165 いざ 冬模様
越冬に向けてユウゾー達も忙しく働いていく中、例年通りプラハのお迎えがやってくる。
お迎えの兵数名には数日間のんびりこの地にて色々満喫してもらう。
帰りには大量食材と日用品の不足分も持たせて皆元気に村へ戻っていく。
プラハ 体に気を付けてな 来年また元気に帰ってくるのだぞ。
オサたちに宜しくな。
カリナ達や寮生のエルフ達が少し元気がないみたいだな。
いつの間にかプラハも逞しくなってきたな、皆のアイドルみたいなものだからな。
うん 夜専門の…いかん 余計な事を言っては…。
どんなトバッチリが此方に降りかかるかもしれん。
ライラ達3人組がこの所敷地内のエルフと組んでよく狩りに出かけている。
越冬準備も一息つき、ハウス内の植え付けも終わっているから基本暇な時間が多い。
万一に備えて彼女達にもサイコガンを貸し出してある。
正直彼女達のレベルだとさほどの攻撃力は見込めないが、最大にて使用すれば通常の弓矢攻撃の倍以上の威力は出せるし同行するエルフ達もいるからな。
怖い魔物が闊歩するこの地区でも何とか対応は出来るレベルだ。
退治した魔物をギルドに持ち込みそれなりの金額を稼ぎ出す。
無論元の冒険者に戻りたいとの理由ではなく、農繁期の忙しさから開放されて気分転換と冬の臨時収入を稼ぐのが主の目的だ。
彼女らもこの地に住み込んで安定した生活を営んでいる。
彼女らは同郷の出身なのでたまには帰省したらどうかと何回か勧めたが、基本寒村で知人は居るが親戚関係は無いに等しく、今更帰省してもと断られていた。
そんな彼女たちにミューの故郷に同行をお願いした。
ミューの故郷はエルフ第一村とドワーフ達の住んでいる村との中間点にあるそうだ。
ミューは予てから仲間の今後を心配して折があればこの地に何人か連れてきたいと思っていた。
今年はエルフ達が15名住み込んでいるし、動くならいい機会だと判断したようだ。
ミューが村に一旦戻る事が決定してからその前準備に忙しく動き回っている。
ユウゾーもみやげ品とばかりにかなりの品を魔法袋に詰め込んで持たせていた。
まだ雪が降るには早いし危険地帯を避けて4名組んでいけば問題ないだろう。
うまく行けば新しい仲間も増えるし、気をつけていくのだぞ。
皆からの見送りを受けて4名は早朝早く元気に出かけていった。
来年の春には帰ってくる予定だ。
温室ハウスに暖房用のストーブが夜間を中心に薪が焚べられる日が始まった。
もう少しすれば昼間も必要になるが、日中はハウス内は結構暖かい。
暇を持て余し気味の者達が、錬金術で忙しいユウゾーの側に集まっては姦しく騒ぎ立てる。
新開拓村内にあるユウゾーの直営店にからの注文がこの所多くて、少しの暇を見つけてはせっせと小銭稼ぎに追われる。
それなりの資金も蓄えてはいるが、基本貧乏性のユウゾーは冒険者達の要求に答えるべきあれこれと売れそうな品も試しに置いてみる。
いつの間にか珍しい品があると評判になり冒険者達の行きつけグッズ店として好評だ。
だが問題は利にさとい商人達で一部買い占めの問題も上がっていた。
基本ユウゾーは大量に製造は好まない、単純に自分の時間が無くなるのが嫌なのだが、買い占めにあった冒険者に迷惑がかかると、ブツブツ文句を言いながら作り置きをしている。
店番の妻や応援のエルフ達にも商人たちの同行に十分注意をするように頼んであるが、相手も冒険者を使い小銭稼ぎの片棒を担がせるなど手が込んできた。
毎日決まった者が店番をしていれば不審な者を早めにチエックできるのだが、昔から手の空いた妻達が交代で店番をしていた結果、なかなか早めに不審な動きがつかめなかった。
今回思い切って常駐する信頼のおける者を村から新しく採用してみた。
基本その者に任せ、応援や日中様子見に手の空いた妻達が訪問する方式にしてみた。
上手く機能すればよいが…。
そうそう我が家の動物達が増え始めて毎日の餌当番も忙しい。
特に新鮮な卵は皆の好評で、新しく柵で仕切り数十羽に増えた鶏から定期的に採取して食卓やお菓子作りに使われている。
鶏卵の回収は子供達のお仕事でもある。
大量の鶏の中を駆け巡って楽しそうに回収してくれる。
当然たまにコケて卵を割る場合もあるが・・。
山羊は子供達の天敵?で追い倒されても子供達は懲りずに山羊に近づいていくのだが、どうも相性が悪いのか常に山羊から追われているイメージしかない・・。
馬と豚も新しく仲間になったが、馬はどうもユウゾーと相性が良くなく、エルフ達がもっぱら飼いならして乗馬もどきを楽しんでいる。
豚に関しては産めよ増やせよの状態で、子豚の誕生を皆が楽しみにしている。
食卓を賑わしてくれのは今少しの時間が必要と思われる・・。
そうこうするうちに急激に寒さが強まってきた。
温室ハウスも暖房がフル回転だ、当然暖を求めて皆が集まってくる。
各家にも暖房あるよね、何故だ・・。
・・ところでギルマスもここに居るのはマズクないのか?
何?優秀なスタッフがいるから心配するな? そうですか、、。
ライラとケイトのお母さん手作りの焼き菓子が運ばれてくる、ワラワラと?皆が集まり勝手に焼菓子をつまんでいく、おいエルフ共いつの間にこんなに集まった? たまには差し入れを、、 えっ持参している、では後からいただくとするか・・。
チェチェ国が大人しくしてくれれば平和の日々が送れるのだが、なかなかキナ臭い状況は変わらないままだ。
森に白いものがチラチラする季節になった。
もうすぐこの森も雪に染まっていくだろう。
今年最後になる狩りを大勢の参加の元行われ、かなり大量の魔物を退治する事が出来たので、美味しい肉は我が家用と新開拓村の寮生に持っていく。
残りはギルドへ卸に行ったがあまりの多さに業務に支障がでるとギルマスからお目玉・・。
誰かが 一番暇そうな人物に怒られてもね と呟いたのを聞き咎めてまた怒りが爆発・・。
あまりの大量な魔物に精算は数日後となる、取り敢えず魔石の精算だけで引き上げる。
えーと ギルマス、ギルドは忙しいのでは?何故について来る?
その夜は魔物の肉にて大宴会となる。
新開拓村のエルフ達も仕事の終わった者から集まりだし、総勢50名近い宴会となりほぼ夜中までの大騒ぎとなる、最後は酔っ払ったエルフ達の裸踊りまで始まり、身の危険を察したユウゾーはこっそりと逃げ出す。
翌日は敷地内の寮は完全に地獄絵の状態、物は散らかり酔いつぶれて吐いた後まで、死んだように寝ている者達がアチコチに、、。
お前らこの寮を綺麗にしてから帰れよな。
アホなエルフ達は放っておいて動物たちの餌当番は今日はユウゾーが行うことにする。
酔って臭い息を吹きかけられたら動物が可愛そうだ。
娘達二人が服を着込んでユウゾーの後からついて来る。
おう 我が娘達は元気だな いいかい大きくなってもあのエルフ達みたいに醜態を晒してはいけないよと現場教育を行うユウゾーであった。
そんなユウゾー達の横を朝の挨拶をしながらトコトコ通り過ぎるケイトのキッチンカーがあった。
おはよう! 今日も早くからご苦労さま。
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