでもない物を、、、」


呆れた顔で改めてユウゾーの顔を見つめていた。


 えーと 何となくその雰囲気は褒め言葉じゃないよね…。


ユウゾーは敢えて言葉を発しなかった。


昼飯と買い物を済ますとユウゾー一行は皆に手を振って第二開拓村へと走らせる。



「ふーむ もう少し魔石の消費を抑えられるといいな…」


往復に使用した魔石を計算してユウゾーは改良点を検討していた。

今の状態では常に満席でないと赤字になるようだ、常にバス内が満席など滅多にはあるまい。

今現在ではユウゾーの所有する魔石で経費はかからぬが、これを商品として売り出すなら少し問題がある、なれど半分の座席を潰して荷も同時に運べば採算が合うのかな?

馬車一台分の荷が積めれは商品にもよるが左程赤字も出ぬかと考え込んでいた。


そんな折にグレイシアから相談があった、しばらくすると色々と相談事があるので一旦王宮に戻りたいと、その折にこのバスを利用したいと言う。


 げっ!これを国王様に見せる気だな…仕方ないか。

 国王様達の反応が目に浮かぶ、、、絶対軍事目的だよな。


深い溜息を尽きながら、従者の中から数名選び運転の特訓を開始した。

ほぼ一週間程の特訓でまぁ満足するレベルまで到達すると、グレイシア様一行は配下の兵たちと共に一旦王城目指して帰還していく。


当面一週間に数回の投稿予定になります


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