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右手にサイコガンを持つ男  作者: 西南の風
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168 いざ 妻の懐妊


雪が溶けかけて道が少しぬかるんだ頃に王都から二人が帰ってきた。

馬車には珍しい品やお菓子類が山程積み込まれていた。


「「「おかえりー」」」


皆からの歓声を受けて二人が嬉しそうにユウゾーに抱きついた。


「「ただいまー」」


積る話しはゆっくり中で聞こう。

同行の冒険者達も長い間ごくろうさまでした。

報酬の他にユウゾーの直営店で当面半額対応させてもらおう。

好きな物を購入しておくれ。



旅の垢を風呂にてゆっくり落とし一段落ついた頃に皆が集まって成果を聞いていく。

城では先に送った50丁の新バズーカ砲にて特別チームが組まれ活用法が検討中だと言う。

国王を始め主だった重鎮たちが上機嫌にてアーシャ達を迎えてくれた。


確かに計120丁の砲とエルフ達の新型銃があれば無残に敵に駆逐される事もあるまい。

後は戦闘のプロに適切な活用法が確立出来れば良い結果が出るだろう。


今回の破格な武器の購入価格には第四王女のグレイシア様の口添えがあったみたいだ。

期間限定品とはいえその武器の威力に惚れ込み、なんとしてもユウゾーに開発の恩義をするべきと国王である母と大臣に直談判の結果認められたらしい。


 おう 殿下のお力か、嬉しい事だな。


今度この地に来ることあればお礼を申さねばならないな。

宮廷料理とまでは行かぬが美味しい魔物肉の…魔物肉は少し不味いかな?でも前回もこっそり出したらお付きの護衛達も一緒になってかなり喜んで召し上がっていたよな…。


まあ 良い、兎に角美味しい料理をお出ししよう。

当面此方には来ることは無いだろうけど…。

此夜は久しぶりに全員揃った妻達と寮生のエルフ達も加わり楽しい宴となる。



アーシャから預かった白金貨70枚をギルマスに知られる前にこっそりと地下の金庫にしまう。

前回はギルマスにバレてしまったが、今回は上手く惚けよう。


もう少し経てば本格的な春だ。

春の畑の準備もせねばならないし、エルフ達の交代の時期も間近だ。

新型銃と新バズーカ砲も増産しておかねばならないな。


今いる敷地内のエルフ達は交代時に新型銃等はそのまま渡すつもりだ、持ち帰り各村でその武器に慣れたエルフ達を一人でも多く育ててほしいのだ。

いざ鎌倉の場合には駆けつけてもらう可能性があるからだ。


当然それに似合う対価も渡さなければなるまい。

銃はその対価の一つになるのだから。




春が本番となる頃にミューが種族の仲間5名を連れてカリナ達と共に帰還となった。

久しぶりだミュー、そして初めまして皆さん。


全員移住希望で良いのかな?

年齢的にもミューとそんなに違いはないようだが、村での働き手として問題は?


詳細を尋ねると移住希望は3名、他の2名は一年間働いてお金を稼ぎたくて同行したと判明。

了解だ 皆さん宜しくどうぞ。




春本番となり畑仕事も忙しくなってきた時にとんでもないニュースが判明した。

何と マーラとライラが懐妊したと判明したのだ。


二人共何か近頃体調がイマイチと感じていたらしく、アーシャとニーナがもしやと村の助産婦さんに来診してもらった結果、ほぼ間違えないと説明を受けた。


皆が大騒ぎにて祝いの宴となる。当然当事者の二人は禁酒となる。

特に酒好きのマーラはほぼ一年間は我慢となり、懐妊を喜びながらも禁酒には悲痛の顔であった。


この数年間は間が空いた為に少し忘れがちになっていたが、久しぶりの懐妊に皆も大喜びの様子で連日の宴が夜は続いた。




昼間は畑仕事夜は宴会とこの所もう10日程も続きそれでも一向にお祭りモードは収まらない。

考えればもうすぐ交代要員が到着する筈だ。

各村に帰ればまた以前の暮らしに戻らねばならない。


そうなればまた慎ましい生活が待っている事になる。

この新開拓村に来て一年、今まで村から出た事がない者も何人か居る。

そんな者達にとってこの自由な一年間は目から鱗が落ちる生活であった。


その生活ももうすぐ終わりになる。

現状の楽しかった生活との決別になる、そんな思いが毎夜の宴になるものと推察される。


だから敢えてユウゾーも毎夜の宴に五月蝿い事はいわず黙っていた。

次に彼女達が来るのは何年後か、いや最低10年は無理だろう…。



第三村の補佐役ミランダさんに引き連れられ交代のエルフ達が到着した。

息子のカムイとプラハも一緒だ。

カムイも恥ずかしそうにユウゾーに挨拶をする。


うんうん 元気そうで良かった。変わりはなかったかな?


当然の如く大歓迎会が開催される。

その席で皆にマーラとライラの懐妊の知らせを開示して、更に盛り上がる。


肝心のマーラは当面酒の禁止により少しご機嫌が悪い。

いや正確には酒を自分が飲めないのを良いことに、マーラが隠してあった秘蔵の酒を片っばしから飲み尽くされているのが原因だ。


ご機嫌の悪いマーラを懸命に宥めるユウゾーである。

まあまあ もう少しして体調が戻れば少しなら飲んでも…いや ダメだな、飲兵衛のマーラが少しで我慢出来るはずが無い。


子供が生まれるまでは禁酒決定!

なんだその情けない顔は? 生まれてくる子供の為だ我慢 我慢!




ミランダさんが連れてきた各村のエルフ達の歓迎会それにマーラ達の懐妊祝と嬉しいことが続き、ようやく皆が落ち着いてきた時にまずは新メンバーに各種銃の訓練を始めて慣れてもらう。


現在各村にもサイコガンが最低数丁はありその効果はほぼ知ってはいたが、実際に触ったことがない者も何人か居る。

自己流になる事を防止する為にここは講師役のミーア様にお願いする。


彼女は何故か教え上手だ、私や他の者が教えるより遥かに上達が早い。

サイコガンから始まり新型銃さらに新バズーカに各エルフ達のテンションはMAXとなる。


特に新バズーカは当初皆が驚愕し固まってしまう。

ミランダさんもその威力に少し心配している、当然だ これが只人にも渡れば将来においての禍根が残るかもと感じているのだ。


流石将来のオサ候補、その後の顛末まで予想したのであろう。

安心させる為に実はこの武器は期間限定品だと、今後の憂いを無くするために細工をしてあるとこっそり打ち明けて安心してもらった。


安堵したようにホッとしたミランダさんが、ふと何かを思いつき耳元でつぶやく。


 では細工していないこの武器をエルフ族には支給してくれるのですね?


おう 抜かり無いですな 流石ミランダさん。

無論第三村には今回細工なしのバズーカを数丁こっそりお渡しします。


途端にミランダさんは悪い顔になり微笑む…。

その夜は新武器のお礼も込めてミランダさんからの濃厚なサービスを受けたユウゾーであった。



二週間近く色々なカリキュラムを終了して新・旧メンバーは交代の手配を完了する。

この一年間有難う、各村に帰ったら持参した武器の普及をお願いします。

一人でも多くの使い手が増えるのは今後に役立つはずです。


ミランダさんそしてカムイ来年も待っているよ、体に皆気をつけてね。

一年間頑張った皆は魔法袋に入りきれぬほどの各種食材・日用品及び国よりこの一年間大森林より上がった収益の金額が届けられているので、これらを各村の長あてに積めて帰還となった。



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