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右手にサイコガンを持つ男  作者: 西南の風
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167 いざ 新型砲?納品


四苦八苦の末にユウゾーは攻撃力の高い武器を作り上げた。


破壊力においては先の新型銃を更に大きく上回る攻撃()となる。

制御に関しては今までとは逆転の発想で魔法が主で思念力が副となる。


ここで問題が発生した、思念力が副と言う事は思念力の数値の低い者でも扱える事になる。

この銃がエルフ達以外の者でも使用出来る事が可能になったのだ。


正確な数値は不明だが、推定で50以上あればこの強力な武器使用が可能と思われる。

将来を考えて何か施しておきたい。

将来この砲がエルフ達に向けられないようにしたいのだ。


…本人以外は使えないようにするか、エルフと比べて寿命の短い只人ならば数10年後には自然と宝の持ち腐れとなる。

いやその期間で何があるか分からないし、期間が長過ぎる気がするな。

数十年後は寿命の問題で自分は生きていないな。

妻や子供たちに迷惑はかけられないぞ…。


…期間限定? そうか数年後には自然と材質劣化により使用不可になれば良いな。

欲しければまた発注してもらえばよい。


どうせ私しかこれは作れまい。

うーん 何か死の商人になった気分だな…。


まぁよいこれで行こう。エルフ達には正規品、只人族には期間限定品を売りつければいいな。

いやいや 先の戦いのように強力な力でまたエルフ達が操られないとは限らないしな。

当面は様子見で全て期間限定品を製造するのが正解だな。


あれこれ悩みながらそれなりの答えまで到達したようだ。




更に数日かけて新バズーカ砲?が完成した。

出来た品を鑑定すると 耐久性能約5年 と明記された。


うーん もう少し短い期間のほうが安全かな…そうだ これ複写したらどうなるかな?


大正解!! 耐久性能約3.5年 丁度いいじゃないか。

威力も70%になるな。元々高性能だからこれも問題なし。


複写なら創造魔法を使うより遥かに少ない魔力で作れるな。

無理すれば日に5丁はいける。薬はあまり飲みたくないし。


よし これを売り込んで一儲け?

値段はいくらにしようか…悩んでいた所に妻達の乱入となる。


何をしているのか と暇そうな面々に事の次第を説明。

説明に納得すると皆が感心とも呆れた顔ともつかぬ反応になる。


 お主もワルよのをー  マーラに言われたくはないわ!


冗談だと直ぐに訂正が入り、期間限定品とはよくも考えついたと笑い出す。

まずはこの改良品をテストしてから販売価格を決めようとギルマスを呼びに行く。




「おお 70%の威力でも十分使えるぞ」


テスト地の河原に皆が撃った大穴が何個も出来上がる。

飛距離は約500米位だがこれも問題あるまい。


ギルマスも上機嫌だ、将来只人族と万一もめてもこれを使われなければ、森のエルフ族も遅れをとる事もそうそうあるまいとしきりに感心された。


寒い外はこれまで、温室ハウス内でお茶でも飲みながら最終打ち合わせとなる。


価格設定は皆強気の強気…。

国の存亡がかかっているのだ、むしり取れと悪い顔が並ぶ…。


出てきた数字は流石にドン引きとなる、すったもんだを繰り返し、1丁500万ゼニーで手打ちとなる。

性能は問題ないが、三年半の賞味期間ならこんなものだろう。


それに恐らくは数もそこそこ注文が来るだろう。

開発に時間はかかったが、後は私の魔力だけが経費だからな。


皆かなり不満顔だが、まあまあ落ち着いてくれ。

一度この武器の味をしめれば麻薬と同じで定期的に発注が出るはずと笑うと、今度は皆がドン引き状態になり始めた…解せん!


早速城に試作品と取説に予備のマガジン それと1丁あたりの金額を書き込み送り届ける。

後は城で判断して結論を出すだろう。

やれやれ肩の荷が半分おりたかな…。




その返信は驚くほど早かった。城からの遣いの3名の騎士達は殆ど不眠不休で予備の馬を連れて到着した。文面は…。


 見た 触った 確かめた 感動した 何と簡略的で何処かで聞いた前文だ。


そして次に発注内容が書き込まれていた。

 

 大至急 1丁に3マガジンを1セットとして 最低100セット希望。増量可。

 1セットにつき白金貨1枚支払う。 納期返答こう! 前金持参!


到着と同時に倒れ込んだ騎士達はフラフラと起き上がり、城より預かった金子を手渡す。

その袋を受け取り中身を確認すると、白金貨50枚が入っている。


まずは使者の騎士さん達には別室で休んでもらい、妻達に城からの文を見せた。


「「「なんと 太っ腹な! ユウゾー直ぐに製造開始だ」」」


妻達は喜びユウゾーにハッパをかける。


「…おい 目をゼニーマークにして言っても説得力ないぞ」


ある程度予測はしていたので、現在35丁は確保している。

残り65丁だな…。


「「違うぞユウゾー 増量可だぞ!」」


「やかましい 取り敢えず依頼の100丁だ!」


数日騎士さんは休息が必要だろう。

帰りは荷があるから馬車の手配もしておこう。

ギルマスに言って腕利きの冒険者を何人か手配だな。



到着して3日目の朝に騎士達は護衛の冒険者達と完成した新バズーカ砲50セットを馬車に積み込み城へと向かう。

返信には残50セットの納期は輸送日数も入れて一ヶ月の猶予をもらうと書いた。


慌ただしく出ていく騎士達を見送り、ユウゾーはこの数日で凝った体を揉みほぐす。


「うん 何だギルマスその手は?」


ギルマスがユウゾーに向い手の平をひらひらさせている。


「お前の所でまた滞留させてはいかんだろう?」


 えっ?何のこと…ああ報酬の白金貨か、、、。


ライラに金庫に入れてあった袋を持ってきてもらいギルマスに手渡す。

それを受け取り魔法袋に入れてギルマスは上機嫌でギルドに引き上げる。


「ああ 大師匠に持っていかれたね」


アーシャが何故か愉快そうに笑っていた。


「まぁ 口座に貯金したのだから いいかあ」


ユウゾーも首を横に振りながら苦笑いをする。



半月かけて計70セットを作り上げ、精も根も尽き果てたユウゾーの姿があった。

納品をせねばならない、申し訳ないが妻から選抜メンバーを組む。

盛大なアミダくじの結果、アーシャとニーナが選ばれる。


他に冒険者3名を雇い計5名にて馬車を借り出して王都へと出発となった。

大臣から以前もらった手紙を持参して面会の証とする。


無論出発前にはアーシャとニーナは特別にたっぷりと夜のお勤めに頑張るユウゾーだ。

二人に十分満足してもらい旅立ってもらった。

帰りには好きな物を買い込んできてもらう。

他の妻達が色々書き込んだ紙を二人に手渡していた。


無論全てのお金はユウゾー個人から出ている。

おい 寮生のエルフ達からも欲しいリストが届いているみたいだが…。


…了解だ 二人の帰還を楽しみにまっていよう。

まだ寒い季節だ、十分に暖かくして風邪などひかぬようにな。


気をつけていってらっしゃ~い!



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